LOUNGE /
TRAVEL
2025年1月8日
短期連載1 ハネムーナーじゃなくても楽しい! タヒチは懐の広いプリミティブな「楽園」
Tahiti|タヒチ
2024年夏、タヒチ観光局とハワイアン航空主催のプレスツアーで初めてタヒチを旅しました。その模様を3回にわたってレポートします。
Text by HASEGAWA Aya
南太平洋の楽園に、知的好奇心を刺激する冒険に出る
日本人でタヒチに行ったことがある人ってどれくらいいるのでしょうか。気になって、検索してみたところ、観光でタヒチを訪れる日本人は年間で約8000人だとか。
だいたいの場所はわかります、きっと素敵であろうことも想像がつきます。でも「ハネムーンで行くところでしょう?」「物価、高そう」などのイメージが強く、なかなか訪れる機会がありませんでした。で、実際に行ってみた今思うのは、「たしかに一生に一度は行くべき場所だ!」ってこと。ええ、例えハネムーンでなくてもです。
まずは、タヒチについて、ざっくりと説明させてください。正式名称は「フランス領ポリネシア」ですが、「タヒチ」という愛称で呼ばれることのほうが多いのは、みなさんご存じのとおり。
日本から南東に約9500km。ハワイ諸島、ニュージーランド、イースター島を結んだ「ポリネシア・トライアングル」と呼ばれる地域の中心に位置する、南太平洋上の大小118の島々で構成されています。私たち日本人がよく耳にするのは、モーレア島やボラボラ島、そして、首都パペーテがあるタヒチ島でしょうか。
ポリネシアの歴史は、紀元前、アジアの東南地域で暮らしていた人々が南下し、トンガやサモアを経て、移り住んだことに端を発すると言われています。その後、1767年にイギリス人のサミュエル・ウォリスがヨーロッパ人として最初にタヒチを発見。1842年にフランスの保護領に、1946年にはフランスの海外領となりました。
その後自治権も拡大し、1957年に「フランス領ポリネシア」となっています。最近の大きなトピックスといえば、2024年のパリ・オリンピックのサーフィン競技が、1万5千キロ以上離れたタヒチ島チョープーで行われたことでしょうか。
まずタヒチの玄関口であるタヒチ島に到着。そこで1泊して、その後、タハア島(ライアテア島からアクセスする)と、モーレア島のリゾートに滞在しました。で、再度、タヒチ島に戻り、タヒチ島の観光スポットを巡ってから帰国の途へ。1週間強の滞在でしたが、「ハネムーンにぴったり!」というこれまでのイメージはやはり間違いなかったと思うと同時に「ハネムーナーじゃなくても十分楽しめる!」とも感じた次第です。
エメラルドグリーンともコバルトブルーとも違う、どんな言葉で表現していいのかわからないほど神秘的に青く、透き通った海や、白や黒などさまざまな色を持つ砂浜、勇壮な火山にいたるまで変化に富んだ景観は、写真や映像で見る以上に圧倒的な存在感と神秘性があり、「地上最後の楽園」という何度となく耳にしたフレーズがとてもしっくりきます。
今回は、夜、タヒチ島に到着し、そのまま宿泊先のホテルへと向かったのですが、翌朝、初めて目にしたタヒチの海の色は吸い込まれるように美しく、そして、生命力にあふれ、筆者は口をあんぐり開けて眺めるのみ。同時に思いました。「プリミティブ」って、こういう風景のことを言うのかな、なんて。試してはいないので、断言はできませんが、2、3日見ていても飽きないと思います。
到着日に1泊したのは、空港から車で20分ほどの「Le Tahiti by Pearl Resorts(ル タヒチバイ パール リゾート)」。砂浜といえば白、という凝り固まったイメージを小気味よく覆す、黒砂のビーチもクールです。手つかずの自然と、洗練されたリゾートが共存しているのがすばらしい……。1泊のみならず、もっとゆっくりしたいところですが、後ろ髪をひかれながら次の島へと急ぎます。
