萩原輝美のファッション・デイズvol.41|ルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソン

萩原輝美のファッション・デイズvol.41|ルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソン

連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.41ルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソン美しさのなかにファンタジーを秘めた、「白」と「レース」ファッションディレクター 萩原輝美さんの、2012年春夏コレクションサーキットからのリポート第2弾! パリコレクションから、ルイ・ヴィトンとコム デ ギャルソンのショーを紹介します。Text by HAGIWARA Terumi暑さの残るパリにあらわれた“ヴィトンランド”!ミラノにつづき10日間にわたるパリコレクションもあっという間に終わりました。10月というのに30度を超える烈暑がつづくコレクション会場では冷えたエビアンや団扇が配られ、あまりの暑さにテントの天井を外してしまうメゾンもありました。2012年春夏の気になる色は白、素材はレースです。3D素材と呼びたい、立体的なケミカルレースや刺繍にアップリケがたくさん登場しています。ルイ・ヴィトンの特設テントは、先シーズンの黒から白になりました。会場の女性スタッフのユニフォームも白です。LOUIS...
萩原輝美のファッション・デイズ vol.42

萩原輝美のファッション・デイズ vol.42

連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.42クロエ、プラダ軽快さを演出する、プリーツやレースファッションディレクター萩原輝美さんの、2012年春夏コレクションリポート第3弾! 萩原さんが今回注目したのは、クロエとプラダから「プリーツ」「レース」などのディテール。Text by HAGIWARA Terumi光を湛えた3D素材のマジック!2012年春夏は、光を反射させて陰影をつくる3D素材がたくさん登場しそうです。たとえば、アコーディオンプリーツや折り紙のようにタックをとった素材。白いファブリックは光をはじき、光を取り込みます。ボディが動くとプリーツは開き、止まると奥行きのあるシルエットをつくります。光によって表情が変わる、思わずスウィングしたくなる軽快服です。プリーツのディテールをふんだんに取り入れていたのがクロエです。胸もとから流れるアコーディオンプリーツのヤマには手描きでカラープリントされています。ストライプの生地をタテヨコ自由に折り畳むと、動きとともに万華鏡のように姿を...
萩原輝美|ファストファッションにはない、洗練とクオリティ!

萩原輝美|ファストファッションにはない、洗練とクオリティ!

連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.43ハイダー アッカーマン、ドリス ヴァン ノッテンファストファッションにはない、洗練とクオリティ!ファッションディレクター萩原輝美さんの、2012年春夏コレクションリポート第4弾! 萩原さんが今回注目したのは、ハイダー アッカーマンとドリス ヴァン ノッテン。コレクションブランドならではの奥行きのあるモノづくりに注目した。Text by HAGIWARA Terumi“微妙なバランスをデザインする”こと毎シーズン、ヨーロッパコレクションからファッショントレンドが浮かび上がってきます。ファストクローズの登場でトレンドがマスになったように思われますが、コレクションブランドにはそれらを寄せつけない洗練とクオリティをもつブランドが目立っています。ハイダー アッカーマン。トレンドに左右されることなく、ため息をつくようなコレクションを見せてくれます。1本のベルトで胸もとのドレープを留めて、ボトムスのシルエットをつくる。着付けで決まる着物を思わせま...
萩原輝美|ニューミニマリズム、そしてニューシルエット

萩原輝美|ニューミニマリズム、そしてニューシルエット

連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.44セリーヌ、ランバン、ジバンシィ バイ リカルド ティッシニューミニマリズム、そしてニューシルエットファッションディレクター萩原輝美さんの、2012年春夏コレクションリポート第5弾。今回紹介するのは、パリコレクションからセリーヌ、ランバン、ジバンシィ バイ リカルド ティッシ。トレンドを牽引するブランドが見せる、あらたなる境地とは。Text by HAGIWARA Terumi先鋭ブランドが見せた、あたらしい挑戦ニューミニマリズムを代表するセリーヌ。今シーズンはウエストや腰を、ペプラムで膨らませました。ウエストは太いベルトでマークされ、広がるペプラムはアシンメトリーに揺れています。セリーヌらしい濃いグリーンとボルドーの配色を切り替えで見せます。白に真っ赤なハートモチーフを編み込んだインターシャのニットが大胆!CÉLINECÉLINECÉLINEランバンは、厚い肩パットを入れたスクエアなドレスを発表しました。いつもの衿や袖から広がる花び...
萩原輝美|アン・ヴァレリー・アッシュ来日インタビュー

