萩原輝美のファッション・デイズ
「萩原輝美のファッション・デイズ」に関する記事
萩原輝美|アルベールパワーが炸裂、ランバン秋冬コレクション
萩原輝美のファッション・デイズ vol.76LANVIN(ランバン)2013-14年秋冬コレクション「手紡ぎの蝶は目を離すと飛んで行ってしまいます」2月末におこなわれたLANVIN(ランバン)2013-14年秋冬コレクションショーへ。クリエイティブディレクターのAlber Elbaz(アルベール・ エルバス)は、夢いっぱいのパリ・モードの世界へと私たちを誘った。Text by HAGIWARA Terumiアルベールパワーが炸裂パリコレクションです。ミラノに引き続き雪まじりの冷たい風が吹く2月、コレクション会場をあちらこちらと移動です。ランバンは先シーズンからボザール(パリ国立高等美術学校)でショーを見せています。先シーズンは会場内にある彫刻がプリントされたドレスが登場しました。いつもは会場にシャンパンと極上のスイーツが配られるのに、今回は……ん、ポップコーン!?でもコレクションは、とってもパリジェンヌ。クチュールテイストにこだわり、バイアス布を自由自在にボディに馴染ませフォルムを...
萩原輝美|「ディオール」ラフ・シモンズ、「サンローラン」エディ・スリマンの2シーズン目に注目
萩原輝美のファッション・デイズ vol.77ウォーホルにマグリット、アーティストたちの饗宴 ディオール先シーズン、ふたつのビッグメゾンのデザイナー交代劇がファッション界の話題を独占したことは記憶にあたらしい。「ディオール」のラフ・シモンズと、「サンローラン」のエディ・スリマン。ふたりにとって2シーズン目となる2013-14年秋冬コレクションが、パリで発表された。Text by HAGIWARA Terumiロックに乗った小悪魔ガール エディ・スリマン炸裂ラフ・シモンズがデザインするプレタ・ポルテ2シーズン目のディオール。会場に入ると銀色に輝く大きな気球が並んでいます。広がる青い空に白い雲。そう、シュールレアリスムの巨匠ルネ・マグリットの世界です。モデルが登場するたびに青い空を歩く姿が気球に映し出されます。ドレスにはアンディ・ウォーホルが描いた女性の顔や目がプリントされています。Diorムッシュ・ディオールがパリに出てはじめに就いた仕事が画廊のキューレターでした。そこでたくさんのアー...
萩原輝美|妖しくもモダンなルイ・ヴィトンのクラシックランジェリー
萩原輝美のファッション・デイズ vol.78妖しくもモダンなルイ・ヴィトンのクラシックランジェリー趣向を凝らした演出も話題のLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)コレクションをレポート。ネクストトレンドの鍵を握る、マーク・ジェイコブスのあらたな提案とは? 映画『黒衣の花嫁』からインスピレーションを受けたプレフォールラインにも注目を。Text by HAGIWARA Terumi舞台は5ツ星ホテル、50の部屋と50の物語パリコレ最終日の朝はいつも緊張します。AM10:00。遅刻厳禁のルイ・ヴィトンコレクションです。ルーブル美術館に入り特設テントに入るときから、ドキドキが始まります。今シーズンは普通の白い外装。中に入ると丸い回廊がつながっています。回廊中に連なる50の扉。そう、ここは5ツ星のホテルの廊下です。※ショーの動画を見る→©LOUIS VUITTON/Ludwig Bonnetドアが開き、モデルが登場します。ヴィトンの大きなトランクが置いてある部屋。ベッドの上でストッキン...
萩原輝美|ロエベ×ジュンヤ・ワタナベ、ニュースなコラボが実現!
萩原輝美のファッション・デイズ vol.81ロエベ×ジュンヤ・ワタナベ、ニュースなコラボが実現先日、ロエベとジュンヤ・ワタナベによるコラボレーションが行われ、話題となっている。いったいどのようにしてこのビッグなコラボが実現したのか? ロエベのクリエイティブ・ディレクター、スチュアート・ヴィヴァースさんに直撃した。Text by HAGIWARA Terumi想像もしなかった、意外な組み合わせ!コレクションブランドがアーティストとコラボしてショーを発表することはよくあります。3月にコレクションを発表したジュンヤ・ワタナベは、ロエベとコラボしました。仕掛けたのはロエベのクリエイティブ・ディレクター、スチュアート・ヴィヴァースさん。デザイナーズブランド同士のコラボレーションです。ジュンヤのショーは、レザー、ツイード、デニムを組み合わせ、得意なライダーズジャケットをベースにしたドレス、コートにコラボバッグをコーディネイト。他にもクロコやナッパのショルダーバッグなども登場しました。JUNYA...
