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萩原輝美|未来的なシャネル、ヴァレンティノのネオバロック
萩原輝美のファッション・デイズ vol.86
2013年秋冬オートクチュールコレクション
未来的なシャネル、ヴァレンティノのネオバロック
7月パリで発表されたオートクチュールコレクションより、シャネルとヴァレンティノに注目する。シャネルのカール・ラガーフェルド、ヴァレンティノのマリア・グラツィア・キウリ、ピエールパオロ・ピッチョーリの提案とは。
Text by HAGIWARA Terumi
最上の素材と匠の技が生むファンタジー
シャネルは、グランパレの会場を忘れ果てた野外劇場に見立てました。カーテンが上がると、そこには摩天楼が並ぶ未来都市です。タイムマシーンで時空を超えた不思議空間が広がります。
白、黒、グレイ、ベージュにグリーン、ピンク。ざっくりしたツイードのロングジャケットの下には、パッチワークされた光沢感あるミニドレス。ローウエストでおさえた太いベルト、つま先から足をすっぽり包み込むレギンスで完成です。前から見ると大きなリボンに見えるツイードの帽子がキュート。すべてがメランジェな未来先取りコレクションです。
ヴァレンティノはデザインをそぎ落とし、クオリティを際立たせるコートを並べました。レースの中にパッチワークされたボタニカルやアニマルプリント。エレガントなだけではありません。ミステリアスなイメージが潜みます。
レースでトリミングされたツイードのコート、カットワークされたダブルフェイスのコートなど技を駆使した作品です。ウインドウペーンのダブルフェイスのチュニックとフレアースカートはリアルに着たいアイテムです。装飾的なのに品良く収めるのがヴァレンティノです。
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萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/