
DESIGN /
ARCHITECTURE
2025年5月7日
THE GRANDUO MINAMIAOYAMAが提示する、あたらしい贅沢
THE GRANDUO|ザ・グランデュオ
高価なものに囲まれることだけが、ラグジュアリーではない。都市の暮らしにおいて真に贅沢と感じられるのは、思いのままに自分の時間の質を選べることではないだろうか。既製品からオーダーメイドに。高級車メーカーがこぞってビスポークを強調するのは、自分だけのプロダクトが、すなわち特別な体験を提供することに繋がるから。『THE GRANDUO MINAMIAOYAMA』は、そんなモダンなラグジュアリーの価値観でデザインされた都市型の賃貸レジデンスだ。
Text by AOYAMA Tsuzumi|Photographs by THE GRANDUO(FaithNetwork)
東京・南青山一丁目、千代田線「乃木坂」駅から徒歩2分。外苑東通りから奥まった立地に、9階建・全8戸という極めてプライベート性の高い住まいが静かに佇む。設計は、The Magarigawa Clubなどを手がける建築設計事務所「16Architects」の小川達也。コンクリートと植栽、金属が融合するファサードは、都市建築でありながら自然との共鳴を感じさせる。
「都市で暮らすとはどういうことか。そんな問いを自分に課しながら、感覚的な贅沢が静かに息づく住まいを目指しました」と、小川は語る。国内外の富裕層に向けたラグジュアリーな空間づくりの経験が、この物件に活かされている。
『THE GRANDUO MINAMIAOYAMA』の最大の特徴は、各階に1戸のみという構成だ。プライベートエレベーターで直接住戸にアクセスする動線は、共同住宅のストレスを軽減し、同時にセキュリティも高める。日々の暮らしの中で「誰にも会わない」という選択ができることは、都市生活における大きな価値だ。
1フロアを独占できる豊かさ
住戸面積は2〜7階で約140㎡、8階は113㎡、最上階の9階には86㎡の1LDK+専用サウナとテラスが備えられている。すべての住戸が唯一無二の専用設計で、間取りはもちろん、空間の切り替え方や視線の抜け感に至るまで、緻密にデザインされている。
賃貸型のマンションは多くの場合、デザインよりも空間効率を追求する。そのため、それぞれの物件に専用の設計を行うことは少ない。THE GRANDUOはそんな住まいづくりの常識を疑い、あえてこだわりを注ぎ込んだ物件を作り上げる。THE GRANDUOシリーズを展開するフェイスネットワーク代表・蜂谷二郎はいう。
「この規模でも、普通は一住戸一設計(各戸で異なる間取りやデザイン)はやらない。でも、そこに“自分のための空間だ”って感じてもらえる贅沢があると思っているんです」
住宅では希少なサウナつきテラス
最上階の住戸には、プライベートサウナと広々としたテラスが備えられている。都市の中心にいながら、自宅で“整う”というこの贅沢。自分だけの特別な体験こそ、今の時代に求められる豊かな暮らしだ。
じんわりと身体を温めたあと東京の空を眺め、外気に触れながら深呼吸する時間。自分の内側と対話するような静かな体験は、リフレッシュの域を超えている。
テラスは、奥行きが2メートル以上ある緑化バルコニー。床材や植栽の種類も丁寧に選ばれており、裸足で立っても心地よく、季節の風や匂いを感じながら過ごすことができる。
9F。テラスに面するガラス戸は開口部を極端に広くとり、屋内と屋外のシームレスな融合を演出する。テラスのルーフは木材を配し、木漏れ日を浴びるような効果を。上写真奥がサウナの扉。自宅テラスで外気浴ができる贅沢。
日中はコーヒー片手に読書を、夜は静かに東京の夜景を眺めながらグラスを傾ける。自分だけの静かな時間を過ごせる場所が賃貸物件にあることは希少な価値だ。この広々としたテラスがあるルーフトップに象徴される特別な設計が、都心の賃貸物件にあることの意味は小さくない。
見えない快適さを支える「FULNESS」の思想
THE GRANDUOシリーズが掲げるキーワード「FULNESS(フルネス)」は、ただ快適であること以上に、深い充足感を意味する概念だ。『THE GRANDUO MINAMIAOYAMA』ではその考えが、空気・水・光といった目に見えない要素の質にまで行き届く。
空気環境には、ファイテン社によるナノメタックス技術が使われている。壁面にリラックス効果を高めるといわれるナノメタックスコーティングを施し、プロアスリートがコンディショニングに活用するリラックス空間を住まいで実現するという非常にユニークな取り組みだ。
水は全館浄水システム「良水工房」によって整えられており、飲料水はもちろん、シャワーや洗顔の水までもが肌にやさしいクオリティに保たれる。生活のすべてに安心と質感が行き届くことは、日々の小さなストレスを確実に減らしてくれる。
さらに、サーカディアンリズム(体内時計)に基づく照明制御は、時間帯や自然光に合わせて自動的に室内の光を調整する。朝と夜で照度や色温度が変わることで、無意識のうちに心身のリズムが整っていくのを感じるだろう。
空気・水・光のすべてにおいて、自然と“心地よい状態”へと導かれるようテクノロジーを活用。見えない快適さが「FULNESS」という思想の真骨頂だ。
感覚により分割される空間
『THE GRANDUO MINAMIAOYAMA』の空間づくりにある高級感は、感覚の解像度を上げる緻密で繊細な設計がもたらすものだ。
