萩原輝美 連載 vol.122|メゾン・ヴァレンティノが魅せた珠玉のドレス

萩原輝美 連載 vol.122|メゾン・ヴァレンティノが魅せた珠玉のドレス

パリコレクションリポート「ヴァレンティノ」メゾン・ヴァレンティノが魅せた珠玉のドレスヴァレンティノが渾身のコレクションを発表しました。繊細なレースの接ぎ合わせ、箔をのせたクリムトドレス、シックなパターンonパターン…。極上のエレガンスをリアルに収めたドレスが鮮やかです。Text by HAGIWARA Terumiクチュール技で仕上げるレースのドレス2015-16年秋冬パリ・プレタポルテコレクションです。パリで発表されるブランドはミラノブランドと違い、クチュールのクオリティーとプレタポルテのリアリティを重ね合せたリアルモードが魅力です。ヴァレンティノがうっとり、どっきりの素敵な作品を発表しました。70年代をイメージしたゆったりのロングスカートが主流になりそうですが、ヴァレンティノはそれにクリムトのアートを散りばめました。VALENTINO|ヴァレンティノ 2015-16年秋冬パリ・プレタポルテコレクションブラック&ホワイトのバイカラーで始まったコレクションは四角、三角、ストライプを...
萩原輝美 連載 vol.123|2015-16秋冬パリコレクション「ディオール」「シャネル」

萩原輝美 連載 vol.123|2015-16秋冬パリコレクション「ディオール」「シャネル」

2015-16秋冬パリコレクション「ディオール」「シャネル」新生ディオールとシャネルのパフォーマンスオートクチュールとプレタポルテ。その両方を行き交いながら時代のモードをリードするディオールとシャネル。ムッシュ・ディオールに距離を置いた新生ディオールとシャネルのパフォーマンスをレポートします。Text by HAGIWARA Terumi未来に羽ばたいた新生ディオール2015-16年秋冬パリ・プレタポルテコレクションです。ディオールのアーティスティック・ディレクター、ラフ・シモンズは未来へ羽ばたきました。ムッシュ・ディオールへのオマージュを描き続けてきたラフが自らのクリエーションに一歩踏み出したのです。太陽の注ぐ明るい空間で披露されたのは、カラフルなレギンス風サイハイブーツを履いた鮮やかな白と黒のバイカラースーツ、ローウエストで切り替えたショートドレス…どれもシャープな未来服です。胸や肩に切り込みを入れたようなアシンメトリーカットのミニドレスには、アンクルブーツを合わせています。D...
萩原輝美|クチュールの世界を広げたヴィクター&ロルフ

萩原輝美|クチュールの世界を広げたヴィクター&ロルフ

萩原輝美のファッション・デイズ vol.84クチュールの世界を広げたヴィクター&ロルフオートクチュールが元気です。7月第1週目におこなわれたパリ2013-14秋冬オートクチュールコレクションは参加ブランドも増え、見応えあるコレクションが並びました。Text by HAGIWARA Terumi<M/span>観客をひき込んだ静寂の舞台ヴィクター&ロルフは13年ぶりにクチュ-ルコレクションを発表しました。98年のクチュールコレクションではアトミック ボンブをテーマにした作品を発表しました。オーガンジで膨らんだ大きなキノコ衿はしぼむと美しいドレープの服になるというコンセプチュアルなショーでした。ヴィクター&ロルフ 2013年秋冬オートクチュールコレクション今シーズンは、会場いっぱいに龍安寺の石庭を思わせる砂紋柄のカーペットが敷かれました。黒衣姿のヴィクター&ロルフが登場すると、禅僧さながら背中合わせに座禅を組み始めます。会場は静まり返って荘厳な空気が流れます。ゆっく...
萩原輝美|異彩ラフ・シモンズと帝王アルマーニがみせるクチュール

