Watches & Wonders 2021新作。世界初の超複雑機構と4つのダイアルを搭載「レベルソ ハイブリス・メカニカ・キャリバー185」|JAEGER-LECOULTRE
WATCH & JEWELRY / WATCH NEWS
2021年5月24日

Watches & Wonders 2021新作。世界初の超複雑機構と4つのダイアルを搭載「レベルソ ハイブリス・メカニカ・キャリバー185」|JAEGER-LECOULTRE

JAEGER-LECOULTRE|ジャガー・ルクルト

数量限定10本。宇宙と地球の時間を表現する「レベルソ ハイブリス・メカニカ キャリバー185」

グランド・メゾンとして名高いジャガー・ルクルトより、4つのダイアルを備え、チャイム機構や天体の動きを示すコンプリケーション、超小型の時計製造という比類なき技を融合した世界初の腕時計「レベルソ ハイブリス・メカニカ・キャリバー185」が、数量限定10本でリリースされた。これまでのレベルソのなかで最も複雑な機構を備えながらも、機能的なデザインで宇宙と地球の時を表現する、類稀なタイムピースだ。

Text by OZAKI Sayaka|Edit by TSUCHIDA Takashi

機械式時計製造の比類なき技と革新で、天文の世界を表現

「レベルソ・ハイブリス・メカニカ・キャリバー185」は、6年以上かけて開発されたジャガー・ルクルトのサヴォアフェール(ノウハウ)の主要な要素と、革新的な新しい天文表示を組み合わせたハイコンプリケーションウオッチだ。本作は、永久カレンダー、ミニッツリピーター、朔望月周期、交点月周期、近点月周期の表示を含む合計11の複雑機構と、超小型の時計製造の比類なき技を融合し、4つの機能的なダイアルを備えた世界初のタイムピース。クレイドル(台座)の内側に3つの月の情報(朔望月周期、交点月周期、近点月周期)の表示を組み込み、世界的な規模で発生する次のスーパームーンや日食、月食などの天文現象を予測できる。
18Kホワイトゴールド製ケースのサイズは、マニュファクチュールの約2世紀に渡る専門知識と、技術革新への完全に現代的なアプローチによって、51.2×31×15ミリに収められている。このケースに搭載されたムーブメントは、本作のために6年の歳月をかけて開発された自社製キャリバー185、通称・クアドリプティックだ。このキャリバーによって連続駆動される世界初のダブルフェイス ケースおよびダブルフェイス クレイドルを備え、ジャガー・ルクルトが特許取得した独創的な機械式機構によって、毎日深夜12時に打ち鳴らす動きで、同期およびアップデートが行われる。
このクアドリプティックの主役のひとつが、ケース表面の7時位置に配されたフライングトゥールビヨンだ。1分間に1回転し、一貫して平均的な計時を保つためにムーブメントの心臓部であるテンプの位置を常に変化させている。テンプは4Hz(毎時28,800振動)のリズムで振動するため、8拍ごとに1秒が経過し、秒が蓄積されていき、分、時、日、週、月、年の表示を行う。表面には、毎月異なる日数でも常に正しい日付を表示する永久カレンダーが取り付けられ、閏年を反映して4年ごとに2月29日を表示する。こうした構造の精度を際立たせる永久カレンダーの表示は、時計が真夜中を打つと瞬時に変更される。
そしてフライングトゥールビヨンのサイズに応じて新しく考案された、高い視認性を備えた日付表示ディスクを5時位置に配し、誰もが日常的に使用する時間表示を表面に網羅。ジャガー・ルクルトのパワフルな主張を見て取ることができる。
ふたつ目の主役は、ジャガー・ルクルトの卓越性を示すチャイム機構だ。リュウズの真上にあるレバーをスライドさせると、クアドリプティックからメロディーが流れる。最初は、時を表す一連の低音。次に、15分を表す交互の高音と低音。そして最後が、15分経過後の分数を示す一連の高音。つまり、一斉に流れる、時-15分-分のチャイム音によって現在時刻を把握できる。このクアドリプティックの傑出したゼンマイ、カム、ハンマー、ゴングの動きは補助ダイアルの時刻表示と一緒に眺めることができ、表面だけでなく、ジャンピングアワーや周辺の分表示とも同じ時刻を示す。
このチャイム機構は、クル・ド・パリ模様のギョーシェ彫りが手作業で施されたムーブメントのプレート開口部から姿を覗かせる。古いアンクル機構が発する雑音であるブザー音を排除するためのサイレント・ストライク・ガバナーや、素材の最適な音響特性を引き出すクリスタルゴング、ゴングにはっきりとした力強いパワーを伝達する連結式のトレビュシェ・ハンマーを備えている。こうした技術革新によって、ジャガー・ルクルトのミニッツリピーターは、大きくクリアな音色のチャイム機構を実現している。さらに、ミニッツリピーター機構の機械的な手順を改良し、従来のチャイム音のグループごとに生じていた無音状態を排除。途切れることのない、卓越した素晴らしい音を実現した。
3つ目の主役は、ジャガー・ルクルトを象徴するコンプリケーションのひとつである恒星時表示(太陽ではなく星を参照して決定される時間のこと)だ。ジャガー・ルクルトは機械式時計の歴史で初めて、月に関する3つの情報(朔望月周期、交点月周期、近点月周期)をひとつの腕時計で表示可能にした。本作のクレイドルの内側に配置された、このユニークなマイクロメカニカルな表示の組み合わせによって、太陽と月の両方の食およびスーパームーンなどの、ごく稀な月の現象を測定することができる。
