スイス時計界の中でも創業以来、一貫してマニュファクチュールブランドとしての歴史を連ねてきた数少ないブランドの一つ。その始まりは、1833年にアントワーヌ・ルクルトが開業した時計部品製造会社を前身としている。時計作りのための工作機械の設計を生業にしていた彼は、次々と時計の高品質化に有益な工作機器を考案して、時計界に多大な影響を与え、さらに自らもムーブメントの製造を手掛けるようになっていく。 1903年、アントワーヌ・ルクルトが残していった時計工房は、クロノメーターの製造を通じて協力関係にあったエドモンド・ジャガーと事業提携を結び、’37年には現社名であるジャガー・ルクルトへと社名を変更。その間にも角型時計の名作「レベルソ」を製作するなど、開発の手を緩めることはなかった。 これまで実に多くのムーブメントを開発しきたジャガー・ルクルトは、現在、1000時間にも及ぶ独自の厳しい検査システムを全モデルに実施するなど、自社の品質を盤石にしたうえで、他社を圧倒する新機構を開発し続けている。2007年現在は、角型時計の「レベルソ」、ラウンド時計「マスター・コントロール」、さらに独自の圧縮キーで防水性を高めた「マスター・コンプレッサー」、2007年に新たに加わえられた「デュオメトル」により、4大ラインを築き上げている。 さらに2007年には、時計界の夢ともいわれた完全メンテナンスフリーを実現した「マスター・コンプレッサー・エクストリーム・ラボ」を発表するなど、その飽くなき開発精神は年々高まるばかり。ジャガー・ルクルトが開発する新機構を、世界中の専門家が固唾を飲んで見守っている状況である。 【創業年】1833年 【創業地】スイス、ル・サンティエ 【主なシリーズ名】レベルソ、マスター、マスター・コンプレッサー、デュオメトル 【問い合わせ先】ジャガー・ルクルト
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Jaeger-LeCoultre|ジャガー・ルクルトケースを裏返すと現れるサヴォアフェール。稀代の芸術作品を秘めた「レベルソ・トリビュート・エナメル」ジャガー・ルクルトは葛飾北斎の浮世絵をはじめ、ほかにも西洋の芸術作品をケースバックに描いた限定モデル「レベルソ・トリビュート・エナメル」を発表。ブランドの稀有なクラフトマンシップを注いだ3モデルを、それぞれ限定8本でリリースした。 Text by YANAKA Tomomi わずか3㎠のスペースに、絵画の世界観を再現エナメル装飾とエングレーブを施した、ジャガー・ルクルト初の試みとなるレベルソが登場した。ベースとなるのは、ジャガー・ルクルトのアイコンであり、象徴的なアールデコ様式が目を引く「レベルソ・クラシック・スモール」。さらに、この限定モデルのためだけに特別に作られた18KWGケースは、額縁としての役割も担い、裏表が調和するよう製作されている。ケースバックの芸術作品に選ばれたのは、葛飾北斎の浮世絵『神奈川沖浪裏』、点描画で有名なジョ...
Jaeger-LeCoultre|ジャガー・ルクルトCasa Fagliano|カーサ・ファリアーノポロ競技を縁に誕生したパートナーシップから2018年、100本の限定モデルが登場スイスのウオッチメーカーの名門ジャガー・ルクルトと、アルゼンチンのブーツブランドの名門カーサ・ファリアーノとのパートナーシップの継続を祝し、「レベルソ・トリビュート・デュオ」に100本の限定モデルが登場する。Text by KOIZUMI Yoko美しい革艶、そして滑らかな手触りカーサ・ファリアーノは1892年、ペドロとジャコミーナ・ファリアーノによって、アルゼンチンのブエノスアイレスで設立されたポロ競技用のブーツブランド。レザー製のブーツは、代々、守り伝えられてきた製造法と道具によって、いまなお職人たちが手作業で作り上げている。もちろんジャガー・ルクルトもポロ競技とは深い縁がある。1931年、イギリス軍将校からの「ポロ競技中にも耐えうる腕時計の開発」という求めに応じて誕生したのが、ケースが反転する仕組み...
Jaeger-LeCoultre|ジャガー・ルクルト本物であること、その安心感をこれからも変わることなく提供していく(1)昨秋、日本初のジャガー・ルクルトの直営ブティックが、東京・銀座の並木通りに誕生した。スイスの多くのブランドが直営店をオープンさせているなかで、ついにジャガー・ルクルトも店舗展開に乗り出す。このインタビューでは、ダニエル・リエドCEOにその意気込みを語ってもらった。Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)時計には哲学ありき。その哲学を発信するのがブティック――日本にはジャガー・ルクルトを古くから扱う時計店が豊富にあるなかで、今一度、直営店を出展する意義を教えてください。マルチブランドの時計店ではむずかしい、ブランド独自のメッセージを発信するためです。ここ最近、お客さまは自分だけのオリジナルモデルを欲する傾向があります。例えば、我々が提供しはじめた「アトリエレベルソ」というサービス。このサービスはカスタマイズという価値を提供するもので、文字...
