萩原輝美|異彩ラフ・シモンズと帝王アルマーニがみせるクチュール
萩原輝美のファッション・デイズ vol.85
異彩ラフ・シモンズと帝王アルマーニがみせるクチュール
世界4大陸の女性にフォーカスし、渾身のモダンクチュールに挑んだラフ・シモンズ。身体に寄り添う優しいドレスでアルマーニが見せるリアルクチュール、テーマは「ヌード」。
Text by HAGIWARA Terumi
モダンなディオール、エレガントなアルマーニ
ラフ・シモンズ3シーズン目のディオールがスポットを当てたのは大陸。世界4大陸の女性をイメージした作品が並びました。ヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカ。
ヨーロッパはムッシュー ディオールへのオマージュです。グレンチェックはリボン状の布を重ねて柄を出し、千鳥格子はコーティングを施してひとひねりしています。カッティングにこだわったIラインスーツやドレスは異素材と色の組み合わせでぐっとモダンになりました。
アメリカはスポーツ。ドルマンスリーブのゆったり袖のブルゾンにスカーフを巻き、軽快なスタイルを並べます。アフリカはマサイ族をイメージした鮮やかな色の組み合わせ、メッシュやフリンジのドレスに大胆なチョーカーやバングルが新鮮です。アジアはキモノスリーブに衿を抜いた着こなしを取り入れました。ディオールレッドのドレスやコートがひと際、華やかです。
アルマーニ・プリヴェは「ヌード」というタイトルでスーツからドレスまでヌードカラー一色の潔いコレクションが並びました。しなやかなシルエットのジャケットにはフレアーのスカートが揺れています。ドレスは透き通るような繊細なシフォンを重ね、羽のように舞います。軽やかでエレガントな作品が揃いました。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/