27年の沈黙を破り新作を公開! 関係者に訊く「楳図かずお大美術展」| MEDICOM TOY

©楳図かずお

DESIGN / FEATURES
2022年1月28日

27年の沈黙を破り新作を公開! 関係者に訊く「楳図かずお大美術展」| MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

先見性に満ちた代表作『わたしは真悟』『漂流教室』『14歳』で衝撃を与えた、比類なき芸術家・楳図かずお

2022年1月28日(金)~3月25日(金)、東京シティビューにて開催される「楳図かずお大美術展」。注目は、1980年代に描かれた『わたしは真悟』の続編となる、101点もの連作絵画。その他、楳図かずおの世界を表現したさまざまな見どころを関係者に訊いた。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

巨匠・楳図かずおが語り、描く “アイ”の行方 ~シンゴの物語 〔第二章〕~

2022年1月28日(金)~3月25日(金)、東京シティビューにて開催される「楳図かずお大美術展」では、1990年代に連載された『14歳』以来、実に27年ぶりの新作となる『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』を初公開。1980年代に描かれた『わたしは真悟』の続編であり、同時に時空を超えたそのパラレル・ビジョン(並行世界)でもある新作は、マンガと違ってコマ割りはなく、アクリル絵画による101点の連作として一枚一枚が独立して鑑賞できるものとなっている。
『わたしは真悟』解説(オフィシャルサイトより)
©楳図かずお/小学館
12歳の悟と真鈴の手によって、一介の工業用ロボットが意識を持ち、やがて自らを“真悟”と名付け動き始める。大人によって引き裂かれた、悟と真鈴の愛。変わらぬその思いを、お互いの元に伝えるという目的を持った真悟の意識は無限に拡大していき、やがてそれは神のレベルに達していった……。(1982~1986年連載)

さらに3組の現代アーティストによる楳図作品をテーマにしたインスタレーションなど、漫画家の枠に収まらないアーティスト・楳図かずおの世界を表現する、今までにない展覧会である。開催を記念して、会場では魅力的な限定グッズやコラボメニューを用意。メディコム・トイからは本展のメインビジュアルを使用した「BE@RBRICK 楳図かずお大美術展 100% & 400%」が発売される。ここでは、その全貌についてうかがった楳図かずお大美術展製作委員会の方のコメントをお届けする。

マンガと芸術の大転換点その歴史的瞬間に立ち会おう!

──『楳図かずお大美術展』の企画意図について教えてください。
長きにわたり、歴史に名を刻む傑出した漫画作品を多く世に送り出してきた楳図かずお。その独特の作品群には、現在地球上で起きている様々な事象を予言するような先見的な世界観、幻視的ビジョンが至る所に発揮されています。これこそが、楳図作品の芸術性であり、楳図かずおを漫画家としてとどまらない芸術家たらしめている所以です。
本展では、楳図かずおの先見的、予見的ビジョンが発揮されている代表的な3作品を通じて、比類なき芸術性に富んだ「楳図かずおの世界」を表現します。
また、今回の最大の目玉は、芸術家楳図かずおが27年ぶりに筆をとり、制作に4年の歳月を費やして描いた101点にも及ぶ連作絵画『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』です。
©楳図かずお
──開催に際し、楳図先生はどのような感想を述べられていましたか。
「この展覧会を通じて“マンガ”のドラマ性と“美術”の豊かな感性が一つになります。マンガと芸術の大転換点であり、その歴史的瞬間に皆さん、ぜひ立ち会ってください。特に、27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』はすごい作品で一目見たらもう逃れられません」とのことです。
──待望の新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』について、完成までのバックストーリーと全体像について教えてください。
まず、楳図かずおの中に「本展覧会を漫画家としての回顧展ではなく未来に繋がるものにしたい」という考えがありました。企画の構想を進める中、2018年に仏のアングレーム国際漫画祭で『わたしは真悟』が遺産賞を受賞したこともきっかけとなり、自然と『わたしは真悟』に続くお話を連作絵画として描くに至ったと記憶しています。
“2022年に楳図かずおの新作を拝める、しかも原画で!”というだけで、とてつもない奇蹟が起きた、と言えるではないでしょうか。実は、新作の素描が完成した際に、関係者を集めたお披露目会をしたのですが、感動で目を潤ませる人が続出しました。
今回、新作を会場でご覧になる皆さんには、まずその幸運に浸っていただきつつ、あとは何も考えず、楳図かずおの世界に思い切り飛び込んでいただきたいと思います。
1枚1枚が迫力ある絵画作品であると同時に、101枚で展開される一つの漫画作品でもありますので、その計算された流れも存分に楽しんでいただけばと思います。
赤の縁(ふち)、緑のマットの額装も、楳図かずおの考案したものです。
また、冨安由真さんのインスタ―レーション内に展示される「素描」も、カラーとは全く別の世界観を提示する作品に仕上がっていて、どちらも必見です。
──今回の大美術展では、エキソニモ(千房けん輔と赤岩やえによるアート・ユニット)、冨安由真、鴻池朋子という3組の現代アーティストが、楳図作品をテーマにインスタレーションを展示しています。参加決定の背景、そしてそれぞれどのようなアート作品で参加しているのでしょうか?
本展に参加する3組のアーティストは、楳図かずお作品を深く解釈し、楳図かずおの世界観を空間や作品として表現し得るアーティストとして、本展の企画段階からアドバイザーとして参画している美術評論家の椹木野衣氏と本展のキュレーター窪田研二氏が選出しました。
テクノロジーと人間の関係性をテーマとしているエキソニモは『わたしは真悟』、絵画によって様々な物語を紡ぐ鴻池朋子は『14歳』、現実と非現実の境界を空間化する富安由真は、楳図かずおの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』の着彩前の素描(鉛筆画)をモチーフに、それぞれ独自の世界観で楳図かずおへのリスペクトをこめて表現します。
──東京シティビュー (六本木ヒルズ森タワー52階)での開催というシチュエーションには、どのような思いを込められていますか?
新作が『わたしは真悟』に連なる物語であること、また、エキソニモの作品が『わたしは真悟』をテーマにしていることから、「東京タワー」が見えるこの東京シティビュー以上にふさわしい会場はないと考えています。東京タワーは「333ノテッペンカラトビウツレ」「アイ」というメッセージとともに『わたしは真悟』の重要なテーマとなっています。
エキソニモ
《回想回路(Callback)》
2022年 ミクストメディア
©エキソニモ ©楳図かずお/小学館
Photo: Ken Kato

