萩原輝美|2012年秋冬オートクチュール・コレクションからリポート第3弾

萩原輝美|2012年秋冬オートクチュール・コレクションからリポート第3弾

萩原輝美のファッション・デイズ vol.61新星、イリス・ヴァン・アーペンのクリエイションに注目!2012年秋冬オートクチュール・コレクション リポート第3弾2012年秋冬オートクチュール・コレクションからリポート第3弾。今回はオートクチュール・コレクションでの注目ニュー・クリエイターから歴史あるブランドまで、幅広く紹介。Text by HAGIWARA Terumiまるでオブジェのような手づくり感――“リアル”なクチュール服最近のパリ・オートクチュールコレクションはクチュール老舗ブランドからプレタブランド、ニュークリエイターまで幅広いデザイナーが発表しています。「私にとってはプレタよりクチュールのほうがリアル。プレタは退屈なだけ」と言うのはショーをはじめて2年目、注目のイリス・ヴァン・アーペン。オランダ出身、ロンドンで学び、パリ・オートクチュールでコレクションを発表しています。ビニールを重ねたアイラインのコートドレスは美しいシェイプを描きます。レザーにメタル、ビーズにビニールなど...
萩原輝美|2012年秋冬オートクチュール・コレクションからリポート第4弾

萩原輝美|2012年秋冬オートクチュール・コレクションからリポート第4弾

萩原輝美のファッション・デイズ vol.62至近距離で魅せられる、手仕事を極めたクチュリエの技2012年秋冬オートクチュール・コレクションからリポート第4弾2012年秋冬オートクチュール・コレクションからリポート第4弾。今回はメゾン マルタン マルジェラ、シャネル、ゴルチエ パリをご紹介。Text by HAGIWARA Terumi小さな会場でおこなわれるエクスクルーシブなショーオートクチュールコレクションは服はもちろん、見せ方がちがいます。デザイナーはそれぞれ、手の技、カッティングを至近距離で見てもらおうと、コレクション会場やスケールを小さくしています。メゾン マルタン マルジェラのアーティザナルもいままでのプレゼンテーションとはちがい、小さな会場でエクスクルーシブショーをおこないました。これまでヴィンテージアイテムやパーツを繋げたその数や作る時間に、しばしば驚かされてきました。今シーズンはフォルムを作ったテーラリングのスーツではじまりました。レースやスワロスキーも美しいマルジ...
萩原輝美|イザベル・マランの東京初の路面店がオープン! デザイナーインタビュー

萩原輝美|イザベル・マランの東京初の路面店がオープン! デザイナーインタビュー

萩原輝美のファッション・デイズ vol.63東京初の路面店がオープン&デザイナー来日記念イザベル・マランへのインタビューイザベル・マラン。デビューして18年になるデザイナーです。ジュエリーとアクセサリーのコレクションからはじまり、いまではパリ・コレクションの常連。パリをはじめ、ニューヨーク、香港にも直営店を持ち、8月、初の東京店を表参道にオープン。オープン記念に来日したイザベル・マランに聞きました。Text by HAGIWARA TerumiPhotographs by KADOI Tomo“スタイルを発表して、それをみんなに着てもらうことが使命”萩原輝美(以下、萩原) 若いひとたちのトレンド離れが言われるこのごろ。パリ・コレクションで発表している意味は?イザベル・マラン(以下、マラン) ファッション・デザイナーの使命だからです。私はデザイナーという職業が大好きで、自分のスタイルを発表すること、それをエンドユーザーに着てもらうこと、そのすべてがデザイナーの仕事だと思ってい...
萩原輝美|進化しつづけるバーバリー プローサムの新作コレクション

萩原輝美|進化しつづけるバーバリー プローサムの新作コレクション

萩原輝美のファッション・デイズ vol.652013年春夏シーズン、ロンドンで見つけたあらたなトレンド!進化しつづけるバーバリー プローサムの新作コレクション2013年春夏ロンドンコレクションの目玉となったひとつ、クリストファー・ベイリーによるバーバリー プローサムの新作コレクション。進化を続けるブランドが、あらたに見せた表情に迫る。Text by HAGIWARA Terumiモダン、グラマラス、シック!2013年春夏ロンドンコレクションです。重厚感をアピールした秋冬から、さてどう変化するのでしょうか。若いデザイナーが話題をさらうロンドンですが、実力を発揮して期待に応えたのがバーバリー プローサムです。定番のトレンチを一新して、コートデザインのバリエーションを広げたデザイナーのクリストファー・ベイリー。ショーは白いケープからはじまりました。100年以上前からバーバリーが作りつづけてきたケープをコルセットと合わせてモダンにリメイクしました。グラマラスだけどシック。クラシックだけどモ...
萩原輝美|ラフ・シモンズとエディ・スリマン、パリの2大ハイライト!