萩原輝美|アン・ヴァレリー・アッシュ来日インタビュー

連載|萩原輝美のファッション・デイズvol.45アン・ヴァレリー・アッシュ来日インタビュー!『VOGUE』が主催するファッション・ナイト・アウトに合わせて来日した斬新なコレクションが話題のデザイナー、アン・ヴァレリー・アッシュを、ファッションディレクターの萩原輝美さんがインタビュー。Text by HAGIWARA Terumiクラシックをモダンスタイルに仕立てるデザイナーこの秋は大掛かりなファッション・ナイト・アウトが表参道を盛り上げました。今回は海外からのデザイナー来日が増えたみたい。11月、杉野服飾大学で2011AWオートクチュールコレクションを発表するために来日したアン・ヴァレリー・アッシュにインタビューしました。――現在、年2回のプレタ・ポルテコレクションと7月にオートクチュールコレクションを発表していますね。アン・ヴァレリーさんにとってオートクチュールとは?ラボラトリー、実験室です。――クチュールで発表した服を、プレタに落とし込むのですね。クチュールは1点1点採寸し仮縫...
萩原輝美|「トーマス ワイルド」デザイナー来日インタビュー

萩原輝美|「トーマス ワイルド」デザイナー来日インタビュー

連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.46「トーマス ワイルド」デザイナー来日インタビュー!ロックやダークネスをベースに、ラグジュアリーでフェミニンなコレクションを展開している、ロサンゼルスを拠点とするブランド トーマス ワイルド。今回来日したデザイナー ポーラ・トーマスに、ファッションディレクターの萩原輝美さんがインタビューをした。Interview&Text by HAGIWARA Terumi相反するものを創作に落とし込む、パワフルなクリエイショントーマス ワイルドの服と出合ったのは4年前。コレクションをしていないLAブランドは新鮮でした。フリルたっぷりのシフォンドレスにスカルのスタッズが付いたエンジニア・ブーツを合わせる。これがトーマス ワイルドスタイルです。エッジを利かせながらも女っぽい。モデルをしていたポーラ・ワイルドさんがブランド10シーズンを記念した写真集を発表するため、デザイナーとしては初来日。ウエルカムディナーで、ポーラさんにインタビューしました...
萩原輝美|ファッションに溶け込む、ルイ・ヴィトンのハイジュエリー

萩原輝美|ファッションに溶け込む、ルイ・ヴィトンのハイジュエリー

萩原輝美のファッション・デイズ vol.64付け襟をかたどったジュエリーにひとめ惚れ!パリで見つけた、遊び心溢れるルイ・ヴィトンのハイジュエリー“ハイジュエリーの聖地”パリ・ヴァンドーム広場にオープンした、ウォッチとファインジュエリーに特化したルイ・ヴィトンのサロン。 そこで見つけた、遊び心いっぱいのジュエリーとは。Text by HAGIWARA Terumiファッションに溶け込むジュエリー「ヴォワイヤージュ ダン ル タン」秋ですね。この秋は、重厚感あるスーツやドレスがたくさん登場しています。ディテールで目につくのが、おおぶりなビジューです。もちろんジャンクもすてきですが、ヴィンテージやハイジュエリーなど、遊び感覚でコーディネイトしたい。9月中旬には、パリのグランパレで2年おきに開かれるジュエリーのヴィエンナーレが開催されます。プラス ドゥ ヴァンドーム広場は、ジュエリーのラグジュアリーブランドが一堂に並ぶ優雅な広場です。その場所に今年7月、ルイ・ヴィトンのウォッチ&ファインジ...
萩原輝美|2013年春夏、トルソーラインはストレートでロングに!

萩原輝美|2013年春夏、トルソーラインはストレートでロングに!

