土田

真夏のシャンパーニュ。ゴクっといきたい必須条件とは?
猛暑日がひたすら続く今年の夏、乾いた喉を潤すシャンパーニュに求められるのは、重厚な味わいよりもキリッと脳を刺激する鋭角な酸味とフレッシュな果実感がもたらす爽やかさである。そんな心と身体の渇きを両面から満たすのが、260年の歴史を持つ老舗シャンパーニュメゾン「Lanson(ランソン)」だ。「A Fresh Touch of Love(フレッシュな愛のひとさじ)」というブランドコンセプトが示すように、ランソンが追求するのは、まさに猛暑にふさわしい“極上のスッキリ感”。その秘密は、他のメゾンとは一線を画す独自の醸造哲学にある。

時計が紡ぐ航空史への讃歌|ブレゲ タイプ XX 2075に込められた人類の挑戦
1930年9月1日から2日にかけて、パリからニューヨークへの大西洋横断無着陸飛行を世界で初めて成功させた「ブレゲXIXスーパービドン」。その機体に使われたアルミニウムを文字盤に採用し、70年前に実在したゴールド製「タイプXX」を現代に復活させた特別なクロノグラフが誕生した。ブレゲゴールドのケースに宿る航空史への壮大なオマージュと、手巻きムーブメントが奏でる純粋なクロノグラフ体験。時計製造と航空技術、二つの革新が交差する地点に生まれた記念碑的作品を紐解く。

「屋形船」×ミシュラン星付き「鮨」。究極のハイブリッド「鮨 おりがみ」を体験
平安時代に原型が生まれたとされる「屋形船」と、職人の技が光る極上の「江戸前鮨」。このふたつが融合した至極の体験を提供するのが、2025年6月に運航を開始した屋形船「鮨 おりがみ」である。

美食の聖地・カタルーニャが「世界ガストロノミー地域2025」に選出
カタルーニャと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、その豊かな食文化である。スペイン北東部に位置、北側はピレネー山脈でフランスと国境を接し、東側には地中海が広がるカタルーニャの面積は約32,000平方キロメートル。日本の関東地方ほどの大きさの州の中で、首都マドリードに次ぐ第2の都市バルセロナを有している。そのカタルーニャが今、力を入れているのが、ガストロノミー・ツーリズムだ。ミシュランの星を持つレストランは62軒。そのポテンシャルを証明するかのように、国際ガストロノミー・文化・観光協会(IGCAT)が選定する「世界ガストロノミー地域(World Region of Gastronomy) 2025」に選出されたのだ。

選択の時代に突入したラグジュアリーウオッチ
時計界はここ数年、小径化の流れに乗っていた。ところが2025年、時計業界に興味深い逆張りが現れている。TUDORとHUBLOTが相次いで発表した新作は、従来のサイズトレンドとは一線を画す特異な動きを見せているのだ。注目すべきは、昨今のトレンドである小径化とは真逆の、既存デザインの大型化である。しかも、それは安易なサイズアップではない。むしろ技術革新に裏打ちされた、本質的なデザインの再構築なのである。

21世紀の逆転劇。新興ブランド「ルイ モネ」が、世界のビリオネアに支持される理由
2004年創設の新興ブランドが、なぜ世界のビリオネアたちに選ばれているのか。その答えは、200年の時を超えた奇跡的な復活劇にある。忘れ去られた天才時計師の再発見から始まり、ギネス認定という歴史的快挙、そして王侯貴族、米大統領が愛した確固たる系譜──そこには新興ブランドの常識を覆す、絶体的価値があった。

反転する美学。ジャガー・ルクルト「レベルソ」
時を告げる道具としての腕時計が実用の域を超え、美学と職人技の結晶としての価値が見直される現代。スマートフォンやスマートウォッチが時刻確認の主役となった今だからこそ、機械式時計の存在意義が改めて問われている。その答えとなり得る存在の一つが、ジャガー・ルクルトの「レベルソ」だ。

