連載
「連載」に関する記事

MINI|ミニ|第7回 (前編)¥「マツキヨと“BMW MINI”の関連性」
第7回 MINI(前編)「マツキヨと“BMW MINI”の関連性」かのアレック・イシゴニスが1959年に生み出した「Mini」は、40年以上もの間生産され、世界で愛され続けてきた。そのイギリスのアイコンが、ドイツの巨人BMWの手にわたり、2001年に誕生した“BMW MINI”は、世界的なスマッシュヒットを記録。2006年11月にデビューした2代目にも期待がかかるところだ。文=下野康史写真=BMWドラッグストアは「カラダ・グッズ・ショップ」つくづくスゴイなあと思うのは、唐突だが、ドラッグストアである。ぼくが子どものころ、マツモトキヨシもサンドラッグもツルハドラッグも、ありゃしなかった。アメリカには、至るところにドラッグストアという店があって、それは直訳すると「薬屋」である、という話を聞いたのは、中学か高校のころだったと思う。でも、なんで薬屋がそんなにたくさんあるのか、首を傾げたものである。2001年のデビューから80万台以上が販売されたという初代“BMW MINI”。新型2代目のデ...

MINI|ミニ|第8回 (後編)|「新旧が似ているのは理の当然」
第8回 MINI(後編)「新旧が似ているのは理の当然」BMWが手がけたイギリスのアイコン「MINI」。2007年2月に上陸した2代目は、見かけこそ大きく変わらないが、あたらしく得たBMW製エンジンや熟成されたシャシーなど見所は多い。文=下野康史写真=BMWキティちゃんがモデルチェンジしたら困る初代“BMW MINI”は、日本でも本格的なデリバリーが始まった2002年から、早くも1万台を超えるセールスを記録した。ゼロからつくったニューモデルが初登場いきなり1万台超えとは、輸入市場初めてではなかろうか。ヒットの理由は明らかである。40年以上続いた“クラシックMini”のキャラクターを見事にうまく利用したからだ。全長×全幅×全高=3715×1685×1430mm。新型になってじゃっかん(60mm)長くなった。おかげで、“BMW MINI”は最初から「キャラが立っていた」。ハードはたしかにゼロから新設計でも、クルマを売るのにいまやいちばん大切な“ブランド力”をゼロから掘り起こす必要はなかっ...

Audi |アウディ R8|第11回 (前編)|「疑念を一蹴するほどのカッコよさ」
第11回 アウディR8(前編)「疑念を一蹴するほどのカッコよさ」一時期、ほぼ息絶えたスポーツカーが、ここにきて相次いで復活を遂げている。ドイツのプレミアムブランド、アウディは、かつてルマン24時間耐久レースで連勝を飾ったマシンの名を与えた、同社初の本格ミドシップ・スポーツカー「R8」を誕生させた。文=下野康史Photo by Audiアウディとランボの「幸せな結婚」アウディがスーパーカー級のミドシップ・スポーツカーをつくっているというウワサをはじめて耳にしたとき、ぼくは耳を疑った。「耳にしたとき、耳を疑った」って表現は、耳がダブってしつこいゾ、と思われるかもしれないが、アウディのスーパーカー話にも、そういうしつこさを感じたのだ。だって、ランボがあるじゃないか、と。アウディ初の本格ミドシップ・スポーツ「R8」。1998年の電撃的な吸収劇以来、アウディはランボルギーニの親会社である。フォー・シルバー・リングスとファイティング・ブルとの合体には度肝を抜かれたが、しかし、よく考えてみれば、...

Audi|アウディR8|第12回 (後編)|「スーパーカーはまだまだイケる!」
第12回 アウディR8(後編)「スーパーカーはまだまだイケる!」スポーツカーとしてのカッコよさは抜群。走り出せば期待を裏切らない「アウディR8」。いままでにない、スポーツカーの未来を予感させるモデルだ。文=下野康史Photo by Audi男っぽさや汗臭さがないスポーツカー「アウディR8」は、走り出しても、外観の印象を裏切らない。真骨頂は、ミドシップの超高性能スポーツカーでありながら、男っぽさや汗臭さを見事に排除したことにある。300km/hを超す最高速をはじめとして、動力性能はスーパーカーそのものだが、「爆走」的な凶暴さはどこにも見られない。既存のアウディ・ユニットにドライサンプ化などの改良を加えた4.2リッターV型8気筒は、乗っていると、キャビンのすぐ後方にあるとは思えないほど静かである。操縦性に長けるミドシップ(エンジンを車両中央に搭載)レイアウト。ハッチゲートのグラス越しにエンジンを見ることができる。4.2リッターV8ユニットは、420psのパワーと43.8kgmのトルクを...