そもそもタヒチは、ゴーギャンやマティスが魅了された場所。筆者がここで熱弁をふるうまでもなく、素敵に決まっています。水上コテージにこもって、愛する人と美しい島を目いっぱい満喫するなんて、ロマンチックにもほどがある、うらやましいぜ(笑)。でも、一人旅上等、とも思いました。心がすさんでいるときに、タヒチで1週間も過ごせば、だいぶ魂が浄化されるはずです。
魚介類を中心とした料理も日本人の口によく合います。フランス料理ももちろん美味しいです。なかでも筆者がハマったのは「ポワソン・クリュ」。タヒチの人々のソウルフードともいうべき、マグロの刺身と野菜をココナッツミルクで和えてライムを効かせた料理です。
多くのリゾートの朝食ブッフェにも並んでいるし、たいていのレストランでオンメニューしています。シンプルな料理なのに、食べる場所によって味が違うのがまた面白いところ。初めてのバーでジントニックを頼むように、「ここのポワソン・クリュはどんなかな?」とお手並み拝見とばかりにオーダーしました。
先住民族のマオリから受け継がれてきた独特の文化も、タヒチが持つかけがえのない個性のひとつです。タヒチでは、「マラエ」という言葉が日常的に使われています。「マラエ」とは、マオリたちが精神的な力の源であるマナが宿ると信じ、石を並べた神聖な場所のことで、かつては宗教儀式や祀りごと、村の儀式が執り行われていました。タヒチには、今もいくつもの「マラエ」が残っていて、2017年7月にはライアテア島のタプタプアテアの「マラエ」が世界文化遺産に登録されています。
ナイスなリゾートに籠るのもいいけれど、タヒチ独自の自然・文化に触れるのも記憶に残る経験となるはず。タヒチでの過ごし方の選択肢はいくらだってあります。
そんなタヒチへのアクセスですが、直行便のほか、ハワイアン航空を使ってハワイ経由という選択肢があることをご存知ですか? 今回、筆者はハワイのホノルル経由でタヒチに向かったのですが、これがなかなかナイスでして。ハワイアン航空のホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港とパペーテのファアア国際空港を結ぶ路線は週1往復、運航しています。
もちろん、「タヒチのついでにハワイでも遊んできちゃう?」という欲張りな旅も思いのまま。「どっちもビーチリゾートじゃないか」って⁉ いや、全然違いますって。実際、筆者は帰路、オアフ島に2泊したのですが、文化も違えば、食べ物も違います。時間が許せば、タヒチとハワイ、どちらも満喫すべしです。
そして筆者がハワイアン航空を推す最大のポイントは、「乗ったときから、ハワイがはじまる」というコンセプト。搭乗したら、そこはもう南国のリゾート、BGMはハワイアンミュージック! 調子に乗ってハワイのビールをオーダーしちゃいました(笑)。ライオン・コーヒーのオリジナルブレンドもぜひ試してみてください。香り高くて美味しいですよ~。
帰路のパペーテからオアフ島への便は、高速機内Wi-Fi(Starlink)を搭載した機材でした。夜間のフライトだったので、速攻寝ようと思っていたのですが、速度もサクサクで、思いのほか仕事がはかどってしまいました(笑)。しかもコレ、利用料は無料。感動ものです。
ハワイアン航空は、2024年9月に、米国本土、日本を含むアジア、オセアニアを結ぶすべてのエアバス機にStarlinkの導入を完了しています。無料というだけでうれしいのに、速度も申し分なし。ほかのエアラインで、有料で機内Wi-Fiを購入するのがバカらしくなるくらいサクサクでした。
またエコノミークラスとビジネスクラスの間に位置する、エクストラ・コンフォート席という選択肢もあります。足元が少し広めでゆったりで、電源コンセント付き。カテゴリー的にはエコノミーなので料金も現実的(時期や航路によって変動)な価格です。エコノミークラスには付かないアメニティがもらえるのも地味にうれしいです。
2回目の記事では、今回の旅で宿泊したリゾートを紹介します。
取材協力:ハワイアン航空、タヒチ観光局
取材協力:ハワイアン航空、タヒチ観光局