トスカーナの鬼才、その息子が語る “手仕事のワイン”の価値とは?
イタリア・トスカーナの新進気鋭ワイナリー、TENUTA DI TRINORO(テヌータ・ディ・トリノーロ)の新オーナー、ベンジャミン・フランケッティ氏(創業者の息子)が2024年初冬に来日。トスカーナのなかでも伝統産地から遠く離れた場所で、40年にわたり追求してきた“手仕事のワイン”について語った。

「ととのい」を科学する ─ カシオが挑んだ“ニーズからスタートする製品開発”
2024年12月2日正午、カシオ計算機が設定したクラウドファンディング開始からわずか9分。2300個分の支援受付枠は即刻完売となった。「サ時計」と名付けられたこの新製品は、サウナに特化した機能を持つアナログ腕時計だ。

短期連載3 タヒチ最大の祭典「ヘイヴァ」で、とことんポリネシア文化に浸る!
タヒチでは、毎年7月に、タヒチ最大のお祭り「ヘイヴァ・イ・タヒチ(HEIVA I TAHITI)」(以下、「ヘイヴァ」)が開催されます。タヒチを挙げて、ポリネシアの伝統を祝い伝える祭典で、期間中はポリネシア音楽やスポーツのイベントなど、連日さまざまな催しが行われ、この時期はタヒチの島々全体にはお祭りムードが漂います。

短期連載2 憧れの水上バンガローはおひとりさまにも極楽♡
タヒチ(フランス領ポリネシア)っていったら、そりゃあなた、水上バンガローでしょう? でも、ひとりで泊まるのはちょっと寂しすぎません? 今あなた、そう思いましたよね? わかります。筆者もそう思っていましたから。でもね、水上バンガローはおひとりさまステイでも最高! ロマンチック上等です。

短期連載1 ハネムーナーじゃなくても楽しい! タヒチは懐の広いプリミティブな「楽園」
2024年夏、タヒチ観光局とハワイアン航空主催のプレスツアーで初めてタヒチを旅しました。その模様を3回にわたってレポートします。

いざコロナ後のハワイへ
ハワイは多くの日本人にとって特別な場所。でも円安と物価高のダブルパンチで、「もう一生、海外旅行に行ける気がしない」という声もよく耳にします。ええ、わかります、わかりますとも。仕事、そしてプライベートで、コロナ後、何度か欧米に渡航している筆者。欧米から日本に戻ってくると、「日本ってなんて物価が安いの!」と小金持ちになった錯覚に陥り、財布の紐が緩んでしまいます。危険、危険(笑)。

シャンパーニュの新たな味わいは“触覚“にある
嗅覚と味覚で評価するのが当たり前だったワインテイスティング。その常識を覆す革新的な手法が、シャンパーニュの名門メゾン マムから提案された。触覚を活用した新しいテイスティング手法「テイスティング エンカウンター オデッセイ」は、シャンパーニュの味わいに新たな扉を開く。

「Cubitus」を通じて先読む、25年先の未来
25年という時間は、日本では「四半世紀」という表現で、懐かしさを伴った長い時間の尺度として表現されることがある。とはいえ、この尺度も加速度的に変化、多様化する現代の消費マーケットのなかで、どれほどの意味を持つものなのか。それほどに長い時間を経て、パテック フィリップが新作を市場へと送り込んだことを、OPENERSでは“事件”と呼ぶことにしたい。昨今、高級時計業界では年に一度の新作発表が常識とされ、さらには季節ごとのカプセルコレクションが追加されることも珍しくない。その慌ただしい新作ラッシュの中で、パテック フィリップだけが、1999年発表の「Twenty~4」以来、実に四半世紀もの間、新コレクションを発表せず、沈黙を続けてきたのである。メンズウオッチならさらに2年長く、「アクアノート」のリリースから実に27々ぶりとなる。