NISSAN FAIRLADY Z|日産フェアレディZ|第27回 (前編)|スポーツカーを愛する社長が率いる自動車メーカーならでは
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2015年4月14日

NISSAN FAIRLADY Z|日産フェアレディZ|第27回 (前編)|スポーツカーを愛する社長が率いる自動車メーカーならでは

第27回 日産フェアレディZ(前編)

スポーツカーを愛する社長が率いる自動車メーカーならでは

今年、生誕40年を迎えたジャパニーズスポーツカーの草分け、フェアレディZ。6代目にあたる新型は、ホイールベースを10cm短縮し、約100kgの軽量化を果たすなど、スポーツカーとしての基本性能により磨きをかけて登場した。

文=下野康史写真=荒川正幸

100年に一度の経済危機を敵に回しての船出

今度のフェアレディZは通算6代目だ。初代が登場したのは1969年。今年は生誕40年にあたる。それでもまだ6世代目ということは、4年でモデルチェンジするのが相場だった日本車にあって、かなりライフスパンが長い。思い返せば、先代モデルが出る前には2年にわたる不在の時代もあった。業績不振の日産に大ナタをふるうべくやってきた助っ人、カルロス・ゴーンの肝煎りで復活したZが、2002年の5代目だった。

先代に比して全長で65mm、ホイールベースで100mm短縮された新型Z。ロングノーズがより強調されたフォルムが印象的。

続く6代目は、よりによって100年に一度の経済危機を敵に回しての船出である。でも、がんばってほしいと思う。いつまでたってもジャイアンツにならない東京ヴェルディを読売グループはついに見捨てたが、就任当時のゴーンはZだけでなく横浜F・マリノスも切り捨てなかった。スポーツとスポーツカーを愛する社長が率いる自動車メーカー。ついつい応援したくなるスペックではあるまいか。

“ヒール&トウいらず”の自動ブリッピング機構

新型はクルマのスペックも魅力的だ。モデルチェンジでボディが大きくなるのは、自動車の“本能”みたいなものなのに、Zは旧型より小さく、軽くなった。ホイールベースは10cmも短縮され、全長も約7cm短くなった。エンジンフード、ドア、テールゲートを鉄からアルミに換えるなどした結果、車重は約100kg軽くなった。スポーツカーは軽ければ軽いほどイイ。

ふくよかに張り出したリアフェンダーまわりが新型Zのデザイン上の大きな特徴。全幅は先代より約30mmワイド化された。

インテリアは先代に対して質感がかなり向上。3グレード構成で、トップグレードVirsion STにはBOSEサウンドシステムが標準装備。

エンジンは旧型の3.5ℓから3.7ℓにバージョンアップした。といっても、V型6気筒のVQ37HRはすでにスカイライン・クーペに積まれているエンジンである。だが、6段マニュアル変速機には世界初の新趣向が採用されている。その名も“シンクロ・レブコントロール”。走行中、クラッチペダルを踏んで、いざシフトしようとすると、次に入るギアを感知して、エンジンが勝手に回転合わせをやってくれる。

スポーツカーらしいタイトな室内空間。カラーバリエーションは、写真のブラック、バーシモンオレンジ、そしてグレーの3色が用意される。

“ヒール&トウいらず”の自動ブリッピング機構である。MT乗りなら話を聞いただけで興味をひかれるはずだ。意外にもZにはMT派が多く、新型も立ち上がり受注の3割強がMTだという。メイン市場のアメリカはさらに多く、いまでも5割近くがMTを選ぶ。そういう需要に支えられているとはいえ、絶滅危惧種のMTにいまさら新たな技術を盛り込むその意気は、やはり日産ならではと思う。

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