FASHION /
WOMEN
2015年2月9日
萩原輝美|来季の裏テーマは“ジャポニズム”
萩原輝美のファッション・デイズ vol.69
ロング&リーンなシルエットに忍ぶ、クチュールの技!
来季の裏テーマは“ジャポニズム”
9月、10月におこなわれたミラノ、パリコレクションで多く見られたトレンドのひとつ、「ロング&リーン」なシルエット。じつはここには隠された技が……来季の裏テーマがここで見えてきました。
Text by HAGIWARA Terumi
一見しただけでは分からない立体裁断のテクニック
2013年春夏ミラノ・パリコレクションで登場したのは、ストンと切り落としたシンプルなラインです。ダーツや切り替えのないミニマリズムドレスは、キモノスタイルにも見られます。この直線ライン。じつはしたたかなクチュールの技が忍び込んでいました。布地をバイアスに裁ち、脇線をずらしボディに添わせる。平面的に見える立体裁断です。
ランバンのコレクションはバイカラーを中心に、テーラードスーツ、アシンメトリードレスを並べました。得意のリボンは帯の役割を果たし、着物の半襟のようにも見えます。香水のボトルバッグがキュートです。
アクアブルー、白、黒、ヌードカラーだけのシンプルで潔いコレクションを披露したのはジバンシィ バイ リカルド ティッシです。直線の中におかれたラッフルがエレガンスを演出します。丸みを帯びた肩、はりだした袖は、裃のようにも見えます。
2013春夏の裏テーマは、ジャポニズムになりそうです。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/