萩原輝美|服じゃない「服」に挑んだコム デ ギャルソン
FASHION / WOMEN
2015年4月6日

萩原輝美|服じゃない「服」に挑んだコム デ ギャルソン

萩原輝美のファッション・デイズ vol.90

黒一色の幻想ドレス

服じゃない「服」に挑んだコム デ ギャルソン

ニューヨーク、ロンドン、ミラノと巡ったファッションウィークはついにパリへ。まずはじめに、日本が世界に発信するコム デ ギャルソンのショーから紹介する。

Text by HAGIWARA Terumi

24体の潔いコレクション

涼しくなりかけたミラノから一転、夏に戻ったパリからのコレクションリポートです。コレクションの会場内は外の暑さに負けない熱気でムンムン。

先シーズンよりさらに小さな会場で行われたのがCOMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)です。暗い会場に光があたりファーストルックのモデルが登場します。ボディを透かして大きく造形されたドレスが浮かび上がります。ボディにフィットしたブラトップとキュロットの上に、ベルベットでパイピングしたオーガンジーのボリュームドレスが絶妙のコントラストを描き上げます。360度の角度から見ることのできるステージの服がライトを浴びて様々な形を作ります。

COMME des GARCONS|コム デ ギャルソン 2014年春夏コレクション 1

COMME des GARCONS|コム デ ギャルソン 2014年春夏コレクション 2

COMME des GARCONS|コム デ ギャルソン 2014年春夏コレクション 3

全24体。それぞれの服に合わせて照明、音楽が変わります。丁寧に象(かたど)られた黒一色の造形。21世紀のオートクチュールです。「新しいものを探して、服じゃない物を作りました」とデザイナーの川久保 玲さん。不織布にキルティング、プリーツにフリル。なるほど、見慣れた物すべてが服を超えた見たことの無いカタチで登場しました。新しい「服」の力に触れました。

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萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/

           
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