萩原輝美 連載 vol.124|まだまだ続くエフォートレスの流れ
「頑張らなくていい」エフォートレスウーマン続々
「ドリス ヴァン ノッテン」「クロエ」「ステラ・マッカートニー」
新しさを競った80年代型ファッションに終止符打って、このところは不動のスタイルを追ったコレクションが目につきます。中でも注目されるのが前シーズンに続くエフォートレスウーマン。肩肘張らないリアルでシンプルなスタイルです。
Text by HAGIWARA Terumi
注目はトレンドよりもスタイル作り
このところのコレクショントレンドはゆるやかにゆっくりと広がっています。80年代のようにイメージする女性やディテール、肩幅やスカート丈など、目まぐるしく変化することはなくなりました。もうひとつがリアリティーをしっかりと組み込むこと。
15-16秋冬コレクションは、ミラノやパリで先シーズンから登場した「エフォートレスウーマン」を全面に据えています。気張らずに力を抜いた女性がかっこいい!もう肩肘張らなくてもいい。これ現代女性のゆとりなのかもしれません。それとも所詮頑張ったところで…ということ?
マイスタイルを追求するドリス ヴァン ノッテン
ドリス ヴァン ノッテンは自分スタイルを貫くマイペースなコレクションを発表しました。トレンチコートにガウンを羽織りタックパンツと合わせる。プリントブラウスにジャガードニットを重ねてロングスカートと組ませる。どれも見慣れたアイテムなのに、その量感、柄と柄の組み合わせが新鮮です。
女性デザイナーならのクロエのリアリティ
クレール ウェイト ケラーがデザインするクロエは、小さなベストを合せたプリントのロングドレスを並べました。ネクタイのように首にまいた細長いリボンスカーフが70年代風です。ショートブーツにタッセル付ショルダーバッグを合せます。昨年から登場したロングドレスは、今シーズン、リアルに活躍しそうなアイテム。ブーツかローヒールを合せる着こなしが目立ちます。
無造作と洗練が交錯するステラ・マッカートニー
ステラ・マッカートニーはニットを中心としたアンバランスなシルエットが特徴です。無造作なようで計算されたカッティングによるフレアーとペプラムがフェミニンです。パールのチョ−カーがドレスのデコルテを引き立てています。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/