ART FILE 35|一新したヴァン・ゴッホ美術館を訪れる|連載「世界のアート展から」
ART FILE 35|オランダ・アムステルダム|ヴァン・ゴッホ美術館一新したヴァン・ゴッホ美術館を訪れる(1)昨年、大規模なリニューアルをおこなったオランダ・アムステルダムに位置する「ヴァン・ゴッホ美術館」。その全貌を探るべく、OPENERSは今年の2月に美術館を訪れ、20世紀の芸術界にもっとも影響力を及ぼした巨匠画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの名作と、彼の生涯をあらたな形で再発見した。Text by Winsome Li(OPENERS)自画像の背後に隠されたストーリーヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(以下、ゴッホ)は、芸術家として歴史に名を残したと同時に、その壮絶な人生も広く知られている。世界で一番ゴッホの作品を収蔵するヴァン・ゴッホ美術館は1973年に設立され、200点もの作品とゴッホの肉筆手紙を多数展示している。このたび一新したヴァン・ゴッホ美術館は数かずの名作のほか、彼の人生に起こったさまざまな事件や心の葛藤、そして自ら命を絶つまでの彼の生涯の出来事を、展示の一部として論...

MAZDA DEMIO|マツダ・デミオ|第13回 (前編)|「ぼくはデミオに惚れた」
第13回 マツダ・デミオ(前編)「ぼくはデミオに惚れた」これまでの庶民の足グルマが、一気に垢抜けてスタイリッシュに大変身! マツダのコンパクトカー「デミオ」が、2007年7月に3代めへと進化した。年間何十台ものニューモデルを試す下野康史の“2007年イチオシの1台”。大胆なイメチェンの裏で、いったい何がおこったのか?文=下野康史写真=マツダ燃費対策として復活した「ミラーサイクルエンジン」。これにやはり燃費に有利なトランスミッション「CVT」を組み合わせたグレード「13C-V」(131万円)は、10・15モードで23.0km/リッターという燃費を記録する。そんなクルマには滅多に巡りあわない2007年に出た新車のなかで、いちばん気に入ったクルマが「マツダ・デミオ」だった。最初に乗ったのは、1.3リッターのミラーサイクル・エンジンを積むモデルである。「ミラーサイクル」なんて言葉、敷居が高くなるから使わなきゃいいのにと思うが、アメリカのミラーさんという技術者が考案した高効率燃焼システムを採...

Smart fortwo|スマート・フォーツー|第17回 (前編)|「都市のクルマ、スマート」
第17回 スマート・フォーツー(前編)「都市のクルマ、スマート」大都会のなかでうごめく小さな移動体──全長3メートル以下、軽自動車よりはるかにコンパクトな2人乗り「スマート」の最新2代目が、日本の道でも姿をあらわしはじめた。「都市のクルマ」という新しいジャンルを開拓する、メルセデス・ベンツの意欲作のニューモデルはいかに?文=下野康史Photo by Smart“カボチャ顔”は街の景色の一部に仕事でヨーロッパに行くと、そのたびにスマートが増えていて、うれしくなる。とくにイタリアとフランスが目立つ。ミラノやパリなどは、“ハロウィンのカボチャ顔”がすっかり街の景色の一部になっている。海外ニュースで現地からの中継が流れると、背景に映っていたり、走りすぎたりすることも多い。たったいまも、中国のチベット政策に反対する自由主義勢力に反対する中国人(ややこしい)のデモがパリで行われているというニュースが流れた。五星紅旗を振りかざした在仏中国人が乗っていたのが、黒い「スマート・フォーツーカブリオ」だ...