萩原輝美|エルメス、ハイダー・アッカーマンが打ち立てる揺るぎないスタイル
萩原輝美のファッション・デイズ vol.82エルメス、ハイダー・アッカーマンが打ち立てる揺るぎないスタイルエルメスとハイダー・アッカーマン。趣向は違えど、トレンドに左右されることなく、確固たるスタイルを貫く点において、両者は似ている。ふたつのブランドがみせるこの秋冬のスタイルとは?Text by HAGIWARA Terumi成熟の大人服と、永遠のエルメススタイルまったくブレずに自身のスタイルを貫いて確立しているのが、ハイダー・アッカーマンです。ロングレングスの組み合わせが得意で、太いレザーベルトや共布でブラウジングさせる着こなしはカスタマイズされた服のようにみえます。13-14年秋冬ではベルトを使うことなくウエストをしぼり、ストンと落としたシルエットが中心。黒白をミックスしたようなヘリンボーンや千鳥格子はこの秋一番のトレンド素材です。ツイードも、流れるドレープや光るサテンとの組み合わせで、凛とした表情を見せます。一見、着こなしが難しそうに見えますが、細い部分を強調してコーディネイ...
萩原輝美|大空に花の乱舞 バーバリー プローサムにうっとり
大空に花の乱舞バーバリー プローサムにうっとり2014春夏ロンドンコレクションつぎの春夏トレンドを占うファッションウィーク。はやくもニューヨークからロンドンに場を移し、連日さまざまなブランドの最新ルックが発表されている。ロンドンといえば目玉はなんといってもバーバリー プローサムだ。Text by HAGIWARA Terumi雨上がりのガーデンに咲く香るようなキャットウォーク2014春夏ロンドンコレクションが始まりました。毎シーズン新人デザイナーがデビューすることで話題のロンドンですが、その一方で老舗のロンドンもしっかりと根付いています。そのひとつがバーバリー プローサム。英国ファッション協議会(BFC)が主催するロンドンコレクションのメインブランドとして欠かせないものになっています。<p>Your browser does not support iframes</p>会場はいつもと同じ、ケンジントンガーデンの特設ガラス張りテントです。ショーが始まる直前、...
萩原輝美|異能のふたり 「Hanae Mori」天津憂×「ドレスキャンプ」岩谷俊和
萩原輝美のファッションデイズvol.116異能のふたり「Hanae Mori designed by Yu Amatsu」天津憂x「ドレスキャンプ」岩谷俊和東京でも若いデザイナーが相次いでいます。そのひとり、天津憂さんがあのハナヱ・モリブランド一新させました。たっぷりとした量感を泳がせたパステルカラーのドレス、春が待ち遠しくなってきました。Text by Hagiwara Terumi春は淡色、量感泳ぐスウィングドレス東京にも新デザイナー起用によって生まれ変わったブランドがあります。「Hanae Mori designed by Yu Amatsu」。天津憂さんがデザイナーとして抜擢されました。そのデビューコレクションは、マリエを思わせるクチュールテイストの白いロングドレスから始まりました。レースやインディゴブルーに蝶プリントのアンサンブルなど、ブランドのアイコンとトレンドモチーフが重なった軽い仕上がりの服です。ドレスの他はスーツでなくブラウスやスカートが目立ちます。オーガンジーの...
萩原輝美|ファキネッティのファーストコレクション、トッズ 老舗ブルーノ・マリが若返り
萩原輝美のファッション・デイズ vol.96ファキネッティのファーストコレクション、トッズ老舗ブルーノ・マリーが若返りイタリアの靴ブランドが新クリエイティブ・ディレクターを迎えてトータルブランドに進化しました。Text by HAGIWARA Terumiパンチングレザーにメッシュ。春夏のレザーアイテムに注目パステルカラー、白黒バイカラーがおしゃれですこの春、トッズはプレタ・ポルテとともにバッグ、靴が店頭に並びます。クリエイティブ・ディレクターに抜擢されたのは、グッチをデザインしたこともある人気デザイナー、アレッサンドラ・ファキネッティ。9月のミラノコレクションでは小さなショーが披露されました。TOD’S|トッズ 2014年春夏コレクション白、グレー、黒、ボルドーにピンク。色を絞り、素材とシルエットで見せるコーディネイトはエレガンス。コットンにパンチングレザーの組み合わせがリアルです。開衿シャツにエンブロイダリーのついたフレアースカート、イントレチャートのレザージャケットにバルーン...
萩原輝美|ディオールの、クチュール技忍ばせた至極のエレガンス
萩原輝美のファッション・デイズ vol.97ディオールの、クチュール技忍ばせた至極のエレガンス2014年春夏オートクチュールはディオールで幕明けました。60年代のクチュールサロンを模した白い空間に登場したのは繊細なクチュール技で作られた真白いドレスです。Text by HAGIWARA Terumi揺りめくる花のドレス2014年春夏オートクチュールコレクション。ディオールの繊細な白いコレクションで始まりました。60年代のクチュールサロンをイメージした会場はいつもより小さく、白いキューブをつないだインテリア。どの席からも目の前で作品が見られるように設えています。何枚も重ねたシルクオーガンザのドレスはフレアーたっぷりのアシンメトリーヘムが歩くたびに揺れます。背中を覆うトレーンは風をはらんで優しく膨らみます。Dior|ディオール 2014年春夏オートクチュールコレクション大空に飛び立ちそうな軽やかなドレスには、クチュール技が奥深く潜んでいます。重なるオーガンザをカットワークし、花びらのよ...
