萩原輝美のファッション・デイズ vol.42
連載|萩原輝美のファッション・デイズ vol.42
クロエ、プラダ
軽快さを演出する、プリーツやレース
ファッションディレクター萩原輝美さんの、2012年春夏コレクションリポート第3弾! 萩原さんが今回注目したのは、クロエとプラダから「プリーツ」「レース」などのディテール。
Text by HAGIWARA Terumi
光を湛えた3D素材のマジック!
2012年春夏は、光を反射させて陰影をつくる3D素材がたくさん登場しそうです。たとえば、アコーディオンプリーツや折り紙のようにタックをとった素材。白いファブリックは光をはじき、光を取り込みます。ボディが動くとプリーツは開き、止まると奥行きのあるシルエットをつくります。光によって表情が変わる、思わずスウィングしたくなる軽快服です。
プリーツのディテールをふんだんに取り入れていたのがクロエです。胸もとから流れるアコーディオンプリーツのヤマには手描きでカラープリントされています。ストライプの生地をタテヨコ自由に折り畳むと、動きとともに万華鏡のように姿を変えます。バッグもアコーディオンのように、何重にも重ねて広がるクラッチやショルダーが登場しました。
プリーツと並んで気になる生地がレースです。プラダはスイスメイドのケミカルレースを並べました。色を変え、花弁を重ねた花のような服です。スイムスーツからドレス、コートまでレースのコーディネイトは甘すぎず、パンチの効いたシルエットです。クルマのモチーフプリントもプリーツをたたみ、立体感を出しています。レースのクラッチバッグも気になるアイテムです。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップ「デザインワークス」のレディスのディレクションも担当。オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/