萩原輝美|ラフ・シモンズとエディ・スリマン、パリの2大ハイライト!

萩原輝美のファッション・デイズ vol.67ラフ・シモンズとエディ・スリマン、パリの2大ハイライト!2013年春夏コレクションのハイライトのなかでも際立っていたのが、それはパリコレクションでのラフ・シモンズ率いるクリスチャン ディオールと、エディ・スリマン率いるサンローラン。ふたりが魅せた最新ルックとは。Text by HAGIWARA Terumiパリコレクションは、ラフ・シモンズとエディ・スリマンの話題で持ちきり!2013年春夏パリコレクションの話題はクチュールに引きつづきクリスチャン ディオールのプレタを発表するラフ・シモンズとサンローランでデビューのエディ・スリマンでした。海外のメディアは「Dior vs Saint Laurent」で特集を組むほどの盛りあがりよう。7月、バージャケットをベースにモダンなクチュールを発表したラフ・シモンズは大喝采を浴びました。果たしてプレタは……?期待を膨らませて白い特設会場へ。場内はペールピンク、レモンイエロー、アクアブルー、グリーンのシ...
萩原輝美|ドリス ヴァン ノッテン、クロエが魅せたクオリティ

萩原輝美|ドリス ヴァン ノッテン、クロエが魅せたクオリティ

萩原輝美のファッション・デイズ vol.68ドリス ヴァン ノッテン、クロエが魅せたクオリティ2013年春夏コレクションからのトレンド解説も今回で第4弾。パリを舞台に、ファッションディレクター萩原輝美が、みずからの視点で汲み取ったモードの動きとは?Text by HAGIWARA Terumiプレタポルテのあらたな潮流――“クチュールの技”!ドリス ヴァン ノッテンの2013年春夏コレクションテーマは「グランジ・クチュール」です。プレタポルテのデザイナーたちも、クチュールの技、デザイン、クオリティを競うようになっています。大量生産、大量消費の時代にピリオドを打って技と質をアピールしようとするブランドが増えています。そのキーワードがクチュールです。チェックにストライプ、花柄アプリケに刺しゅう、レース。見慣れた生地なのですが、シルクオーガンジーで透け感を出しながら柄と柄を重ねてゆくと、まったくあたらしい表情が生まれます。ブラウスは風をはらませ優しく揺れ、ボトムスはボディの丸みを際立たせ...
萩原輝美 連載 vol.118|アップデータされた老舗ブランドのアイコンバッグ

萩原輝美 連載 vol.118|アップデータされた老舗ブランドのアイコンバッグ

バッグ・シューズのトレンド【パリ編】「デルヴォー」「ロジェ・ヴィヴィエ」老舗ブランドの限定アイコンバッグにうっとりオーダーメイドバッグに老舗のアイコンバッグ。15年春夏コレクションは鮮やか色のしなやかなデザインがたくさん登場しています。デイバッグとして活躍しそうなのが進化した小振りバッグ。刺しゅうやパッチワークでひと味違うデザインに仕上がっています。パリでは老舗ブランドの女っぽいアクセサリーに注目です。Text by HAGIWARA Terumi老舗デルヴォーのグラデーションバッグがモダン1829年創業のベルギーブランド、デルヴォーがパレロワイヤルにブティックを開き、そこで2015年春夏新作を披露しました。創業以来作られているアイコンバッグ、ブリヨンはグラーデーションに染められとっても軽い仕上がりです。カジュアルなショルダーバッグもぐっとバリエーションを増やしました。表参道にも旗艦店がオープンしイエロー、ピンクなどの春色が勢揃いです。ロジェ・ヴィヴィエの限定スペシャルオーダーバッ...
萩原輝美|来季の裏テーマは“ジャポニズム”

萩原輝美|来季の裏テーマは“ジャポニズム”