リビングとダイニングの間には、空間の幅いっぱいを使った3段の階段が設けられている。
壁や扉ではなく段差で空間が切り替えられ、視線や過ごし方の変化を自然に生む。気配がつながりながらも、それぞれが自分の時間を過ごせる。都市の住まいにふさわしい、“距離感の設計”だ。
壁や扉ではなく段差で空間が切り替えられ、視線や過ごし方の変化を自然に生む。気配がつながりながらも、それぞれが自分の時間を過ごせる。都市の住まいにふさわしい、“距離感の設計”だ。
「キッチンとダイニングテーブルをひと続きの水平面でつくっているんですが、当然、立って使うキッチンと座って使うテーブルでは、天板の高さが違う。そこで、キッチン側の床を一段だけ下げて、天板の高さを揃えるようにしました」
と、16Architectsの小川は語る。高さを調整することで、空間全体にひと続きのリズムが生まれ、機能と造形が滑らかに融合する。見た目と使い勝手、双方を整えるその発想に、『THE GRANDUO MINAMIAOYAMA』の静かな贅沢が宿っている。
壁面や床、天井の素材にも緩やかなグラデーションが施されている。打ち放しのコンクリートは一見無機質に見えるが、光が当たると微細な表情を浮かべる。そして、木のぬくもりもほどよく配置され、心安らぐ空間演出となっている。
メディア向けに開催された特別内覧会では、The Conran Shopがセレクトしたインテリアアイテムを配置。豊かな空間での暮らしを鮮やかに想起させる室内空間を提案した。(写真上)レザーソファ SEVEN SALOTTI NAVIGLIO 246 N RUBINO NO3 1,760,000円、コーヒーテーブル Ethnicraft Tripod coffee table (参考商品)、チェア Herman Miller Eames Molded Plywood Lounge Chair (参考商品)、フロアライトTALIESIN TM 2 WALNUT 440,000円、クッション他(参考商品)(ザ・コンランショップ 新宿店 03-5322-6600)ほか雑貨類すべて参考商品(NOMAD 03-6407-1073)(写真下)ダイニングチェア GUBI VIOLIN DINING CHAIR 231,000円/脚、VASE他(参考商品)(ザ・コンランショップ 新宿店)ほか雑貨類すべて参考商品(NOMAD)
全住戸にはスマート家電に対応したWi-Fi環境や床暖房、ディスポーザー付きのシステムキッチン、オーブンレンジなどが備えられており、暮らしの実用性と美しさが高次元で融合している。
こうした“あたりまえの水準”を確実に満たしたうえで、そこにしかない感性が積み重ねられている点こそ、本物のラグジュアリーと呼ぶにふさわしい。
自分に寄り添う、あたらしい贅沢
贅沢とは何か。それは多くを持つことではなく、自分にとって心地よいものを選び取り、不要なものから静かに距離を置くことができることかもしれない。
『THE GRANDUO MINAMIAOYAMA』が提案するのは、まさにそのような暮らしの選び方である。 1フロア1住戸という構成、専用設計によって導かれる空間の流れ、都市の中にあってまるで森のように呼吸できるテラス。どれもが、自分の感覚を澄ませ、整えるための静かな舞台となっている。
都心にありながら、人と会わずにエレベーターで住戸へ直行し、サウナで心身を温め、やわらかい光と空気の中で深く息を吐く。そんな時間が、どれほど贅沢なものか。ここでの暮らしは、住まいという機能を超えて、自分の感性とリズムを再びつなぎ直す場になっていく。
設計者の小川はいう。「The Magarigawa Clubのような特殊な場ではなく、都市でどうやって心を整える場を作るかというのが難しい。でも、暮らしの中に同じような感覚を落とし込めたらいいなと思っていて。それが本当の贅沢かもしれないと思っているんです」
その言葉には、都市の喧騒の中に「整いの余地」を探し続ける、建築家としての静かな情熱がにじむ。
あたらしい贅沢とは、他者に誇示するものではなく、自分の内側にそっと寄り添うもの。その静かで豊かな価値を、『THE GRANDUO MINAMIAOYAMA』は静かに、そして確かに伝えてくれる。
THE GRANDUO MINAMIAOYAMA
物件所在| 東京都港区南青山1丁目
アクセス| 東京メトロ千代田線「乃木坂」駅 徒歩2分/東京メトロ日比谷線・都営大江戸線「六本木」駅 徒歩6分/東京メトロ銀座線・半蔵門線・大江戸線「青山一丁目」駅 徒歩8分
構造・規模| 鉄筋コンクリート造・地上9階建
総戸数| 8戸(各階1住戸)
屋内面積| 86.76〜139.55㎡
間取り| 1LDK、1SLDK、1LDK+Sauna
その他| ペット相談可、住居兼事務所不可、屋内駐車場・屋外駐車場あり
物件所在| 東京都港区南青山1丁目
アクセス| 東京メトロ千代田線「乃木坂」駅 徒歩2分/東京メトロ日比谷線・都営大江戸線「六本木」駅 徒歩6分/東京メトロ銀座線・半蔵門線・大江戸線「青山一丁目」駅 徒歩8分
構造・規模| 鉄筋コンクリート造・地上9階建
総戸数| 8戸(各階1住戸)
屋内面積| 86.76〜139.55㎡
間取り| 1LDK、1SLDK、1LDK+Sauna
その他| ペット相談可、住居兼事務所不可、屋内駐車場・屋外駐車場あり
問い合わせ先
THE GRANDUO公式サイト
https://thegranduo.com