NOOKA マシュー・ワォルドマンが時々思うこと
「NOOKA マシュー・ワォルドマンが時々思うこと」に関する記事
連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.19 My Music 2010
ベストアルバムを“3つのキイワード”で表現My Music 2010もう2011年も2ヵ月が経とうとしていて、遅れているといえば遅れているけれど、2010年は音楽的にはいい年でした。文・写真=マシュー・ワォルドマン好みの音楽がたくさんリリースされて、退屈な瞬間がなかった!よくあるパターンはトップ10リストだけど、いいものがあまりに多くて、しかたなく13アルバムに編集してみました。一番好きな曲はDeerhunterのアルバム『Halcyon Digest』の「Desire Lines」だったけれど、アルバム全体としては、下記のリストには残念ながら落選。今回は長い評論は書かずに、3つのキイワードだけで表現してみました。僕のデザインセンスが好みなら、気に入ってくれるでしょうか? もちろん『Nooka Lab』で2010年によく流れていたサウンドトラックであることはいうまでもありません。1. Minitel Rose 『Atlantique』キイワード=積極的/エレクトロニック/楽しい2....
連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.20 「I LOVE JAPAN MORE THAN EVER がんばれ日本」
「I LOVE JAPAN MORE THAN EVER がんばれ日本」3月31日の夜、ブルックリンの『GRAPHITE GALLERY』で、“I LOVE JAPAN MORE THAN EVER がんばれ日本”というイベントに参加しました。文=マシュー・ワォルドマンがんばれ日本!!すばらしいことにたったの3時間で、総額で1万5千ドルもの作品がオークションで売れました。すべての売り上げは、日本で活動している非営利団体JHelpに寄付されます。ブルックリン在住のアーティストもたくさん集まって、日本のため、NYCのアートとデザインコミュニティも頑張っています!がんばれ日本!!「I LOVE JAPAN MORE THAN EVER がんばれ日本」Contributing Artists Phoenix / Matthew Waldman / Ryan McGinness / Kenzo Minami / José ParlaTomokazu Matsuyama / Lady Aiko...
連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.21 「日付のない日記」
「日付のない日記」ごぶさたしています!地震と津波のあと、日本だけでなく、なにか世界中が落ち込んだような感じになって、自分のブランドにより力を入れなきゃいけなくなって、あっという間に数ヵ月が過ぎてしまった!! けれど、本当に毎日毎日OPENERSの記事を書きたくて書きたくて、最後には爆発しそうになったから、簡単だけど、でもその爆発のままに書ける記事を書きます。よろしく!文=マシュー・ワォルドマン無料ダウンロードでぜひ聴いてみて!まず音楽業界の友だちのニュース。GHOSTLY RECORDSのアーティスト、オレンジ色が大好きなCOM TRUISE(本名はSeth Haley)が、NOOKA LABに訪ねて来ました。デザイン(本業はまだグラフィックデザインです)と音楽の話をして、オレンジ色の商品をプレゼントしました。その後、彼のあたらしい作品が発表されたので、ぜひ聴いてみて!インストラメンタル・エレクトロですが、彼のダンスミックスもよいですよ。無料ダウンロードはこちらから。http:/...
連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.22 「Pendleton Ward氏にインタビュー」
Vol.22 「Pendleton Ward氏にインタビュー」こんにちは! 今回はアニメ専門チャンネル「Cartoon Network」の人気番組「Adventure Time」の作者であるPendleton Ward氏にインタビューしました。文=マシュー・ワォルドマン僕はあなたの作品の大ファンです!Matthew Waldman(以下、MW) まず、ちょっと自己紹介をしてもらえないでしょうか?Pendleton Ward(以下、PW) 私はテキサス州のサンアントニオで育ちました。若いころから漫画やアニメが好きで、ペンをとれる年齢から、ポストイットにアニメーションを書きはじめました。2005年にCalArts(Walt Disneyが創立した美術大学)のキャラクターアニメーション学科を卒業して、はじめての仕事が「Adventure Time」の原型となるプロジェクトでした。最初の仕事のギャランティでエメラルドのさやとコブラの頭の束のついた剣(!)を、オンラインで購入したのをよく覚え...