萩原輝美のファッション・デイズ vol.69ロング&リーンなシルエットに忍ぶ、クチュールの技!来季の裏テーマは“ジャポニズム”9月、10月におこなわれたミラノ、パリコレクションで多く見られたトレンドのひとつ、「ロング&リーン」なシルエット。じつはここには隠された技が……来季の裏テーマがここで見えてきました。Text by HAGIWARA Terumi一見しただけでは分からない立体裁断のテクニック2013年春夏ミラノ・パリコレクションで登場したのは、ストンと切り落としたシンプルなラインです。ダーツや切り替えのないミニマリズムドレスは、キモノスタイルにも見られます。この直線ライン。じつはしたたかなクチュールの技が忍び込んでいました。布地をバイアスに裁ち、脇線をずらしボディに添わせる。平面的に見える立体裁断です。ランバンのコレクションはバイカラーを中心に、テーラードスーツ、アシンメトリードレスを並べました。得意のリボンは帯の役割を果たし、着物の半襟のようにも見えます。香水のボトルバッグ...
萩原輝美 連載vol.117|春夏のバッグ・シューズ【ミラノ編】「トッズ」「バリー」「ジミーチュウ」

萩原輝美 連載vol.117|春夏のバッグ・シューズ【ミラノ編】「トッズ」「バリー」「ジミーチュウ」

バッグ・シューズのトレンド【ミラノ編】「トッズ」「バリー」「ジミーチュウ」強さよりも柔らかさ。70年代エフォートレスウーマンが戻ってきた。70年代テイストのバッグ・シューズがたくさん登場しています。質感にこだわるパッチワークやきれいめインディゴアイテムが新鮮です。Text by HAGIWARA Terumi ミラノブランドに見るバッグ・シューズのトレンドこの春は70年代の自由な気分のファッションが気になります。ロングスカートでゆったりと、ふるふるっと揺れるフリルにリボン。ポイントはきれいな着こなし。緩過ぎず、きちんと感を出すのが今年風です。アグレッシブな頑張り女性ではなく、肩の力を抜いてゆったりと生きている人こそ凛とした逞しさが出てくる。そこで大事なのは、クオリティと小物使いです。ショルダーバッグもたくさん登場していますが、バイカラーやトリコロールなど手加工が施されていたり。エキゾチックレザーなどで質感にこだわります。「トッズ」のイタリアン・ガーデンミラノではトッズがイタリアン・...
萩原輝美|アクネの旗艦店オープン&クリエイティブ・ディレクターにインタビュー

萩原輝美|アクネの旗艦店オープン&クリエイティブ・ディレクターにインタビュー

萩原輝美のファッション・デイズ vol.71人気ブランド、アクネの旗艦店オープン記念!来日したクリエイティブ・ディレクター ジョニー・ヨハンソンにインタビュー人気ブランド、アクネの旗艦店がこの12月青山にオープン。その機会に来日したクリエイティブ・ディレクターのジョニー・ヨハンソンに、コレクションについて聞きました。Text by HAGIWARA Terumiスウェディッシュ・ブランドから発信される、モダンな感性とは?アクネのクリエイティブ・ディレクター ジョニー・ヨハンソン曰く、服を作るときに一番大切にしていることはというと「まずはコンセプト。服としてのリアリティはまったく考えない。イメージが決まってからフィッティングをして服のカタチにしてゆくんだ」とのこと。アクネ ストゥディオズは服だけでなく、アート、雑誌、インテリアにも通じたスウェーデンのファッションハウスです。9月のロンドンコレクションは、パフやギャザーで量感を出し、共布ベルトで押さえたコントラストのある服を発表しました...
萩原輝美|春到来! 鮮やかなプリントで気持ちも一新

