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2025年1月10日
短期連載3 タヒチ最大の祭典「ヘイヴァ」で、とことんポリネシア文化に浸る!
Tahiti|タヒチ
タヒチでは、毎年7月に、タヒチ最大のお祭り「ヘイヴァ・イ・タヒチ(HEIVA I TAHITI)」(以下、「ヘイヴァ」)が開催されます。タヒチを挙げて、ポリネシアの伝統を祝い伝える祭典で、期間中はポリネシア音楽やスポーツのイベントなど、連日さまざまな催しが行われ、この時期はタヒチの島々全体にはお祭りムードが漂います。
Text by HASEGAWA Aya
伝統と感動が交錯する“祭り”で知る、ポリネシア文化の真髄
なかでも最大の盛り上がりを見せるのが、タヒチアンダンスのコンテスト。多くのチームが芸術性や技術を競い合います。ソロダンスやグループダンスなど、競技はいくつかのカテゴリーに分かれ、決勝ラウンドなどはテレビで中継もされます。
タヒチでは、タヒチアンダンスを観ることができる機会は少なくありません。リゾートホテルのレストランでも、定期的にタヒチアンダンスのショーが行われていますが、「ヘイヴァ」のダンスは規模がまったく異なります。ホテルなどのショーは、ダンサーは数人規模ですが、「ヘイヴァ」に出場するチームの構成は100人規模!
演者はダンスパートとヴォーカルパートに分かれます。そして披露される作品はストーリーも音楽もオリジナル。壮大なタヒチのオリジナルミュージカルといった感じです。ストーリーはタヒチに古くから伝わる神話や言い伝えなどに由来するものが多く、言語はもちろんタヒチ語。外国人には、内容は理解しにくいかもしれませんが、それでも、その芸術性、パワフルさにロックオンされること必至。すっかりハマってしまった筆者は、今でも時々YouTubeで動画を眺めてしまうほど。
「タヒチ ヘイヴァ」のキーワードでググってもらうとわかるのですが、じつは日本でも、タヒチアンダンスの大会「ヘイヴァ・イ・トウキョウ(HEIVA I TOKYO)」の名のもと、タヒチアンダンスの大会が行われているのですよ。タヒチアンダンス、ハワイアンダンスに魅せられている日本人は多く、タヒチアンダンスを学んだり、鑑賞したりするために、タヒチに足を運ぶダンスファンも少なくないとか。なかにはタヒチアンダンスとタヒチの人々の明るさ、ワイルドな自然にほれ込んで移住してしまう人もいるそう!
「ヘイヴァ」のタヒチアンダンスの競技は、市街地に設置された会場で行われるのですが、今回は、週末にマラエ(祭祀場)で行われるセレモニーダンスも鑑賞しました。ダンサー、ミュージシャン、シンガー、(文化の使者とされる)オレロなど100 人以上のアーティストによるパフォーマンスは圧巻の一言。こちらのショー、タヒチ島の中心地からクルマで30分程度の高台のマラエで行われたのですが、ショーが終わる頃には陽が傾きはじめ、マラエが少しずつ夜のとばりに包まれていく──、神々しい景観は深く脳裏に刻まれています。スピリチュアルな時間でした。
「ヘイヴァ」の見どころは、タヒチアンダンスだけじゃありません。期間中は、タヒチの歴史や文化にまつわる、さまざまなイベントが開催されます。今回、筆者は、高く掲げたココナッツを的にした槍投げ、ココナッツ割り競争、そして巨石を担ぎ上げる重量挙げを見学したのですが、どれもこれも見ているだけでも非常にエキサイティングな体験でした!
ココナッツ割り競争は、うず高く積まれたココナッツを斧でひとつずつ割り、これを手で割いて、ナイフで中身をくり抜き、袋に詰めるまでの速さを争うというものです。──と書くとバラエティ番組か何かの企画のようですが、これ、かなり真剣な競技。そして、力が必要な競技なんでしょうねぇ、参加していたマオリの男性たちは、みなさん筋骨隆々でした。
ココナッツの汁や選手の汗が飛び散ってくるなど、臨場感も満点です(笑)。ちなみに、マオリの男性は子どもの頃にココナッツの割り方を学ぶのだとか。
高く掲げられたココナッツの実をターゲットにした槍投げにも目を丸くしました。コレ、飛距離ではなく、ココナッツを槍に刺した本数を競います。ココナッツという小さな的に、たくさんの人が槍をがんがん投げていく様子はなんともシュール。そして、あわれココナッツ、どんどん槍が刺さっていき、最後には槍が刺さるスペースがなくなるほどでした(笑)。
巨石を持ち上げる重量挙げもすごかった! ほかにも、コプラ集め競争、フルーツ運びレース、カヌーレースといった競技もあるのだとか。コプラ集めって……(笑)。気になる!
街がふわふわと浮足だっていて、気になるイベントも盛りだくさん。タヒチという楽園に身を置き、楽しくポリネシアン文化を体感できる──、「ヘイヴァ」の時期に合わせてのタヒチ旅、激烈にオススメです♡
取材協力:ハワイアン航空、タヒチ観光局