BMW M3 M DCT Drivelogic|ビーエムダブリューM3 M DCT Drivelogic|第23回 (前編)|あのスーパーカーと同門の最新モデル
第23回 BMW M3 M DCT Drivelogic(前編)あのスーパーカーと同門の最新モデルBMWの高性能スポーツモデルの称号「M」。最新型「M3」に搭載される新型トランスミッション「M DCT Drivelogic」は、新しい時代のスポーツカーのあり方を示唆している。それはつまり、スポーツ走行にはマニュアルトランスミッションに限る、という時代の終焉なのかもしれない。文=下野康史Photo by BMWBMW M11万6200台の“M”ワタクシゴトながら、2008年は自動車マスコミ在籍30周年である。学校を出て、自動車専門誌の編集部に入ったのは1978年。スーパーカー・ブームは去っていたが、まだ余熱はあった。駆け出しの編集記者小僧時代にも、「フェラーリ308」「ランボルギーニ・ジャルパ」「ポルシェ911ターボ」「ロータス・エスプリ」といった華々しいスーパーカーに接近遭遇するチャンスは少なくなかった。運がいいと、ステアリングを握らせてもらうチャンスもあった。そのなかで、当時、も...

NISSAN FAIRLADY Z|日産フェアレディZ|第27回 (前編)|スポーツカーを愛する社長が率いる自動車メーカーならでは
第27回 日産フェアレディZ(前編)スポーツカーを愛する社長が率いる自動車メーカーならでは今年、生誕40年を迎えたジャパニーズスポーツカーの草分け、フェアレディZ。6代目にあたる新型は、ホイールベースを10cm短縮し、約100kgの軽量化を果たすなど、スポーツカーとしての基本性能により磨きをかけて登場した。文=下野康史写真=荒川正幸100年に一度の経済危機を敵に回しての船出今度のフェアレディZは通算6代目だ。初代が登場したのは1969年。今年は生誕40年にあたる。それでもまだ6世代目ということは、4年でモデルチェンジするのが相場だった日本車にあって、かなりライフスパンが長い。思い返せば、先代モデルが出る前には2年にわたる不在の時代もあった。業績不振の日産に大ナタをふるうべくやってきた助っ人、カルロス・ゴーンの肝煎りで復活したZが、2002年の5代目だった。先代に比して全長で65mm、ホイールベースで100mm短縮された新型Z。ロングノーズがより強調されたフォルムが印象的。続く6代目...

NISSAN FAIRLADY Z|日産フェアレディZ|第27回 (後編)|走り出したとたん、うれしくなる
第27回 日産フェアレディZ(後編)走り出したとたん、うれしくなる1969年のデビュー以来、6代目となる新型フェアレディZ(Fairlady Z)。ホイールベースを10cm短縮するなど運動性能に磨きをかけて登場した同車の真価を、下野康史が確かめた。文=下野康史写真=荒川正幸2リッター車のように軽い身のこなし新型Zは、走り出したとたん、うれしくなる種類のクルマだ。直近ではPDKのポルシェ911やアウディTTSクーペがそうだった。日本車では……、思い浮かばない。走り出してすぐ「こりゃイイ」と思わせるのは、新型Zの場合、トータルな“走りの質感”である。いまや3.7リッターの大排気量車なのに、身のこなしは2リッター車のように軽い。なんというか、シャシーの“きれ”がいいのだ。さりとてボディや足まわりやステアリング系の剛性はきわめて高いから、軽くても、カルくはない。左右2本だしのエキゾーストパイプが印象的なリアビュー。タイヤサイズはフロントが245/40R19、リアが275/35R19となる(...

PORSCHE| ポルシェ 911ターボ|第15回 (前編)|「ポルシェ・ターボの真骨頂」
第15回 ポルシェ911ターボ(前編)「ポルシェ・ターボの真骨頂」スポーツカーといえばポルシェ。ポルシェといえば「911」。その頂点に君臨するモデルが「911ターボ」だ。0-100km/h加速=3.7秒を誇る最新型ハイパフォーマンスカーを前に、思いは30年前へとフラッシュバックした。文=下野康史Photo by Porsche昔のポルシェは、いまのポルシェなんてもんじゃなかった「ポルシェ911」、なかでも「ターボ」についてとなると、どうしても昔話からはじめないわけにはいかない。スーパーカー世代にとっても、“ポルシェ・ターボ”といえば、格別になつかしい響きをもつはずだ。1970年代後半のハイエンド911、「930ターボ」である。“タイプ930”とよばれる911ターボ(写真のモデルイヤーは1977年)東京12チャンネルの『対決!スーパーカークイズ』が小中学生に大人気だったころ、すでに大学生だったぼくは、その後、自動車専門誌の編集部に入ってすぐ、新車の930ターボに触らせてもらったことが...

