萩原輝美|イザベル・マランの東京初の路面店がオープン! デザイナーインタビュー
萩原輝美のファッション・デイズ vol.63
東京初の路面店がオープン&デザイナー来日記念
イザベル・マランへのインタビュー
イザベル・マラン。デビューして18年になるデザイナーです。ジュエリーとアクセサリーのコレクションからはじまり、いまではパリ・コレクションの常連。パリをはじめ、ニューヨーク、香港にも直営店を持ち、8月、初の東京店を表参道にオープン。オープン記念に来日したイザベル・マランに聞きました。
Text by HAGIWARA TerumiPhotographs by KADOI Tomo
“スタイルを発表して、それをみんなに着てもらうことが使命”
萩原輝美(以下、萩原) 若いひとたちのトレンド離れが言われるこのごろ。パリ・コレクションで発表している意味は?
イザベル・マラン(以下、マラン) ファッション・デザイナーの使命だからです。私はデザイナーという職業が大好きで、自分のスタイルを発表すること、それをエンドユーザーに着てもらうこと、そのすべてがデザイナーの仕事だと思っています。
萩原 「ふつうの女の子」がターゲットだそうですね。そのリアリティとコレクションラインとのちがいは意識されていますか?
マラン いいえ、トレンドを牽引しているハイ・ブランドはイメージ優先かもしれません。でも「あれ、着たい!」とすぐに購入できる服が、私のコレクションラインです。
萩原 最近、その陰りも指摘されているファストファッションについてはどう思いますか?
マラン デザイナー自身がかかわっているものは良いと思うけれど、コピー商品はどうでしょうね。かつて服に合わせてスニーカーを作ったらとても売れました。すると、そのスニーカーだけをコピーし安く売られたのです。私のスタイルの意味が解らず、スニーカーだけがひとり歩きするのは残念ですね。
萩原 休日はご家族と過ごされるのですか?
マラン 毎週末過ごす郊外の家で、9歳になる息子と遊んだり、料理したりと、ええ、ふつうに過ごしています。
萩原 10年後はどうしていると思いますか?
マラン いまと変わらない。コレクションを発表しつづけているでしょうね。
インタビューは表参道のショップでおこなわれました。一軒家をイメージした内装のデザイン。世界各地の店舗はその都市に合わせたデザインで、すべて異なるとか。「全部おなじだと飽きちゃうでしょ!」と笑っていました。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/