MAZDA DEMIO|マツダ・デミオ|第13回 (前編)|「ぼくはデミオに惚れた」
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2015年4月14日

MAZDA DEMIO|マツダ・デミオ|第13回 (前編)|「ぼくはデミオに惚れた」

第13回 マツダ・デミオ(前編)

「ぼくはデミオに惚れた」

これまでの庶民の足グルマが、一気に垢抜けてスタイリッシュに大変身! マツダのコンパクトカー「デミオ」が、2007年7月に3代めへと進化した。
年間何十台ものニューモデルを試す下野康史の“2007年イチオシの1台”。大胆なイメチェンの裏で、いったい何がおこったのか?

文=下野康史写真=マツダ

そんなクルマには滅多に巡りあわない

燃費対策として復活した「ミラーサイクルエンジン」。
これにやはり燃費に有利なトランスミッション「CVT」を組み合わせたグレード「13C-V」(131万円)は、10・15モードで23.0km/リッターという燃費を記録する。

そんなクルマには滅多に巡りあわない

2007年に出た新車のなかで、いちばん気に入ったクルマが「マツダ・デミオ」だった。

最初に乗ったのは、1.3リッターのミラーサイクル・エンジンを積むモデルである。
「ミラーサイクル」なんて言葉、敷居が高くなるから使わなきゃいいのにと思うが、アメリカのミラーさんという技術者が考案した高効率燃焼システムを採用する、いわば燃費スペシャル・エンジンである。変速機も燃費に有利なCVT(無段変速機)が組み合わされる。

その「13C-V」で走り出した途端、ぼくはデミオに惚れた。こりゃエエわ、と思った。“肌があう”クルマだったのだ。

この仕事をしていても、そんなクルマには滅多に巡りあわない。巡りあったとすると、ぼくの場合、それはきまってイタリアかフランスの小さいクルマである。

はじめて乗った新型デミオは、1980年代後半の「シトロエンAX 14TRS」を彷彿させた。試乗の仕事で乗った途端に惚れて、すぐ買っちゃったクルマだ。

イッテンサンのマニュアルがサイコー!

つぎに乗ったデミオは、ミラーサイクルじゃない1.3リッターのマニュアルである。

某自動車専門誌の編集部にAという名物エディターがいる。むかし、自分でメキシコから買ってきた「アルピーヌA110」というレアなクルマをレストアして、いまでもアシに使っている。
ヨメももらわんと“エンスー道”を邁進している彼が、「今度のデミオはイッテンサンのマニュアルがサイコー!」といっていたので、乗ってみたら、たしかにサイコーだった。

デミオは、CVTでもオートマチックでもワルくないが、5段マニュアルは変速機そのものが気もちいいのである。

渋滞中、思わず無意味にシコシコやりたくなるほど小気味よいシフト・フィールは、おなじマツダのスポーツモデル「RX-8」や「ロードスター」の6段マニュアルよりずっとイイ。前述のAエディターとおなじく、ぼくも1.3リッターのマニュアルがベスト・デミオだと思う。

そのつぎに乗ったのは「SPORT」というマニュアルの1.5リッターモデルである。車名のとおり、シリーズきってのスポーティモデルだが、しかし、これは感心しなかった。
サスペンションが硬すぎて、せっかくのよさを台無しにしている。エンジンも、パワーはあるが、大味だ。新型デミオは、安いほうの1.3リッターモデルにかぎる。

           
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