NOOKA|連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.31 「マシュー・ワォルドマンのSNS事情~instagram~」
NOOKAのブランドとして、instagramに参加してポスティングしているVol.31 マシュー・ワォルドマンのSNS事情~instagram~ご無沙汰してしまって申し訳ない。もう2月も下旬に差しかかってますが、N.Y.から明けましておめでとう! さて、今回は「instagram」のことについて。Text by Matthew Waldmanハッシュタグの使い方がtwitterよりもよく出来ているよ!2年前から僕の友人はinstagramにハマってて、「マシューはやらないの?」とよく聞かれたんだけど、その当時、僕はFacebook、twitter、tumblrに中毒患者のようにハマっていたのと、それらと比べて、instagramにどんなちがう魅力があるのか疑問だったし、また、instagramのユーザー向けにきっとまたあたらしいサービスが現れるだろうと思っていたので、つい半年前までは参加するのを拒みつづけていたんだけど、でもやっぱりハマってしまった……。ただ僕は、個人的なアカウン...
NOOKA|マシュー・ワォルドマン Vol.33 「アーティスト、Jon Burgermanにインタビュー」
僕たちは時空を行き来するような、最高にかっこいい腕時計をつくる予定!Vol.33 アーティスト、Jon Burgermanにインタビュー辛口なユーモアをふくんだ落書きふうのイラストで評判を得ている、ジョン・バーガーマン(Jon Burgerman)。これまでにも、AdidasやLevi’s、Appleとコラボレーションするなど、その活動は多岐にわたる。彼の作品は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館にも収蔵されている。Text by Matthew Waldman創造的なアイデアをどう作品に昇華させていくかMatthew まずは読者のために、軽く自己紹介してもらえますか?Jon 僕の名前は、ジョン・バーガーマン。イギリス出身のアーティストです。僕は、創造的なアイデアをどう作品に昇華させていくかに焦点をあてて活動をしています。ドローイングやペインティング、アニメーションや即興パフォーマンスなどで発表している作品は、直(じか)にペンで描いているものがほとんどですが、スキャンしてP...
マシュー・ワォルドマン Vol.03 「New Yorker」って?
Vol.03 「New Yorker」って?「I am not an American, I am a New Yorker」とよく言う。僕はニューヨーク市で生まれ育った。自慢で言っているわけじゃなくて、ただ、僕のアイデンティティとなる土地だから。NYC(ニューヨークシティ)という場所は、アメリカにあるという事実から逃れられないことはもちろん分かっているけれど、この状況に僕は板挟みになってしまう。僕はアメリカという自分の国を尊敬していないわけではないけれど、尊敬できないことがちょっと多過ぎるので、NYCでなかったら、僕はきっとアメリカに住んでいられない。だからNYCはアメリカではないという気持ちを昔から抱いていた。これは極端かもしれないけれど、ちゃんと説明しようとすると、ベトナム戦争から現在のイラク侵略までの経緯や、僕の両親、そしてNYCの公共教育の反戦スタンスまで書かなければならず、とても長くなるので省略する。アメリカは広い。僕が住んだことがあるのはNYCと東京だけなので、アメリ...
マシュー・ワォルドマン Vol.04 「New Yorker」って? #02
Vol.04 「New Yorker」って? #02前回お送りした、「Vol.03 New Yorkerって?」。その末文にて予告した、「New Yorkerについての対談」を掲載します。対談相手は──フランク・ナン。台湾生まれの建築家。ハトリ ミホ。東京生まれのミュージシャン。ティナ・ロス。スイス生まれのデザイナー。質問は──A いつNYCを故郷と思った?B いつ自分をニューヨーカーだと気づいた? また何かそのきっかけとなった出来事は?C あなた自身の言葉で、「ニューヨーカー」とは?それではどうぞ。。Frank Nan フランク・ナン台湾生まれの建築家Q いつNYC(ニューヨークシティ)を故郷だと思った?A 1993年に台湾からロサンゼルスのど田舎に移住した当時、僕は16歳だったんだけど、移住してから6カ月目の夏に、はじめてNYCに遊びに行ったとき。凝縮した街のエネルギッシュな部分に元気づけられて、すぐにNYCが僕の故郷になると分かった。そして15年前のその夏からずっとNYCに住...