クレイドルの内側の上半分は、北半球のムーンフェイズを示す。レーザーで刻印された月は、ゴールドの装飾が施された可動式のブルーラッカー仕上げのディスクの動きで、月齢に対応した姿を見せる。なお、従来のムーンフェイズ表示は32.5ヶ月ごとに1日の誤差が発生するが、クアドリプティックのムーンフェイズ表示は、1111年ごとに1回の調整のみという極めて高い精度を誇る。
ムーンフェイズ表示のすぐ下の左側にはカウンターが取り付けられており、3Dの細かい彫刻が施されたピンクゴールド製の太陽の周りを小さな月が回る様子が表現されている。このカウンターは、月の軌道が太陽の周りを回る地球の軌道(黄道)と交差するときを示す、交点月周期を表すものだ。このような交差は各周期で2回発生し、月と太陽のカウンターが水平に並ぶことによって示され、この時、月、地球、太陽はすべて同じ平面上にある。これらの位置が揃い、そして月が新月または満月のいずれかであるという条件を満たす場合、朔望と呼ばれる。この場合、地球上で起こる食は、月が満月である場合は月食、新月である場合は日食となる。ただし、食を実際に観測できるかどうかは、見る側の地理的位置などのさまざまな要因に依存する。
交点月周期カウンターの右側には、エナメルでマイクロペイントされたドーム型の地球が取り付けられており、これを回る偏心軌道上に月が描かれている。このカウンターは変則的な周期を表し、地球と月の間の変化する距離を表示。月が地球からもっとも近くなる近地点で満月を迎える時、通常よりも最大14パーセント大きく見えるスーパームーンが観測される。このように、ウオッチに朔望月周期、交点月周期、近点月周期を表示することは、時計製造の世界で初めてである。後者ふたつの表示は特許によって保護されており、これによって「レベルソ・ハイブリス・メカニカ・キャリバー185」は、天文現象に関するこれらの情報をひとつのウオッチで表現した、唯一の存在といえるのだ。
そして、なんといってもこのウオッチの特徴は究極の4つのダイアルだ。2006年に発表された「レベルソ・ハイブリス・メカニカ・トリプティック」は、クレイドルの内側に3つ目のダイアルを備えていたが、本作では技術革新においてさらなる飛躍を遂げ、クレイドルの外側に南半球のムーンフェイズを表示する4つ目のダイアルを搭載。ほとんどのムーンフェイズは北半球からのものだが、これにより、レベルソの基礎となっている二元性を体現している。ピンクゴールドの月と星がちりばめられ、ブルーのグラデーションでエングレービングおよびラッカー仕上げが施された部品はすべて、ジャガー・ルクルトのメティエ・ラール®工房で製作されたものだ。
この4つのダイアルは、毎日深夜12時になると、レバーがメインケースのムーブメントから伸びてきて、クレイドル(台座)内のコレクターを作動させ、クレイドルの表示を同期。これらを駆動する機構は、厚みを増すような追加のパーツを用いずに、クレイドル自体に直接取り付けられている。こうしたジャガー・ルクルトの卓越した超小型時計製造の専門技術によって、複数の表示と複雑機構を搭載しながらも、最も着用しやすいハイコンプリケーションウオッチのひとつへと導かれている。
また、本作には、使用していない期間があってもすぐにすべてのカレンダーと天文表示を設定できる機構が組み込まれた、専用プレゼンテーションボックスが付属される。ボックスのサイドにある2ポジションのリュウズは、まず、時計が最後に着用されてから経過した日数を設定するために使用される。ウオッチを設定用サポートフレームにセットすると、ボックスの設定用リューズを2番目の位置まで引き出せるようになり、すべてのカレンダーと天文表示を現在の日付に素早く調整可能。全体のプロセスは設定用機構によって制御されているため、修正の過不足やムーブメントの損傷などの心配は不要だ。
本作の開発は6年におよぶ研究と、マニュファクチュールに蓄積された188年の専門技術によって実現された。「レベルソ・ハイブリス・メカニカ・キャリバー185」は、ジャガー・ルクルトが機械式時計製造の頂点を極め、同時に時計に関する知識の限界を革新し続けている証なのだ。

Waches & Wonders 2021新作。世界初の超複雑機構と4つのダイアルを搭載「レベルソ ハイブリス・メカニカ」|JAEGER-LECOULTRE

レベルソ・ハイブリス・メカニカ・キャリバー185

  • Ref.|Q7103420
  • ムーブメント|手巻き(ジャガー・ルクルト製キャリバー185)
  • パワーリザーブ|50時間
  • ケース素材|18KWG
  • ケースサイズ|51.2×31×15mm
  • 機能|フェイス1:時、分、トゥールビヨン(秒表示)、瞬時に表示される永久カレンダー、グランドデイト、日、月、閏年、デイ/ナイト表示、フェイス2:デジタルジャンピングアワー、分、ミニッツリピーター(デッドタイムを防ぐためのシステム付属)、フェイス3:北半球のムーンフェイズ、交点月周期(月の位置)、近点月周期(遠地点および近地点)、月、年、フェイス4:南半球のムーンフェイズ
  • ストラップ素材|アリゲーターレザー
  • 防水|3気圧
  • 価格|135万ユーロ
  • 限定|数量限定10本
問い合わせ先

ジャガー・ルクルト
Tel.0120-79-1833
http://www.jaeger-lecoultre.com