萩原輝美のファッション・デイズ vol.662013年春夏、トルソーラインはストレートでロングに!ルイ・ヴィトン、ダミエが織りなした魅惑のパフォーマンス2013年春夏コレクションも、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリとひと通り出揃い、次第につぎのトレンドが見えてきた。ファッション・ディレクター萩原輝美が注目したコレクションとその内容とは?Text by HAGIWARA Terumiエスカレーターを使った特設会場で見せたスペシャルなショー2013年春夏コレクション、ミラノ、パリも出揃いました。今シーズンはトルソーラインが気になります。縦長の切り替え、ストレートでロング。ダミエだけでコレクションを発表したのはパリコレクション最終日に行ったルイ・ヴィトンです。ダミエと言えば、ヴィトンを代表する格子柄です。特設会場のテントは大きなダミエ柄模様。会場の床もダミエ。4機の長いエスカレーターを設えました。ファーストルックは、イエローと白のダミエスーツ。全身ボディを包むダミエスーツは、フィット...
萩原輝美 連載 vol.124|まだまだ続くエフォートレスの流れ

萩原輝美 連載 vol.124|まだまだ続くエフォートレスの流れ

「頑張らなくていい」エフォートレスウーマン続々「ドリス ヴァン ノッテン」「クロエ」「ステラ・マッカートニー」新しさを競った80年代型ファッションに終止符打って、このところは不動のスタイルを追ったコレクションが目につきます。中でも注目されるのが前シーズンに続くエフォートレスウーマン。肩肘張らないリアルでシンプルなスタイルです。Text by HAGIWARA Terumi注目はトレンドよりもスタイル作りこのところのコレクショントレンドはゆるやかにゆっくりと広がっています。80年代のようにイメージする女性やディテール、肩幅やスカート丈など、目まぐるしく変化することはなくなりました。もうひとつがリアリティーをしっかりと組み込むこと。15-16秋冬コレクションは、ミラノやパリで先シーズンから登場した「エフォートレスウーマン」を全面に据えています。気張らずに力を抜いた女性がかっこいい!もう肩肘張らなくてもいい。これ現代女性のゆとりなのかもしれません。それとも所詮頑張ったところで…ということ...
萩原輝美|クリストファー・ベイリーがデザインするバーバリープローサム

萩原輝美|クリストファー・ベイリーがデザインするバーバリープローサム

萩原輝美のファッションデイズ vol.111イングリッシュガーデンに飛び交う鳥と蜂クリストファー・ベイリーがデザインするバーバリープローサムコットンギャバジンとデニム。バーバリーのアイコン素材に色とデザインをのせた春モードを楽しみました。Text by HAGIWARA Terumiチュールドレスにスニーカー、サンダルを合わせた軽やかなコレクション2015年春夏コレクションが始まりました。戦陣きってロンドンコレクション、バーバリープローサムからレポートします。ケンジントンガーデンに設えられた特設テント。会場に近づくと、ガラス屋根のカラフルなアートペインティングが見えます。ワクワク。何か起こりそうな予感です!青いポップなインビテーションを手に会場へ。コレクションはぴたぴたデニムのペプラムジャケットにスパンコールのスカートから始まりました。デニムはトレンチコートのコットンギャバジンと同じベーシックな生地です。ムートンのペプラムをのぞかせて、とびきりモードなアイテムに仕上がっています。テ...
萩原輝美|18世紀を未来に繋げるモダン服ディオール、深海の青い世界を遊ぶヴァレンティノ

萩原輝美|18世紀を未来に繋げるモダン服ディオール、深海の青い世界を遊ぶヴァレンティノ

萩原輝美のファッションデイズ vol.11218世紀を未来に繋げるモダン服ーラフ・シモンズのディオール深海の青い世界を遊ぶーヴァレンティノクチュールコレクションをプレタに落とし込む、ラグジュアリーブランドのリアルモード。Text by HAGIWARA TerumiディオールのTシャツドレス2015年春夏パリコレクションです。人気デザイナーが揃ってデザインしたのは、過去と未来を行き来しながら優しさをアピールする自然体のドレスです。ムッシューディオールが18世紀に遡りました。7月のオートクチュールで「未来は過去の上に築かれる」と言ったアーティスティックディレクターのラフ・シモンズはその流れをプレタにつなげました。18世紀の宮廷コートは、スケーターのバミューダと組み合わせます。クチュールで登場した花刺しゅうのドレスはヴィンテージ風なワープ(ぼかし)プリントで軽い仕上がりです。パニエで膨らませたスカートは、コットンTシャツとボタンでつながれています。ロゴ代わりのワッペンは、どこにでも旅す...
萩原輝美|優しく涼やか、草原に揺れる春のドレス