萩原輝美|ヴィクター&ロルフの踊るスーツ、シャネルのスポーティークチュール
原輝美のファッション・デイズ vol.98ヴィクター&ロルフの踊るスーツシャネルのスポーティークチュールトランスペアレンスに眩しく光るシルクラメ。ヌーディーなボディとスタイルは、軽快に着こなします。Text by HAGIWARA Terumiリボン、レースを重ねたミニマムなボディドレスオートクチュールコレクションに戻って2回目のコレクションとなったヴィクター&ロルフ。今シーズンもアイデア満載の楽しいステージを仕掛けました。足元だけを覗かせて幕を下ろしたステージにはバレリーナのトゥシューズが並びます。つま先立ちのモデルがひとりずつ操り人形よろしく登場します。ラテックスをふんだんに使ったミニマムなドレスは、どこまでがボディでどこまでが服なのかわからないほどにヌーディーな仕上がり。つま先立ちの優雅な動きが、半透明のボディを優しく描き上げます。身体と服が重なり溶け込んでしまったコレクションでした。VIKTOR & ROLF|ヴィクター&ロルフ 2014年春夏オートクチュー...
萩原輝美|バーバリー プローサムが描く“ブルームズベリー・ガールズ”
萩原輝美のファッション・デイズ vol.99テーマは「ブルームズベリー・ガールズ」14-15秋冬バーバリー プローサムクラシックな英国をモダンに甦らせたクリストファー・ベイリー。優しいドレスにトレンチコート、コントラストなスタイリングが光ります。Text by HAGIWARA Terumiスモーキーパステルのハンドプリントが、強くて優しいコレクション2014-15秋冬ロンドンコレクションです。バーバリー プローサムから、ロンドン橋、ビッグベンなどロンドンのシンボルが飛び出す絵本風の切り絵になったインビテーションが届きました。これがテーマ!? そう、バーバリー プローサムはこのシンボルの中にいるのです。14時スタート。コレクションはベージュにブルー、グリーンにピンク。すべてがスモーキーなウインターパステルです。こどもの絵のようなハンドペインティングで咲きこぼれる花やグラフィック柄が続きます。プリントの揺れるスカートにはカチっとしたトレンチやムートンを合わせ、大判スカーフが流れます。...
萩原輝美|若返ったルイ・ヴィトン、エルメスのほっと幸せなクチュール服
萩原輝美のファッション・デイズ vol.100リアル&シンプル 若返ったルイ・ヴィトン ニコラ・ジェスキエールのデビューコレクションほっと幸せなクチュール服クリストフ・ルメールのエルメス2014-15秋冬コレクションが出揃いました。色、フォルムにこだわったスタイリングが気になるシーズンです。Text by HAGIWARA Terumiリアリティと技へのこだわりその両方が交差して作り上げるモダンクチュール服2014-15秋冬コレクションサーキットも終盤です。今シーズンはリアル&シンプル。すっきりシンプルなドレスやコートのコーディネイトがたくさん登場しています。もちろんクオリティと技にこだわる、ただのシンプル服ではないのですが……。パリ最終日のルイ・ヴィトン。ニコラ・ジェスキエールのデビューコレクションに胸躍らせてコレクション会場へ。ルーブルの中の特設テントです。グレイの巨大な建物。くねくねと曲がったキャットウォークステージを客席が囲みます。ほどなく、四方のブラインドが上がり光が射し...
萩原輝美|絶妙なスタイルを見せたディオール、シャネルの世界一おしゃれなスーパ-マーケット
萩原輝美のファッション・デイズ vol.101モダンでシンプル絶妙なスタイルを見せたディオールラグジュアリーなリアルモード世界一おしゃれなスーパ-マーケット服──シャネルコートのバリエーションが充実した14-15秋冬コレクション。インナーとのコーディネイトがポイントです。Text by HAGIWARA Terumi技を隠し、さりげなく仕上げるクチュールとプレタが大接近!ディオールのコレクション。毎度のことながら会場のロダン美術館の前は大勢の警官による厳重な通行規制があり、マダムたちの矯声飛び交うお祭り騒ぎです。中に入ると場内は一転、静けさに包まれます。今シーズンのラフ・シモンズはさりげなさの中に技を入れ、今までのムッシュー・ディオールの呪縛からすっと抜けたようなコレクションを披露しました。Dior|ディオール 2014-15年秋冬コレクション色合いも特徴的なドレスの重ね着サイドにほどこされたレースアップショー会場のようす今までディオールになかったメンズのテーラリングからのアプロー...