萩原輝美|「ディオール」ラフ・シモンズ、「サンローラン」エディ・スリマンの2シーズン目に注目
萩原輝美のファッション・デイズ vol.77
ウォーホルにマグリット、アーティストたちの饗宴 ディオール
先シーズン、ふたつのビッグメゾンのデザイナー交代劇がファッション界の話題を独占したことは記憶にあたらしい。「ディオール」のラフ・シモンズと、「サンローラン」のエディ・スリマン。ふたりにとって2シーズン目となる2013-14年秋冬コレクションが、パリで発表された。
Text by HAGIWARA Terumi
ロックに乗った小悪魔ガール エディ・スリマン炸裂
ラフ・シモンズがデザインするプレタ・ポルテ2シーズン目のディオール。会場に入ると銀色に輝く大きな気球が並んでいます。広がる青い空に白い雲。そう、シュールレアリスムの巨匠ルネ・マグリットの世界です。モデルが登場するたびに青い空を歩く姿が気球に映し出されます。ドレスにはアンディ・ウォーホルが描いた女性の顔や目がプリントされています。
ムッシュ・ディオールがパリに出てはじめに就いた仕事が画廊のキューレターでした。そこでたくさんのアーティストたちに刺激されながら、美意識を磨いたのです。コレクションにはムッシュが愛した、ハウンドトゥースのドレスやバージャケットも登場。プリントバッグに、まつげや爪のリングなど、ユーモラスなアクセサリーもコレクションに加わりました。
ロックのリズムでアイラインくっきりの少女が闊歩したのは、エディ・スリマンがデザインするサンローランです。ミニスカートに網タイツ、ライディングブーツを合わせています。白襟のミニドレスもどきっとする小悪魔のイメージ。スモーキングジャケットやライダーズブルゾンもぐっと若返りました。エディ・スリマンの世界を炸裂させたコレクションです。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/