萩原輝美|異彩ラフ・シモンズと帝王アルマーニがみせるクチュール

萩原輝美のファッション・デイズ vol.85異彩ラフ・シモンズと帝王アルマーニがみせるクチュール世界4大陸の女性にフォーカスし、渾身のモダンクチュールに挑んだラフ・シモンズ。身体に寄り添う優しいドレスでアルマーニが見せるリアルクチュール、テーマは「ヌード」。Text by HAGIWARA Terumiモダンなディオール、エレガントなアルマーニラフ・シモンズ3シーズン目のディオールがスポットを当てたのは大陸。世界4大陸の女性をイメージした作品が並びました。ヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカ。ヨーロッパはムッシュー ディオールへのオマージュです。グレンチェックはリボン状の布を重ねて柄を出し、千鳥格子はコーティングを施してひとひねりしています。カッティングにこだわったIラインスーツやドレスは異素材と色の組み合わせでぐっとモダンになりました。CHRISTIAN DIOR|クリスチャン ディオール 2013年秋冬オートクチュールコレクションアメリカはスポーツ。ドルマンスリーブのゆったり...
萩原輝美|未来的なシャネル、ヴァレンティノのネオバロック

萩原輝美|未来的なシャネル、ヴァレンティノのネオバロック

萩原輝美のファッション・デイズ vol.862013年秋冬オートクチュールコレクション未来的なシャネル、ヴァレンティノのネオバロック7月パリで発表されたオートクチュールコレクションより、シャネルとヴァレンティノに注目する。シャネルのカール・ラガーフェルド、ヴァレンティノのマリア・グラツィア・キウリ、ピエールパオロ・ピッチョーリの提案とは。Text by HAGIWARA Terumi最上の素材と匠の技が生むファンタジーシャネルは、グランパレの会場を忘れ果てた野外劇場に見立てました。カーテンが上がると、そこには摩天楼が並ぶ未来都市です。タイムマシーンで時空を超えた不思議空間が広がります。白、黒、グレイ、ベージュにグリーン、ピンク。ざっくりしたツイードのロングジャケットの下には、パッチワークされた光沢感あるミニドレス。ローウエストでおさえた太いベルト、つま先から足をすっぽり包み込むレギンスで完成です。前から見ると大きなリボンに見えるツイードの帽子がキュート。すべてがメランジェな未来先取...
萩原輝美|オートクチュールコレクション注目の若手

萩原輝美|オートクチュールコレクション注目の若手

萩原輝美のファッション・デイズ vol.87オートクチュールコレクション注目の若手ブシュラ・ジャラール、アレクサンドル・ボーティエオートクチュールコレクションに参加する若手デザイナーたち。なかでも注目は、ブシュラ・ジャラールと中堅デザイナーのアレクサンドル・ボーティエ。両デザイナーのコレクションにフォーカスする。Text by HAGIWARA Terumiリアルに着られるプレタ・クチュールオートクチュールコレクションに参加する若いデザイナーが増えています。そんな中、注目したいのがブシュラ・ジャラール。デビュー以来、オートクチュールで発表し4年目を迎えた今シーズン、力のこもった作品を並べました。エクリュ、黒、ピンクベージュの3色で表現するコレクションは、糸から選んで生地を織り上げています。最高の質感と技を使いながらも、リアルに着られるプレタ・クチュールです。ライダーズジャケットにパンツ、切り替えのドレスなど、強いのに優しい、味のある服に仕上がっています。BOUCHRA JARRAR...
萩原輝美|服じゃない「服」に挑んだコム デ ギャルソン

