日産「エクストレイル」に試乗──コーナリングが得意なハイブリッドSUV|NISSAN
CAR / IMPRESSION
2022年12月12日

日産「エクストレイル」に試乗──コーナリングが得意なハイブリッドSUV|NISSAN

NISSAN X-TRAIL|日産 エクストレイル

日産の技術と知見が投入された“タフ&上質”なSUV

従来の「タフギア」というコンセプトに加え、新たに上質さを追求したと謳われる新型エクストレイル。独自の4WDシステムである「e-4ORCE(イーフォース)」や、可変圧縮比の「VCターボエンジン」など、日産が最新技術を投入して開発した同モデルに一般公道で試乗した。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by KAWANO Atsuki

音もフィールもいい感じな可変圧縮比3気筒エンジン

電気モーターを使ったSUV。新しいコンセプトを持って登場したのが日産の新型「エクストレイル」だ。電気モーターによる4輪駆動で、エンジンも搭載するが、駆動用バッテリーへの給電専用。4WDシステムは、日産が「e-4ORCE(イーフォース)」と呼ぶ独自のもので、カーブが多い道でも雪道でも得意とする。
2022年7月25日に発売された、4代目エクトレイル。前に触れた通り、エンジンを給電に使うパラレルハイブリッド「e-Power」に、前後2基のモーターとブレーキを使って走行性能を高める「e-4ORCE」、そしてスムーズな高速走行を可能にするパワフルな「VCターボ」エンジンだ。
はたして、気持ちよく走るのが、とても印象的なクルマだ。発進時から力強いトルクを発生する電気モーター、加速に優れるうえ、高速域になって(バッテリーからの供給が間に合わなくなったとき)エンジンが始動するが、そのときの音もフィールもいい感じなのだ。
往々にしてパラレルハイブリッドは、給電にしか使わないエンジンのフィールに重きが置かれていないため、振動がけっこう大きかったり、音がよくなくて、クルマ好きとしてはガッカリすることもある。エクストレイルの開発陣は「そこもしっかり考えました」と胸を張る。
VCターボというのは、日産自動車が特許を取得している、可変圧縮比エンジンで、ピストンにカムが入っている。低回転域と高回転域とではカムの働きでピストンとクランクシャフト間の長さが変わり、負荷に応じて最適の圧縮比の実現を目指したもの。
「もうひとつ、3気筒エンジンなのですが、(もっともバランスがいいと言われる)直列6気筒エンジンのような、気持ちいいバイブレーションとサウンドが出てくるんです」
日産自動車でVCターボの開発を手がけたエンジニアの人は、うれしそうな表情で、上記のように説明してくれた。こういうのを聞くのは楽しいものだ。
4代目エクストレイルは、全長4,660mm、ホイールベース2,705mm。サイズをみると、トヨタ ハリアー(4,720mm)より小ぶりで、レクサスNX(4,660mm)と同寸。マツダが発売した新型SUVのCX-60(全長4,740mm、ホイールベース2,870mm)より少しコンパクトだ。
シートは前後2列5名乗車と、3列7名乗車と、ふたつの仕様が用意される。これも市場性が高そう。日産では、新型エクストレイルの特徴を「タフギア」と「上質」という言葉で説明している。
ドライブトレインは、前輪駆動と全輪駆動「e-4ORCE」が選べる。フロントモーターは150KWの最高出力と310Nmの最大トルクを持つ。「e-4ORCE」用のリアモーターは100kWと195Nm。
回転数に応じて、エンジンの出力が変わる。開発者によると、従来のエンジンでいうと、1.5リッターターボから2.8リッターターボまで、広範囲の排気量と同等のパワーを出すという。
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