【インタビュー】カリモク × Cul de Sac-JAPONによる青森ヒバの無垢材製BE@RBRICK誕生秘話 | MEDICOM TOY
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2025年5月1日

【インタビュー】カリモク × Cul de Sac-JAPONによる青森ヒバの無垢材製BE@RBRICK誕生秘話 | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

BE@RBRICK カリモク Cul de Sac-JAPON 400%

青森ヒバの特性を活かしたプロダクトを発信するブランド「Cul de Sac-JAPON」。今回、カリモク製 木製BE@RBRICK Cul de Sac-JAPONの400%が、メディコム・トイ直営店舗及びオンラインストア各店及びCul de Sac-JAPON正規取扱い店舗にて発売されることになった。
青森ヒバの無垢材を使い、1品ずつ熟練した職人のハンドメイドで仕上げられた究極の逸品。発売を前に、Cul de Sac-JAPONに同商品の背景について、創業者の村口実姉子さんに話を聞いた。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

ヒバの香りを残すことと、ひび割れ対策で商品化までに約3年の歳月

──2015年に青森ヒバの特性を活かしたプロダクトを発信するブランド「Cul de Sac-JAPON」を立ち上げられて、今年で10周年。まずは立ち上げまでの経緯とブランド名とロゴマークに込められた思いについてお聞かせください。
村口実姉子(以後、村口) 青森ヒバ専門の材木屋で生まれ育った私は、長い間東京でファッション(アパレル)の世界で働いていました。自身のブランドとショップを手掛ける中で、いつしか青森ヒバをデザインしてみようと思うようになり、「ヒバの持つ魅力を広めたい」という思いで2015年にこのブランドを立ち上げました。
ブランド名「Cul de Sac- JAPON / カルデサック ジャポン」は、この青森ヒバのブランドを始める前から自身の洋服を販売していた中目黒の袋小路にある古民家の場所から取っています(カルデサックは、袋小路という意味です)。袋小路とは、物事の終わりに見えますが、そこからまた新しい道を見つけるという意味も込めています。
ロゴマークに使用している7角形は、青森ヒバに多く含まれるヒノキチオールの化学構造式をベースにデザインしています。逆さまに配置したCLは、「真面目にふざける」というブランドコンセプトを意味しています。
──そもそも青森ヒバにはどのような特性があるのでしょうか。
村口 青森ヒバには大きく3つの特性があります。
●抗菌・防カビ・防虫作用
青森ヒバには「ヒノキチオール」「β-ドラブリン」といった天然の抗菌成分が豊富に含まれています。ヒノキチオールは非常に強い抗菌力を持ち、カビや菌の発生を抑える。防虫効果としてシロアリ・ダニ・蚊・ゴキブリなどを寄せ付けにくい性質も。
●芳香性(香り)
香木とも言われるほど香りが強い木で、その香りはリラックス・消臭効果や空間の浄化作用があるとされています。
●耐久性・耐水性
腐りにくく、水や湿気に強いため、神社仏閣などで古くから建物の基礎につかわれています。
木材の使用部分、そこに含まれる成分の効果を考慮し、上記の特性を活かせるようなものづくりにこだわっています。山を守っていくためにも必要な間伐したヒバは、有効成分も少なく建材としては使用が難しいため、デザインによって新たな価値観を見出し、枝や葉っぱに至るまで貴重な資源を大切に使っています。
香りの成分でもある油分が滲み出たり、香りを持続させるためのパッケージ方法や素材の検討。そして化粧品としての商品については薬事法について、輸出の際のSDS(データ安全シート)などこれまでに経験したことのない課題が山盛りでした。
──現在「Cul de Sac-JAPON」は国内・海外でどのような展開をされていますか。
村口 直営店は、ブランドを立ち上げた中目黒の袋小路。そして、地下に工房を構えているWORKS店(恵比寿)の2店舗と自社オンラインストアです。
その他国内では、BEAMS JAPANさんをはじめ約20店舗ぐらいでお取扱いいただいております。海外では、イギリス、オーストラリア、シンガポール、香港など約10カ国での店舗、サウナ、ホテルなどでお取扱い頂いております。
Cul de Sac-WORKS 恵比寿店
──今回発売される「BE@RBRICK カリモク Cul de Sac-JAPON 400%」について、企画のなりたちや仕様、完成した商品の感想をお聞かせください。
村口 メディコム・トイ副社長の須賀泉水さんが私たちのブランドを以前から愛用してくださっていて、それがきっかけで今回お声がけいただきました。ありがたいご縁で実現したプロジェクトになります。もともと泉水さんが私たちの世界観を非常に理解してくださっていたこともあり、自然な形でコラボレーションが進みました。
このプロジェクトの前には、BE@RBRICK WORLD WIDE TOUR 3にも参加させていただき、世界中のアート、ファッション、ストリート、デザインに関わる方々の作品の中に交えて頂けるという機会もいただきました。様々なクリエイターの方々がキャンバスとしてBE@RBRICKに独自の世界観を投影する、「自己主張のメディア」と感じております。
お話をいただいた時は、私たちがお受けできるのかとても不安でしたが、カリモクさんの支えによって助けられました。
商品化までには、3年ほどかかったと思います。集成材ではなく接着層のない無垢材を使用し、青森ヒバの最大の特徴でもある香りを残したいという、かなりの難題をカリモクさんの技術を駆使し実現して頂きました。ひび割れが起きにくい様に少しずつ木材の含水率を調整したり、パッケージした際にどの様な変化が起きるかなど長い時間をかけていただき接着層のない無垢材でのBE@RBRICKが誕生しました。本当にメディコム・トイさん、カリモクさんのおかげで、3社の魅力が引き立つような仕上がりになったと感じています。
──無垢材のBE@RBRICKには「青森ヒバの香りも楽しめるよう、仕上げに商品自体にヒバオイルを塗布しました」とあります。香りも楽しめるんですね。
村口 集成材を使用するとひび割れや関節部分などの歪みや反りなどの心配が少ないのですが、集成材はボンドなどで木を貼り合わせているため、木材の香りが少なくなります。無垢材を使用することによって、1番心配されるひび割れや歪みなどが起きにくいようにしっかりと木材を乾燥させるのですが、それによって木材の香りは薄くなるため、香り足しとしてヒバオイルの仕上げを施しました。 
──最後にこれから「Cul de Sac-JAPON」で企画している商品やポップアップショップなどのイベントについて教えてください。
村口 2025年5月3日(土・祝)、4日(日・祝) WORKS店にてワークショップと、B1Fの工房がショップになる「B1 SHOP」が開催されます。
また、2025年6月12日(木)~8月15日(金)、BEAMS JAPANにてPOP UPも予定しています(渋谷、横浜、新宿、京都 ※店舗によって日程が変わります)。
ぜひ足をお運びください。
BE@RBRICK カリモク Cul de Sac-JAPON 400%
サイズ|全高約280mm
付属品|FRAGRANCE LIQUID同梱
発売日|メディコム・トイ直営店舗及びオンラインストア各店及びCul de Sac-JAPON正規取扱い店舗にて2025年5月1日(木)発売
価格|19万8000円(税込)
※本商品は青森ヒバの香りも楽しめるよう、仕上げに商品自体にヒバオイルを塗布しました。時間の経過とともにひび割れ等の経年劣化が起こる可能性がありますが、自然の変化を楽しむ商品となります事を予めご了承ください。
※数量限定となります。品切れの際はご容赦ください。
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