萩原輝美|服じゃない「服」に挑んだコム デ ギャルソン

萩原輝美のファッション・デイズ vol.90黒一色の幻想ドレス服じゃない「服」に挑んだコム デ ギャルソンニューヨーク、ロンドン、ミラノと巡ったファッションウィークはついにパリへ。まずはじめに、日本が世界に発信するコム デ ギャルソンのショーから紹介する。Text by HAGIWARA Terumi24体の潔いコレクション涼しくなりかけたミラノから一転、夏に戻ったパリからのコレクションリポートです。コレクションの会場内は外の暑さに負けない熱気でムンムン。先シーズンよりさらに小さな会場で行われたのがCOMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)です。暗い会場に光があたりファーストルックのモデルが登場します。ボディを透かして大きく造形されたドレスが浮かび上がります。ボディにフィットしたブラトップとキュロットの上に、ベルベットでパイピングしたオーガンジーのボリュームドレスが絶妙のコントラストを描き上げます。360度の角度から見ることのできるステージの服がライトを浴びて様々な...
萩原輝美|「色満載の鮮やかシャネル」「“熱い女”を並べたプラダ」「“シャイン”輝くランバン」

萩原輝美|「色満載の鮮やかシャネル」「“熱い女”を並べたプラダ」「“シャイン”輝くランバン」

萩原輝美のファッション・デイズ vol.92「色満載の鮮やかシャネル」「“熱い女”を並べたプラダ」「“シャイン”輝くランバン」2014年春夏はモダンアートをイメージした色いっぱいの作品が並びました。ワクワクと浮き立つようなプリントドレス。Text by HAGIWARA Terumi色柄浮き立つアートなスーツ2014年春夏ファッションは色満載のアーティスティックなコレクションが揃いました。シャネルは、会場のグランパレに、シャネルモチーフのモダンアート作品を並べました。その中を闊歩するモデルたちはピンクやブルーのスーツ、カラーパレットそのままのプリントドレスをまとっています。黒いボブに負けないアイメイクが際立ちます。シャネル 2014年春夏コレクションプラダは会場の壁面いっぱいに、南米やメキシコから選ばれたアーティスト6人が女性の顔を描きました。トロピカルカラーに太い眉の熱い女性像が印象的です。その“女の顔”をプリントしたドレスに、ライン入りニットのビスチュエやアンダースカートを合わ...
萩原輝美|時を甦らせて──マーク・ジェイコブスのラストコレクション

萩原輝美|時を甦らせて──マーク・ジェイコブスのラストコレクション

萩原輝美のファッション・デイズ vol.93時を甦らせてルイ・ヴィトン、マーク・ジェイコブスのラストコレクションロンドンで見せたJ.W.アンダーソンのモードな服マーク・ジェイコブスが16年続けたルイ・ヴィトンを引退、集大成のファイナルコレクションを発表しました。パリのラグジュアリーブランドのデザイナー交替が続きます。Text by HAGIWARA Terumi過去のコレクションの集大成パリコレクション最終日、10:00からスタートするルイ・ヴィトンはマーク・ジェイコブスがデザインする最後のコレクションとなりました。いつもの会場テントの入口は、ホテルをテーマに発表した2年前と同じメイドの掃除する姿が。同じ演出を2度やるなんてこと絶対になかったマークが、どうしてと訝りながら会場に入ると……。噴水に回転木馬、エレベーターにエスカレーター、ホテルのドア……と、今までのテーマがずらり。なんと過去のコレクションの集大成的プレゼンテーションです。噂に聞いていたマークの引退話はやっぱり本当だった...
萩原輝美|太陽から闇の光まで。この春はSHINE!

萩原輝美|太陽から闇の光まで。この春はSHINE!