マシュー・ワォルドマン Vol.05 music issues|2008 round up
Vol.05 music issues|2008 round up僕は音楽オタクなほどではないけれど、映画やテレビに比べてやっぱり音楽が好きだ。僕が7歳の頃にはじめて買ったレコードは、現在も持っている。今聴いてみても懐かしい気持ちが湧き上ってくるというよりは、単純にそのアルバムが好きという理由からだけれど。そのアルバムは、Simon and Garfunkleの「bridge over troubled water」。ちなみにSimon and Garfunkleは偶然にも僕とおなじで、生まれも育ちもニューヨークだし、そのうえじつは僕の母親が高校の同級生だったなんて逸話も……。僕が子供の頃、70年代という時代は、ポップミュージックの全盛期で、ラジオから流れていた曲をよく聴いてたし、60年代の古典的なロックミュージックもひととおり浴びてきたけれど、でもいつも何か新しい音が欲しくて欲しくてどうしようもなかった。デザインとおなじ考え方で、どうしても未来的な音に期待してしまう。そんな時にま...
連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.14 Music Review 2010 Summer
ひと夏のヘビーローテーション・リストVol.14 Music Review 2010 Summer僕はこの夏も、僕自身を吹っ飛ばしてくれたり、少なくとも僕の夏のサウンドトラックになってくれるような曲を探そうと、たくさんの音楽を聴き、吟味し、そして実際に購入してきた。幸運なことに、僕の好みの音楽レーベルは、個人的によく知っているので、発売予定のプレビューサンプルCDを入手することで、僕は自分の感情をいつも特別な状態に維持することができる。下記は、Nookaオフィスで、どの曲がヘビーローテーションでかかっていたかについてのちょっとしたリストだ。文・写真=マシュー・ワォルドマン今回のレビューは組み合わせのたとえがよくできているから、読んで楽しんで!たとえば、下で紹介するMatthew Dearの『Black City』は、どのジャンルにも当てはまらない。絶望的な事件、失恋の感情、善悪の判断のない衝動が住み着いた、想像上の大都市のような代物だ。ほぼすべてのニューヨークを舞台にした文学作品の...
連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.15 ニューヨーク ファッションウィーク
ハロウィンよりも楽しい気持ちでいっぱい!Vol.15 ニューヨーク ファッションウィークこのOPENERSでの連載は毎月欠かさず書くつもりでいるんだけど、今年の夏はあまりにも忙しく、時間がもっとほしい! もう季節もすっかり秋に様変わりしているので、今月はがんばろう。文・写真=マシュー・ワォルドマンAmber Roseが、NOOKAのオフィスを訪ねてきた!そういえば、先々週、ニューヨークではファッションウィークが開催されていた。テントでのショーよりも、VOGUEの「Fashion Night Out(FNO)」のイベントもあり、街中が盛りあがっていて、ちょっと感動した。税関で荷物が止まってしまって、NOOKAのFNOイベントはちょっと残念な結果だったが、じつはミートパッキングエリアのショップ『DDC LAB』で「VENUS」という新作サングラスを発表するはずだった。日本語でいえば「しょうがない!」って感じだったけど、パーティーは街に流れ、広がっていき、ロンドン式の2階建てバスはディス...
