萩原輝美|妖しくもモダンなルイ・ヴィトンのクラシックランジェリー
萩原輝美のファッション・デイズ vol.78
妖しくもモダンなルイ・ヴィトンのクラシックランジェリー
趣向を凝らした演出も話題のLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)コレクションをレポート。ネクストトレンドの鍵を握る、マーク・ジェイコブスのあらたな提案とは? 映画『黒衣の花嫁』からインスピレーションを受けたプレフォールラインにも注目を。
Text by HAGIWARA Terumi
舞台は5ツ星ホテル、50の部屋と50の物語
パリコレ最終日の朝はいつも緊張します。
AM10:00。遅刻厳禁のルイ・ヴィトンコレクションです。
ルーブル美術館に入り特設テントに入るときから、ドキドキが始まります。今シーズンは普通の白い外装。中に入ると丸い回廊がつながっています。回廊中に連なる50の扉。そう、ここは5ツ星のホテルの廊下です。
ドアが開き、モデルが登場します。ヴィトンの大きなトランクが置いてある部屋。ベッドの上でストッキングをはくモデルの映像が流れています。それぞれの部屋には、そこに居る女性のそれぞれの物語があるのです。
スパンコールのコートやスーツにクラッチバッグを持つ女。ランジェリードレスやパジャマスーツにファーコートを羽織る女。60年代風ウィッグにプラットフォームの靴がけだるさを漂わせていました。
東京に戻って発表されたヴィトンのプレ・フォールコレクションは映画『黒衣の花嫁』のジャンヌ・モローのイメージです。清楚で妖艶なレースのミニマルドレスやスパンコールのスーツ。黒×ネイビーブルー(パリジェンヌの大好きな色)のバッグやアクセサリー。いずれもパリのピュアモードです。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/