Jaeger-LeCoultre|ジャガー・ルクルトヒップなレトロ感が際立つマスター・メモボックスブティック・エディションアラーム機能を備えたグランドメゾンのアイコン「メモボックス」が、自動巻きムーブメントを搭載してから60年を迎えている。これを機に、1970年代の実在モデルからデザインの着想を得ると同時に、極めて現代的な解釈を施したブティック限定モデル「マスター・メモボックス ブティック・エディション」が発表された。Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)斬新さ極まるヴィンテージデザインアラーム機能を持つ実用的な機械式腕時計に、自動巻き機構を初めて搭載したのがジャガー・ルクルト。1956年のことである。以降「メモボックス」は絶大な人気を博し、数々の意匠が与えられてきたが、今回、60周年記念モデルのデザインソースとなったのが1971年にリリースされた通称“スノードロップ”だった。1971年にリリースされた通称“スノードロップ”。このモデルからインスパイアさ...
Jaeger-LeCoultre|ジャガー・ルクルトジャガー・ルクルトのフレンド・オブ・メゾンが時計について、俳優業について語るジャガー・ルクルトと映画界とのつながりの深さを示すキーパーソンとして、近年、活動を続けるクライブ・オーウェン氏。その多忙極まる仕事の合間を縫って、OPENERSから投げかけた11項目の質問に答えていただいた。ここではその全容をノーカットで披露する。なお、質問のやり取りは英語によるもので、日本語は編集部が付記したものである。Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)クライヴ・オーウェン氏による11項目のメッセージQ1. For you, what is the work of actors and what kind of actor do your want to be?あなたにとって俳優とはどういう存在ですか? また、あなたはどのような俳優でいたいと思いますか?When I started out as an actor it w...
JAEGER-LECOULTRE|ジャガー・ルクルトジャガー・ルクルト直営店が伊勢丹新宿店にオープン2016年2月24日、伊勢丹新宿店本館4階(ジュエリー&ウォッチ)にて、スイスの名門マニュファクチュール、ジャガー・ルクルトの直営店がリフレッシュオープンする。Text by Hirumax誕生85周年を記念する最新作の「レベルソ」もラインナップ1833年の創業以来、時計製造のすべての工程を一貫して自社で行い、エレガンスと現代的なスピリットを融合した最高峰のタイムピースを作り続けるジャガー・ルクルトは、スイス屈指の名門機械式腕時計ブランドである。2016年2月24日(水)伊勢丹新宿店の本館4階にあるジャガー・ルクルトがリフレッシュオープンする。最新のデザイン・コンセプトに基づき設計されている。また拡大されたスペースは、落ち着きのあるベージュを基調とした壁にマットブラックのラインを配したデザインとなっており、洗練された空間となっている。ジャガー・ルクルトの揺るぎないスタイルとメゾンの精...
JAEGER-LECOULTRE|ジャガー・ルクルト誕生85周年を迎え、定番「レベルソ」がリニューアル(1)ジュネーブサロン初日の夜を飾ったのは、スイス時計界を代表する角形時計「レベルソ」誕生85周年だった。その祝宴の場において、新しい「レベルソ」が発表され、多くの関係者に衝撃を与えた。Text by KAWADA Akinoriケースサイズは3タイプに統一ポロ競技中でも時計の風防を破損する心配のない腕時計という注文に応えて開発されたジャガー・ルクルトの角型モデル「レベルソ」が誕生から85年を迎えた。そのメモリアルイヤーを祝う席上で、ジャガー・ルクルトは「レベルソ」コレクションを大胆に再編成することを発表した。その詳細は関係者に衝撃的ニュースとして受けとめられた。「レベルソ」は定番中の定番であり、人気も高い。それ故に顧客の要望のあらゆる側面に応えてきた。それだけ、サイズや機能のバリエーションが多くなり、選択の幅も広くなるが、コレクションの性格付けや体系が見えにくくなるきらいもあった...
JAEGER-LECOULTRE|ジャガー・ルクルトランデヴーのハイエンドモデルがリリース(1)複雑機構とともに、芸術的な職人技の可能性も同時に追求してきたジャガー・ルクルト。今年の香港でも昨年に引き続き、レディースコレクションとして開発された「ランデヴー」で、あらたな到達点を見せた。Photographs & Text by SHIBUYA Yashihito時を忘れたいレディのために現代女性のために開発され、洗練されたアールデコテイストのデザインが魅力の「ランデヴー」。永久カレンダーからミニッツリピーターまで、さまざまなハイコンプリケーションモデルが発表されてきた。今回リリースされた「ランデヴー・アイビー・シークレット」はレディースコレクションとして、はじめて文字盤を隠せるドレッシーなシークレットウォッチだ。内部には、メゾン自慢の超薄型&小型機械式ムーブメントが時を刻む。アイビー(日本名:セイヨウキヅタ)は鑑賞植物としても栽培されるつる科の常緑植物。どんな崖にでもツルを...