萩原輝美|優しく涼やか、草原に揺れる春のドレス

萩原輝美のファッションデイズ vol.113「ドリス ヴァンノッテン」「クロエ」「ステラ マッカートニー」優しく涼やか、草原に揺れる春のドレス2015年春夏パリコレクションは草や花、鳥をイメージした自然でしなやかな作品が勢揃いしました。定番素材のレースはカットワークで甘過ぎず、デニムはひとひねりしたモードなイメージで登場します。Text by HAGIWARA Terumi春の草原に咲くドレス—ドリス ヴァンノッテン小さなプラスティックケースに入った苔が届きました。ドリス ヴァンノッテン15年春夏コレクションの招待状です。コレクション会場にはビジュアルアーティスト、アレクサンドラ・ケハヨグルさんに特注した特大草原カーペットが敷いてあります。鳥のさえずりでスタートしたショーは清々しい朝のイメージです。シルクプリントを柄違いで合わせたアンサンブル、ボーダー柄をランダムに接いだ透けるドレス。いずれもけだるく優しいシルエットです。ラメのニットやジレがリアルな着こなしです。フィナーレ、草の上...
萩原輝美|デザイナーが変わりながらもブランドのスタイルは続きます

萩原輝美|デザイナーが変わりながらもブランドのスタイルは続きます

萩原輝美のファッションデイズ vol.114「シャネル」、「ジャンポール・ゴルチエ」、「エルメス」、「メゾン マルタン・マルジェラ」デザイナーが変わりながらもブランドのスタイルは続きます去る人、来る人。今シーズンも騒がしいコレクションとなりました。ゴルチエがプレタポルテ最後のショーを発表。クリストフ・ルメールもエルメス最後のコレクションとなりました。マルタン・マルジェラは来シーズンから休業中だったジョン・ガリアーノを迎えてコレクションを一新します。人は変わっても極上のクオリティーと究極のエレガンスを競う舞台に変わりはありません。今シーズンもそれも存分に堪能しました。Text by HAGIWARA Terumi街に寄り添う、取って置きのラグジュアリーシャネル2015年春夏コレクションのシャネルは先シーズンのスーパーマーケットに続き、グランパレの会場をパリの路地に変えました。アベニューシャネル(シャネル大通り)をモデルたちは思い思いに闊歩します。マスキュリンとフェミニンを交差させジャ...
萩原輝美|3人の日本人デザイナーをレポート

萩原輝美|3人の日本人デザイナーをレポート

萩原輝美のファッションデイズvol.115「アンダーカバー」「アンリアレイジ」「ファセッタズム」3人の日本人デザイナーをレポートリアルクチュール、モダンクチュール…オートクチュールの技と質がプレタポルテの舞台に広がっています。クチュールとは距離をおいたリアリティーで勝負してきた東京ファッションにもクチュールにつながる質感が出はじめています。そんな流れを象徴する3人のデザイナーをレポートします。Text by Hagiwara Terumi「やっぱりパリは最高の舞台」アンダーカバー「パリコレクションはデザイナーにとっての最高の舞台です」アンダーカバーの高橋盾さんはそう語って2年間お休みしていたパリコレを再スタートしました。パリコレはプロが集まるビジネスの場。ファンや友人からは聞かれない、厳しい評価を下される場。その緊張感はほかにはないもの。2015年春夏コレクションのテーマは「PRETTY HATE BIRD」です。チュチュをはいた白鳥から恐(こわ)かわいい黒鳥も登場しました。繊細な...
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