連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.23 「Casey Spooner氏にインタビュー」
Vol.23 「Casey Spooner氏にインタビュー」(1)こんにちは! 好評につき、またインタビューでの連載です。今回はアーティストのケーシー・スプーナー(Casey Spooner)に話を聞いてみました。文=マシュー・ワォルドマンアートとエンターテイメントの境界線を軽々と超えてMatthew まず、自己紹介をお願いします。Casey ケーシー・スプーナーです。私はアーティストで、パフォーマーでもあります。もっともよく知られているプロジェクトとしては、友人であるウォーレン・フィッシャーとの「フィッシャースプーナー(Fisherspooner)」でしょうか。このプロジェクトは、アートとエンターテイメントを組み合わせたものといえるでしょう。これをはじめたころは、僕たちは自分たちの活動を純粋にアートプロジェクトとして位置づけていたため、アートの世界のなかで限定しておこなっており、エンターテイメントの世界では、あくまで部外者として活動していました。その後、エンターテイメントへの夢想...
マシュー・ワォルドマン パーソナルQ&A
マシュー・ワォルドマンに聞く、10の質問時計の概念をくつがえすようなデザイン性で、世界的に知られる腕時計ブランド「NOOKA」を手がける、クリエイティブ・ディレクター、マシュー・ワォルドマン。日々感じたことから自身のクリエイティブまでを語る、待望の新連載がスタート。第1回めとなるこんかいはマシュー・ワォルドマンへの10の質問。 聞き手=ヤマダユウ、武井正樹Q 子どものころはどんな子でしたか?すごくおしゃべり。賢くて(笑)、でも気むずかしい子だったと思う。とても繊細で、たとえば、ベトナム戦争のニュースをテレビで観たあと、数年間は悪夢をよく見て、あまり眠れなかった。踏まれた虫を見ても泣き出す子だったね。親には、鉛筆と紙があったら退屈しない子でありがたいといわれた。Q 子どものころの夢は?戦争のない社会。ほかの惑星に行ける技術を身につけること。Q 自分で何かをデザインしたい、と思った最初のきっかけは?人に何か考えさせたいものを作りたいと思ったから。NOOKA|ZIRC WHITE|4万7...
マシュー・ワォルドマン Vol.01 Lost Future City
Vol.1 Lost Future CityForward──前書きデザインやクリエイション、またそれらのプロセスのことで、僕の頭の中はいつもせわしなく回っている。この数年間、取材やインタビュー等でもいつも言っていることだけど、NOOKAでも、また、その他のプロジェクトにおいても、自分の「プロセス」をより深く掘り下げなければいけない、と思う。今回のトピックとは直接関係ないかもしれないが、今はじめたいことは「クリエティブマッピングプロジェクト」。どんな人も「influences(影響, 感化)」、「motivations(自発性, 積極性、動機づけ)」、「inspirations(創造的刺激, 霊感, インスピレーション)」という3つの要素を、潜在的に意識しながらそれぞれの人生を過ごしている。もちろんそのことを意識せず、ただこれらの要素を内面に存在させているだけで人生を過ごす人々もいるのだが……。しかも、この3つの要素は非常に混同しやすい。けれど、自分の中でしっかり理解しようと努めれ...
マシュー・ワォルドマン Vol.02 Bicycle Story
Vol.02 Bicycle Storyまず自分の昔話からスタートしてしまい申し訳ない。もちろん生まれたばかりの頃から、気難しかった訳ではなかったと思うけれど、育った環境の影響で僕は様々なことを困難に感じるようになった。30代から始めたセラピーとヨガのおかげなのか、年齢と経験を重ねると共に大分落ち着いたけれど、一番大きな転機となったのは友人からの一言だった。「Misery is easy, happiness is hard work.(不幸になるのは簡単、幸せになるには努力が必要)」。簡単に言うと、朝起きたときに機嫌が悪いからといって、何もしなければ後味の悪さはずっと続いてしまう。何かアクションを起こさないと、その悪い気分がさらに悪化してしまうかもしれない。自分で自分を幸せにしたいのであれば、ポジティブなことを考えないといけないし、そのためには行動もしなければならない。それを言われた日から、僕の人生は幸せなものへと姿を変えた。僕が自分を幸せにするのは凄く簡単で単純なこと。それは自...