NOOKA|連載・マシュー・ワォルドマン|Vol.26 「Foursquareの共同創設者にインタビュー」
人気携帯アプリ「Foursquare」の共同創設者
Vol.26 デニス・クラウリーにインタビュー!
僕は、いろいろな肩書きをもっています。主にはデザイナー、ときどきアーティスト、たまに起業家、いつもニューヨーカー、パートタイムで東京人、そして未来派のひと、などなど。だから、言うまでもなく多くの面白い人びとと日々かかわり合っています。そんな個人的なネットワークを駆使して、さまざまな人びとにインタビューをしています。
Text by Matthew Waldman
フォーチュン誌が選ぶ「40歳以下の40人」の一人
デニス・クラウリー(Dennis Crowley)は、人気携帯アプリ「Foursquare(フォースクエア)」の共同創設者です。フォースクエアとは、位置情報に基づいたソーシャル・ネットワーキング・サービスとチェックイン機能、そしてゲームをミックスすることで、利用者が、彼らの周辺の世界を探検することができるようになるアプリです。約2千万人の参加者がいます。
それ以前にも、デニスはもっとも初期の携帯電話用のソーシャル・ネットワーキング・サービスのひとつである「Dodgeball(ドッジボール)」を作り、ドッジボールは2005年にGoogleによって買収されています。
彼は、フォーチュン誌の「40歳以下の40人」に2010年から2年連続で選ばれ、また、ヴァニティ・フェア誌の「ニュー・エスタブリッシュメント・リスト」にも2011年に選ばれています。
さらに、アメリカABCのクイズ番組「Family Feud(クイズ100人に聞きましたのモデルとなった番組)」で、2009年に番組でもっとも難しい「Fast Money」を勝ち取っています。
現在、彼はニューヨーク大学のInteractive Telecommunications Program(ITP)で助教授も務めています。
つぎのソーシャル・ネットワーキングの革命は?
Matthew(以下、M) 僕はインスピレーションとモチベーション、両方の情熱を保つのは非常に難しいと常日頃から思っています。あなたのインスピレーションとモチベーションはどこから来るでしょうか?
Dennis(以下、D) ニューヨークという街は、僕にいつもインスピレーションをくれます! ただ散歩をするだけでも、そしてあたらしいことにチャレンジすることでも、今まで僕が気づかなかったことに気づくのです。僕はニューヨークの地域をまたいで長い散歩をすることが大好きで、その途中でアートギャラリーやショップ、レストランに立ち寄ったりしています。ことにあたらしい経験すること~気がつかなかったことを発見し、画廊やレストランに入ったり。ニューヨークという街のエネルギーで自分のモチベーションを充電してもいます。
M つぎのソーシャル・ネットワーキングの革命は、どのようなものだと思いますか?
D もちろん携帯です。とくに「環境」と「歴史」という概念を意識した携帯デバイスだと思う。たとえば、いま存在するサービス(twitterやfacebookなど)を繋ぎながら「この近所に来たことあるの?」「この人たちと一緒にいたことあるの?」という環境を感知して「知り合いや友だちは近くのカフェにいますよ、電話しましょうか?」という適切な行動へと導くことから、フォースクエアはスタートしています。将来的にはもっとすばらしくなるでしょうね。
M いま一番楽しんでいる、期待しているプロジェクトは何ですか?
D フォースクエアの推薦機能です。2千万人のユーザ情報から、20億以上のチェックインされた場所をデータとしてもっており、そのデータを用いて現実の世界からの推薦機能を制作しています。このプロジェクトの技術と、チームはとてもすばらしい!
M あなたは普段たくさんのインタビューを受けていますね。そんなあなたが聞いて欲しいような質問はありますか?
D 誰からも「私にとって、仕事をしていて一番うれしいこと」を聞かれていないですね(笑)。その答えは、レストランで座っている隣のテーブルのひとや、隣にならんでいるひとが、携帯電話でフォースクエアを利用しているのを見たときです。このアプリを産み出すためにすごく頑張ってきたので、使ってくれている人たちを実際に見るととても酬われた気分になります。
参考リンク|
New York Times(英文)
http://www.nytimes.com/2011/12/18/nyregion/on-sundays-foursquare-co-founder-goes-online-then-out-for-a-walk.html
http://engineering.foursquare.com/2012/03/23/machine-learning-with-large-networks-of-people-and-places/