FASHION /
WOMEN
2015年2月2日
妖艶さと可憐さと。森の中で紡がれるクチュールの物語
萩原輝美のファッション・デイズ vol.74
妖艶さと可憐さと。森の中で紡がれるクチュールの物語
緑を感じさせるガーデンや森――2013年1月パリで開催された春夏オートクチュールコレクションでは、演出やテーマにもひとつのトレンドがあった。
Text by HAGIWARA Terumi
ガーデンを設えたシャネル、シークレット・ガーデンをテーマにしたヴァレンティノ
2013年春夏オートクチュール会場は、たくさんのデザイナーがガーデンを設えました。
荘厳なグラン・パレの広い会場を木で覆い、砂を敷き詰めたシャネル。ステージから登場したモデルは白、黒、バイカラーのドレスにレースのレギンスを合わせます。デザイナーのカール・ラガフェルドがフレーム・ショルダーと呼ぶボートネックのように肩にかかる切り替えが特徴です。
Iラインのドレス、ソワレにはポピー、マーガレットなど可憐な花の刺しゅうやプリント、レースで飾りました。黒いアイラインと強いアイメークは妖艶な森の妖精を思わせます。
ヴァレンティノは「シークレット・ガーデン」をテーマにコレクションを発表しました。繊細で優しいだけではない。太いコードでグラフィカルな刺しゅうをほどこしたドレスは、強くてモダンな印象です。シンプルなデザインなのにオーガンジーを何枚も重ね、レース、刺しゅうを使いつぎつぎ繰り出す技のバリエーションはクチュールの魅力満載です。ブラウン、黒、白のコントラストの強いレースのドレスが印象的です。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/