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ART
2020年12月21日
現代美術家・ザイムーンによる、ジュウ渓谷に響く自然の音色とマニュファクチュールのレガシーを表現した「サウンド・メーカー」展|JAEGER-LECOULTRE
JAEGER-LECOULTRE|ジャガー・ルクルト
スイスの現代美術家ザイムーンによる新しいインスタレーションとジャガー・ルクルトの稀少なタイムピースを展示
ジャガー・ルクルトは、ジュウ渓谷に響く美しい自然の音色と、チャイム機能搭載タイムピースが築き上げたレガシーへのオマージュとして、「サウンド・メーカー」展を開催する。ジャガー・ルクルトから依頼を受けたスイスの現代美術家ザイムーンによる新しい「音響彫刻」インスタレーションに加え、歴史的コレクションと現行コレクションの両方から選ばれた希少モデルやユニークなタイムピースの数々、人気の高いメモボックス アラーム時計まで、チャイム機構を備えた時計の進化をたどる。2020年に中国の成都で開催後、2021年には世界各国で巡回展示される予定だ。
Text by OZAKI Sayaka|Edit by TSUCHIDA Takashi
「音の世界」を表現した作品と、マニュファクチュールの稀少なタイムピースを公開
時計製造における“音の芸術”を称えてきたジャガー・ルクルト。そのクリエイティブで文化的な世界を体験できる「THE SOUND MAKER(サウンド・メーカー)」展が、2021年より世界各国で巡回展示される。
本展では、ジャガー・ルクルトのチャイム機構を備えた時計の独特で豊かなレガシーを探求し、ジャガー・ルクルトの本拠地でもあるジュウ渓谷とその渓谷に響く美しい音色と、150年に渡り培われ、現在も時計製造職人に継承される、卓越した革新的技術をオマージュするものだ。
時計と芸術を結ぶ対話を拡大するこの展覧会の中心には、ジャガー・ルクルトから依頼を受けたスイスの現代美術家ザイムーン氏による新しい「音響彫刻」インスタレーションが設置される。
作品の依頼に当たって、ジャガー・ルクルトはザイムーン氏をジュウ渓谷に招待した。そこで彼は渓谷の自然の音に耳を傾け、マニュファクチュールでチャイム機構を備えた時計を製造する専門職人たちと共に過ごし、この体験を通して、マニュファクチュールやその周囲の自然の中にあり、ジャガー・ルクルトの精神に内在するものとして「音の世界」を表現する作品を制作した。
「サウンド・メーカー」と題されたこの作品は、小さなDC モーター、電線、MDFパネル、そして約2000枚の非常に薄い金属ディスクを基材としたもので、実際、これらのディスクはジャガー・ルクルトから入手した時計部品を用いている。電線でモーターに接続されたディスクは、コインが地面に落ちるときのように回転し、摩擦によって非常に複雑な音響効果が生み出され、動きによって表面に小さなきらめきが絶え間なく映し出される。
素材からロマンティックな世界を引き出し、構造と仕組みの複雑なシステムを通じて刺激的な音を作り出す能力において、アーティストであるザイムーン氏とマニュファクチュール、ジャガー・ルクルトの時計職人の作品には、はっきりとした類似性を見ることができる。時計のムーブメントの部品が組み立てられると独自の生命を帯びているように見えるのと同じように、ザイムーン氏が彫刻に組み合わせる工業的に生産された要素は独特な動きを作り出し、ユニークで新しい音と視覚の効果を生み出すのだ。
ザイムーン氏は作品について「金属ディスクを保持する電線は手で曲げているため、それぞれがわずかに異なっており、金属ディスクがそれぞれ違う角度やスピードで回転します。これによって、作品の外観や音響特性に影響を与える複雑な個性が生み出されます。音は非常に複雑で、その微細な構成が常に変化します。川の音のように、同じ音が聴こえることは二度とありません。視覚的にも似たような複雑さが生まれます……水面で見られるような、ちらちらした光が生じます」と語る。
この複雑で心を揺さぶる音と動きのタペストリーが、自然の音や水面に反射する太陽の光といった自然の現象につながり、そしてジャガー・ルクルトの時計職人がこうした渓谷の自然環境と深く結びついていることを、鑑賞者の心に訴求するのだ。
ジャガー・ルクルトCEOを務めるカトリーヌ・レニエ氏は、この作品について「私はまず、柔らかく、癒してくれるような雨の音に魅了されました。さらに近づいてみると、金属の動きに心を奪われました。見る角度を変えることによって異なる感覚が呼び起こされるので、何度も立ち止まって眺め、耳を傾けてみたくなります」と賛辞を寄せた。
この「サウンド・メーカー」展は、ザイムーン氏の作品はもちろん、ジャガー・ルクルトの素晴らしい遺産である歴史的コレクションと現行コレクションの両方から選ばれた希少モデルやユニークなタイムピースの数々、また、初公開となる文書や工芸品も展示され、最も洗練されたミニッツリピーターや複雑なグラン・ソヌリから極めて実用的で人気の高いメモボックス アラーム時計、新しい2020年モデルに至るまで、チャイム機構を備えた時計の進化を辿ることができる。
展示は、最も歴史が古く、歴史的にも重要なルクルトのチャイム機構を備えた時計作品の数々を振り返ることから始まり、このうちのいくつかは今回が初公開となる。そのハイライトとなるのは、ジャガー・ルクルトの世界的な名声を作り上げた技術発明と特許、そして有名時計ブランドにムーブメントを供給したことで“時計メーカーのための時計メーカー”と呼ばれる地位を確立した時代の作品だ。また、チャイム機構を備えた時計の動作方法に隠された秘密、極めて貴重なタイムピースを装飾する稀有な技法を有する職人たちの技が公開される。
現代美術家・ザイムーンによる、ジュウ渓谷に響く自然の音色とマニュファクチュールのレガシーを表現した「サウンドメーカー」展|JAEGER-LECOULTRE
via www.youtube.com
「サウンド・メーカー」展
- 2021年世界巡回予定
問い合わせ先
ジャガー・ルクルト
Tel.0120-79-1833
http://www.jaeger-lecoultre.com