ジャガー・ルクルトの新作「マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・ムーン」｜JAEGER-LECOULTRE

JAEGER-LECOULTRE｜ジャガー・ルクルト

複雑機構・ムーンフェイズとトゥールビヨンを搭載したイノベーティブな新作

ジャガー・ルクルトの「マスター・ウルトラスリム」コレクションに、新たにトゥールビヨン、視認性を高めるジャンピングデイトを搭載し、また両半球のムーンフェイズ表示を実現した新作「マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・ムーン」が加えられた。マニュファクチュールの高度な職人技とデザインコードを継承した優美なウオッチだ。

Text by OZAKI Sayaka｜Edit by TSUCHIDA Takashi

優美なムーンフェイズと精巧なトゥールビヨンを搭載したエレガントなウオッチ

高度な職人技と時代を超越した美しさの融合というマニュファクチュールの哲学を象徴した、ジャガー・ルクルトの「マスター・ウルトラスリム」コレクション。2020年、新作「マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・ムーン」の誕生でさらにこのコレクションが充実した。

本作は、ジャガー・ルクルトを象徴するペリフェラル“ジャンピング”デイトに加え、ジャガー・ルクルトの長い歴史において初めてとなる、貴重な複雑機構・ムーンフェイズとトゥールビヨンを同時搭載。この組み合わせは、新しい自動巻キャリバー983によって実現された。

ジャガー・ルクルトの新作「マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・ムーン」｜JAEGER-LECOULTRE

トゥールビヨンは、19世紀初めに懐中時計の脱進機に重力が及ぼす影響を解消する目的で開発されたもの。これにより精度の向上がもたらされたが、20世紀に入ると懐中時計から腕時計の時代となり、トゥールビヨンはほとんど忘れ去られた存在になっていた。しかし、ジャガー・ルクルトは1946年に精度向上の研究の一環として、トゥールビヨン搭載ムーブメント・キャリバー170を開発。懐中時計に収められたこのムーブメントは、そもそもクロノメーター検定の目的で開発され、1948年にヌーシャテル天文台100周年を記念する精度検定コンクールで優勝し、1950年代にもさらに数回入賞。そして、トゥールビヨンを搭載した腕時計がまだ極めて珍しかった1993年に、ジャガー・ルクルトはキャリバー828を搭載した初のモデルである「レベルソ」を製作し、さらに研究を推し進め、2004年には初の球体型多軸トゥールビヨン「マスター・ジャイロトゥールビヨン 1」の開発に至った。

2009年には、キャリバー978を搭載した「マスター・トゥールビヨン」を発表。この時計は、スイスのル・ロックル時計博物館が主催する国際クロノメーターコンテストで賞を獲得し、それ以来、このキャリバーはジャガー・ルクルトの主要なトゥールビヨン搭載ムーブメントとなっている。さらに、2019年には大幅な見直しが行われ、新たに最高級の仕上げが施された。

ジャガー・ルクルトのエンジニアは、このキャリバー978をベースとして、新しいキャリバー983を開発し、その後にムーンフェイズ、“ジャンピング”デイトというふたつの複雑機構を追加した。さらに本作に搭載されたこの新キャリバーは、2019年に発表された南北両半球の月齢と月相を表示するトリプルムーンフェイズ表示、45時間のパワーリザーブを備えている。

本作のケースには、新しいピンクゴールド合金であるグランド・ローズ®ゴールドを採用。2020年に発表されたこの素材は、極上の光沢と深みのある色合いが特徴で、時間が経過しても極めて退色しにくい性質を併せ持っている。この「マスター・ウルトラスリム」のクラシカルでエレガントなデザインコードを継承したケースはフルポリッシュ仕上げで、面取りが施された細長いラグと美しいベゼルとが調和を見せている。

ダイアルカラーは、ピンクゴールドの温かさを引き立てるエッグシェルホワイト。控えめな背景にムーンフェイズ表示とトゥールビヨンが配され、洗練された雰囲気を際立たせている。さらに、ドーフィン針の形がゴールド仕上げの植字インデックスの細長い矢の形と見事に調和。インデックスの形状はさまざまで、ダイアルの位置にマッチするようにデザインされている。また複数の主要な表示はレッドで強調されており、視認性を高めるとともに控えめなアクセントを添えている。

12時位置の天体を模した複雑機構・ムーンフェイズは、北半球の月相を表示する。ポリッシュ仕上げを施したゴールドディスクの背景には、星が散りばめられたディープブルーの空が描かれ、この空を取り囲むリングは、左側に南半球の月相、右側に月齢がそれぞれ植字されており、いずれも両端が同じ形の針によって指示される。外周の日付表示には、ジャガー・ルクルトを象徴する“ジャンピング”デイト機構を採用。日付の表示針がトゥールビヨンを遮ることがないよう、毎月15日から16日に変わる際には針が 90度ジャンプする。

6時位置には、このウオッチの主役であるトゥールビヨンが配されている。新しいデザインのブリッジはポリッシュ仕上げのピンクゴールド製で、それに固定されたチタン製のトゥールビヨンケージ（構成部品を含めた重量は約0.3グラム）が60秒ごとに1回転し、精密なトゥールビヨンブリッジと幅広の小窓が透明度と明るさを最大限高め、この機構の魅力を際立たせている。

裏側では、オープンワークのトゥールビヨンブリッジが長く、透明度をさらに高める一方、コート・ド・ジュネーブ装飾により、地板にあしらわれたサンレイパターンのストライプが美しく引き立てられている。JLロゴをあしらい、ポリッシュ仕上げの表面とマイクロブラスト加工の表面を組み合わせたオープンワークのピンクゴールド製巻き上げローターにより、ブルースクリュー、サーキュラーグレイン（ペルラージュ装飾）、面取りしたブリッジなどの美しい仕上げを追加で施したムーブメントをはっきりと確認できる。

この「マスター・ウルトラスリム・トゥールビヨン・ムーン」も、ジャガー・ルクルトのあらゆるタイムピースと同様、8年間の保証に加え、時計業界で最も厳格に実施される1000時間コントロール認証を取得している。