HONDA CR-Z|ホンダのハイブリッド攻勢
HONDA CR-Z|ホンダ CR-Zホンダのハイブリッド攻勢ホンダは、スポーツハイブリッド「CR-Z」を2010年2月より、「フィット」のハイブリッドモデルを2010年中に、日本国内で販売開始することを発表した。文=ジラフ新しいハイブリッドシステムも開発中現在、ホンダがリリースしているハイブリッド車は、「インサイト」「シビック ハイブリッド」の2車種。しかし販売が好調であるインサイトの影響もあり、早急なスモールハイブリッドモデルのラインアップの拡充が図られるのだ。また「フィット」のハイブリッドモデルについては、インサイトよりも安価な価格設定がなされることが予想されるので、さらに幅広い層がハイブリッドに注目してくことはまちがいない。搭載されるシステムは、「シビック ハイブリッド」「インサイト」とおなじ小型・軽量・高効率を追求したホンダ独自のIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)。当面は小型車分野でもハイブリッド技術を展開していくことが予定されるが、現在も中・大型車への搭載...

from TOKYO MOON|2月21日 ON AIR Jose Jamesインタビュー(後編)
from TOKYO MOON|2月21日 ON AIRホセ・ジェイムズ×松浦俊夫 インタビュー (後編)Make “BLACKMAGIC”on you!スモーキーで艶のある独特の歌声で世界中の音楽リスナーを魅了する新世代ジャズボーカリスト、Jose James(ホセ・ジェイムズ)。Gilles Peterson(ジャイルス・ピーターソン)主催レーベルBrownswood Recording(ブラウンズウッド・レコード)よりリリースされたばかりのニューアルバム『BLACKMAGIC』を引っさげて、東京・大阪でのライブツアーのため来日した彼を「TOKYKO MOON」が単独インタビュー。ニューアルバム制作の背景から自身のジャズとの出会い、そして想い。番組にはなかった日本語訳もふくめ、ノーカットで一挙公開します!文=松浦俊夫写真=鈴木健太TOKYO MOON Jose James Special!松浦 時間を遡って、あなたとジャズの出会いとは?JJ ジャズとの一番最初の出会いはヒップホ...

from TOKYO MOON|2月7日 ON AIR あらたなディケイドのはじまりを飾るモダンジャズ
from TOKYO MOON|2月7日 ON AIRホセ・ジェイムズ来日あらたなディケイドのはじまりを飾るモダンジャズ日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、大人たちの至福の時。そんな豊かな時間をお届けするのは、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』──。彼が世界中から選りすぐった素晴らしい音楽や知的好奇心を刺激する大人のためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて19時からオンエアー。 オウプナーズでは毎週オンエアーされたばかりのプログラムを松浦俊夫みずからお届けします。さて、今回彼がピックアップしたものとは?文=松浦俊夫ジャズが彩る日曜日の夜今週は間もなく来日公演予定のヴォーカリスト、ホセ・ジェイムズをフィーチャーしてお送りした「Tokyo Moon」。彼の音楽からインスピレーションを得て選曲したトラックリストは、私、松浦が手がけましたジャズの名門ブルーノート・レコードへのトリュビュートアルバムに収録された楽曲を...

NISSAN LEAF|日産が放つEV専用モデル
NISSAN LEAF|日産 リーフ日産が放つEV専用モデル日産自動車株式会社は、リチウムイオンバッテリーを搭載した量産電気自動車(EV)「リーフ」を発表した。文=ジラフ航続距離は160km以上このモデルは、電気自動車専用に設計・デザインされたモデルであり、その大きさは1800ccのガソリン車と同等。フォルクスワーゲン・ゴルフや日産ティーダと同様、Cセグメントに位置づけられる、車内空間にも余裕のある5人乗りのハッチバックとして登場した。搭載されるパワートレインは、90kW超の出力を発生するラミネート型コンパクトリチウムイオンバッテリー(フロア下に搭載)と、80kW/280Nmを発揮する電気モーター。もちろん走行中にCO2やその他排出ガスを一切出すことはないうえに、従来のガソリン車と同等の高いレスポンスと運転の楽しさを味わうことができるという。またフル充電の状態から160km(100マイル)以上という航続距離を現実のものとし、充電にかかる時間は急速充電器を使えば電池容量0%の状態から...