萩原輝美のファッション・デイズ vol.94闇に咲く花のドレス ドリス ヴァン ノッテンジバンシィ バイ リカルド ティッシも光るドレスSWING&SPRING――ドレス、スカートが戻ってきました。パンツに替わって登場したスカートは色をのせ、輝きを放ってとってもフェミニンです。Text by HAGIWARA Terumi太陽から闇の光まで。この春はSHINE!13-14年春夏パリコレクション会場は倉庫が立ち並ぶ13区からエッフェル塔を望むトロカデロ(8区)に移りました。ドリス ヴァンノッテンは左右80メートルもある長〜い客席を設え、モデルは観客の前を左右往復します。ファーストルックはゴールドの布をたわませて大きなウエーブで作るモチーフスカートです。ゴールドの布は動きに乗って眩い光を放ちます。しかし、下に重ねたのはマットなシーチングコットン。自然の光を表現したかったとドリス ヴァン ノッテンは言います。フィナーレに登場したのは闇に咲く花のドレスです。モデル全員が一列に並び、じっくり...
萩原輝美|技と質で売り出すパリの新進ブランド

萩原輝美|技と質で売り出すパリの新進ブランド

萩原輝美のファッション・デイズ vol.95技と質で売り出すパリの新進ブランドクール&フェミニン「ピエス ダナルシヴ」リアル&クチュール「ブシュラ・ジャラール」糸から紡ぐ素材の追求。クオリティーにこだわるクチュールテイスト仕上げの注目デザイナーが登場しました。Text by HAGIWARA Terumi来春はオプティカルカラーに加え、白黒バイカラーも登場シャープでフェミニンな味わいに注目見つけました! パリで絶対注目の新ブランドを……。「ピエス ダナルシヴ」。デザイナーは、デボラ・ロイヤーとプリシラ・ロイヤーのフランス人美人姉妹です。ヴォージュ広場にショールームを持ち、展示会ベースで2年目、10月はじめて映像とアートを絡めたプレゼンテーションをおこないました。ニットを中心としたアイテムは、スポーツテイストを加えたエレガンスライン。グラフィカルなインターシャニットにスクエアカットレースのボトムスを合わせています。キャップやフードをかぶり、仕上げはウェッジソールのバスケットシューズで...
連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.30

連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.30

連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.30ボッテガ・ヴェネタとエルメスの最新コレクションから紐解くクチュールテクニックを駆使したウールコートが旬秋冬シーズンの注目アイテムは、肩のマグネットラインやコクーンシルエットなど、クチュールを彷彿とさせるフォルムのウールコート。今回はボッテガ・ヴェネタとエルメスの最新コレクションより、トレンドをピックアップ。Text by HAGIWARA Terumiクラシックだがリアルな、アウターの着こなし2011-12秋冬は、あたたかく包み込んでくれるウールコートが注目アイテムだ。コレクションも雪を降らせる演出が多かった。60年代と言えば、クチュールテクニックを駆使したフォルムのコートやドレスがモダンスタイルとして登場した時代。磁石の丸みのような肩線のマグネットライン、裾が内側に入ったコクーンシルエットなどカッティングでラインを作るコートだ。特徴は大きなボタンやポケット、トリミングなどフォルムを強調するディテールが目立っていること。ダブルフェイ...
萩原輝美 連載 vol.119|あらたな才能が開花するオートクチュール

萩原輝美 連載 vol.119|あらたな才能が開花するオートクチュール

ラフ・シモンズによる「ディオール」と注目の新人「ステファニー・クデール」リアルだけど夢いっぱい!蘇ったオートクチュールオートクチュールがどんどん大きくなっています。ビッグメゾンから小さなブランドまで。デザイナーの意をかなえるクチュールの魅力的に大接近します。Text by HAGIWARA Terumi過去と未来を行き来させる無類のクリエーション、ディオール2015年春夏、オートクチュールコレクションです。ディオールは小雨降るロダン美術館の特設テントで行われました。中はシルバーで縁取られたミラー張りの宇宙船のようなステージです。レースのミニマルなミニドレスには透けるビニールのコートを羽織り、カラフルなエナメルの太ももまであるブーツを合わせています。グラフィカルプリントのぴたぴたオールインワンは宇宙までを旅しそうな未来的なスタイルです。3D刺しゅうにスパンコール、小さなトップス、段々に色をつないだオーガンジーの揺れるドレスが登場します。バージャケットが自由自在に広がります。Dior|...
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