──会場で発売されるコラボ商品、コラボカフェのメニューについて教えてください。
会場限定のクリアファイル、ポストカード、ピンパッジ、キーホルダー、てぬぐい、豆皿、Tシャツ、バッグなど、楳図かずおの代表作はもちろん、新作『ZOKU-SHINGO』の絵がデザインされた商品が多数並びます。
特に、楳図かずお自らが企画した新作アートの編集本「楳図がつくった“楳図録”」はファン必携のマストバイアイテムです。
さらに、アートディレクターの吉田ユニさんデザインのマスキングテープ、メモパッド、ハンカチなど、女性にイチオシの商品も準備しております。
『UMEZZ CAFE』と銘打ったコラボカフェでは、見た目にも味にもこだわったメニューを取り揃えています。楳図かずお邸をモチーフにした「楳図ハウスパフェ」は見た目もかわいらしくボリューミー。名作「洗礼」からは「脳」の形をしたミルクプリンがのった、ちょっと大人な雰囲気のソーダなど、作品内容とマッチしたコンセプトのメニューが全6品。どうぞご来店のうえ、お召し上がりください。
楳図ハウスパフェ 1750円
©楳図かずお
──メディコム・トイからは新作のアートワークを使用したBE@RBRICKも発売されます。このBE@RBRICKについて、楳図先生の感想をお聞かせください。
「顔に配置された、男の子、女の子の顔が、目や口のように見えて面白い。『楳図かずお大美術展』に相応しい商品ですね」とのことです。
楳図かずおは、日ごろから自身の制作のモチベーションは「誰もやっていないことをやる! それのみです」と言っています。今も変わらない、この楳図の作品づくりに対する姿勢・情熱自体が大きなメッセージであるように感じます。
皆さんに訴えかけるものが必ずあるはずです。
新作で楳図は初めて、アクリルガッシュという画材にチャレンジしました。鉛筆による素描も、漫画とは異なる新しい手法です。
不安の多いこの世の中を、圧倒的な個のパワーと創造する力で進んでいく楳図かずお、その姿に勇気づけられるはずです。
マンガノテッペンカラアートのテッペンニトビウツレ!
その瞬間を、ぜひ会場へ確認しに来てください!
BE@RBRICK 楳図かずお大美術展 100% & 400%
サイズ|各全高約70mm/280mm
価格|1万5400円(税込)
購入方法|メディコム・トイ直営店舗及びオンラインストア各店にて1月発売予定。
※「楳図かずお大美術展」での販売方法は公式HP及び公式Twitterの更新をご確認ください。
※会場へのお電話でのお問い合わせはご遠慮ください。
※画像はイメージ、実際の商品と異なる場合があります。
©︎楳図かずお/小学館
BE@RBRICK TM & ©︎ 2001-2022 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.


楳図かずお大美術展
会期|2022年1月28日(金)~3月25日(金)
※57日間/会期中無休
開館時間|10:00~22:00(入場は21:30まで)
会場|東京シティビュー (東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階)
主催|東京シティビュー、楳図かずお大美術展製作委員会
問い合わせ|03-6406-6652(東京シティビュー)
https://umezz-art.jp/ 
巡回情報
【大阪展】2022年9月17日(金)~11月20日(日)あべのハルカス美術館
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
Photo Gallery