萩原輝美|春到来! 鮮やかなプリントで気持ちも一新

萩原輝美のファッション・デイズ vol.72春到来! 鮮やかなプリントで気持ちも一新もうすぐやってくる春夏シーズンに備えて、そろそろワードローブを刷新! 気持ちまで明るくなりそうな、鮮やかな色づかいのプリントに今季は注目したい。Text by HAGIWARA Terumi甘さを漂わせるボッテガ・ヴェネタ、いままでにないプリントを打ち出したエルメス2013年。まだまだ寒い冬真最中ですが、鮮やかなおしゃれに思い巡らせて、気持ちばかりは春気分に浸りましょう。この春は明るい色が品良く並び、グラフィカルなプリントがいっぱいです。ボッテガ・ヴェネタのプリントドレスはノスタルジックな香りのする花柄です。シャープなカッティングにパフスリーブが甘さをくわえたモダンエレガンス。プリントとニットの組み合わせにはレースや刺しゅうがほどこされ、繊細なクオリティを感じさせます。蝶モチーフのベルトやバッグが花プリントに寄り添います。BOTTEGA VENETABOTTEGA VENETABOTTEGA VEN...
萩原輝美|ラフ・シモンズがかけるDiorの魔法。目覚めよ、春の花!

萩原輝美|ラフ・シモンズがかけるDiorの魔法。目覚めよ、春の花!

萩原輝美のファッション・デイズ vol.73ラフ・シモンズがかけるDiorの魔法。目覚めよ、春の花!今年1月、パリでおこなわれたオートクチュールコレクション。そこでは、これから訪れる春の季節を祝福するかのような、幸せで柔らかなモードに彩られた世界が広がっていた。Text by HAGIWARA Terumi緑の園に咲き誇る花は、贅たくさをうちに秘めて1月、2013春夏パリオートクチュールコレクションは降りしきる雪の中ではじまりました。初日、ディオールのコレクションはセーヌ川を臨むチュイルリー公園に設えたシルバーのテントでおこなわれました。外の寒さを忘れるかのように、中は緑いっぱいの春ガーデンです。そこはムッシュー・デイオールが愛した庭園が広がります。木立の中から登場するモデルたち。ラフ・シモンズはモデルたちを緑の園に咲き誇る花に見立てたのです。繊細なフラワーモチーフを刺しゅうしたサテンにチュールを重ね、それぞれのモチーフは重なり合い揺れています。小径を散歩するように歩くモデルたちは...
妖艶さと可憐さと。森の中で紡がれるクチュールの物語

妖艶さと可憐さと。森の中で紡がれるクチュールの物語

萩原輝美のファッション・デイズ vol.74妖艶さと可憐さと。森の中で紡がれるクチュールの物語緑を感じさせるガーデンや森――2013年1月パリで開催された春夏オートクチュールコレクションでは、演出やテーマにもひとつのトレンドがあった。Text by HAGIWARA Terumiガーデンを設えたシャネル、シークレット・ガーデンをテーマにしたヴァレンティノ2013年春夏オートクチュール会場は、たくさんのデザイナーがガーデンを設えました。荘厳なグラン・パレの広い会場を木で覆い、砂を敷き詰めたシャネル。ステージから登場したモデルは白、黒、バイカラーのドレスにレースのレギンスを合わせます。デザイナーのカール・ラガフェルドがフレーム・ショルダーと呼ぶボートネックのように肩にかかる切り替えが特徴です。CHANELCHANELCHANELIラインのドレス、ソワレにはポピー、マーガレットなど可憐な花の刺しゅうやプリント、レースで飾りました。黒いアイラインと強いアイメークは妖艶な森の妖精を思わせます...
萩原輝美|プラダが打ち出す、あたらしいセンシュアリティとは

萩原輝美|プラダが打ち出す、あたらしいセンシュアリティとは

萩原輝美のファッション・デイズ vol.75プラダが打ち出す、あたらしいセンシュアリティとは2013年2月21日、イタリア・ミラノ。ミラノコレクションのなかでも毎回目玉的存在であるプラダのランウェイショーが、この日におこなわれた。Text & Event Photographs by HAGIWARA Terumiリアルでナチュラルな着こなしのなかに存在するセクシーさ2013-14年秋冬ミラノコレクションは、雪降る厳寒のもとではじまりました。その寒さのなか、プラダの会場前には寝そべってバリケードを作った「アンチファー」グループが居座ります。前よりおとなしくなったというものの毛皮反対運動は相変わらず健在です。もっともコレクションにはテンやチンチラを崩してまとう、ひと味ひねったコートが登場します。会場には等身大のリアルな女性の影絵が壁いっぱいに映し出されました。登場したモデルは髪を濡らし、胸もとをはだけた恐いほどに艶(なまめ)かしい着こなしです。リアルでナチュラルな女性を表現し...
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