H.モーザーは、スイス・シャフハウゼンの近代化に貢献し、同地に時計産業をもたらしたヨハン・ハインリッヒ・モーザーが、1828年にロシアのサンクト・ペテルスブルクにて設立したブランド。 創業者は1829年、ル・ロックルに時計工房を開設し、ロシア、スイスの2つの拠点における時計ビジネスで順調に業績を伸ばすと、’48年にシャフハウゼンへと帰国。’51年にはライン河を利用した水力発電所の建設をスタートし、’53年には鉄道建設に関わる組織の設立と同時に、ウォッチケースの製造工場を開設している。 その後、アメリカ人時計師、フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズが計画していた自身のブランド、IWCの創業に協力するなどしてシャフハウゼンに時計という地場産業をもたらしたことは、時計フリークにとってはあまりに有名な話だろう。 20世紀に入ってもH.モーザーは、ロシアとル・ロックルを拠点に経営を続けるも、1979年に時計界から一時撤退。しかしながら機械式時計の魅力が世界中で再認識され始めた2000年頃からH.モーザーの復活を願う数人の有志による復興プロジェクトがスタート。 独立時計師、アンドレアス・ストレーラーをメインに、きわめて高度な機械式時計の製造を行い、創業者の生誕200年に当たる’06年には特殊な永久カレンダーウォッチ「モーザー パーペチュアル」を始めとした複数の腕時計の開発により、バーゼル・ワールドで再び時計界に復帰。玄人受けするモデルの製造で、一躍世界的名声を取り戻した。 【創業年】1828年 【創業地】ロシア、サンクト・ペテルスブルク 【主なシリーズ名】マユ、モナード、モーザー・パーペチュアル1 【問い合わせ先】イースト・ジャパン Tel.03-3833-9602 公式サイト:http://www.h-moser.com/
H|MOSER & CIE|
H.MOSER & CIE.|H.モーザー環境保全と持続可能な社会の実現をシンボリックに表現した「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」SIHH2019で発表極めて高度な機械式時計の製造で知られるH.モーザーが、環境保全に配慮したサステナブルな社会の発展への取り組みのシンボルとして、スイス原産の鉱物、植物をダイアルやストラップに使用した「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」をSIHH2019で展示した。Text by OZAKI Sayakaマニュファクチュールの庭園で育てられたスイス原産の多肉植物や芝生を使用環境保全に配慮した持続可能な社会を目指すH.モーザーの取り組みのシンボルとして、スイス原産の植物を使用した「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」が、SIHH2019にて2019 年1月14日(月)~17日(木)に展示された。時計のケースやストラップには、シャフハウゼンを拠点とする H.モーザーのマニュファクチュールの庭園で時計職人と職員を含むチーム全員によって育てられたスイス原産の...
H.MOSER & CIE.|H.モーザー複雑機構をシンプルに。ミニマリズムの哲学を表したH.モーザーの新作スイス・シャフハウゼンのマニュファクチュール、H.モーザーが新作「エンデバー・パーペチュアル・カレンダー・ピュリティー・コズミック・グリーン」を発表。複雑なパーペチュアル・カレンダーを搭載しながら、シンプルな美しさを体現したモデルだ。Text by YANAKA Tomomi時間、月、カレンダー、十分な機能を表示した緑の小宇宙複雑機構をシンプルにすること。それが「エンデバー・パーペチュアル・カレンダー・ピュリティー・コズミック・グリーン」の哲学という。その哲学を表すように、ダイアルに複数のサブダイアルや日付ディスクはなく、実にシンプル。ブランドの代名詞"フュメ文字盤"の美しいグラデーションが広がり、ブランドロゴすらない。いや"フュメ文字盤"があれば、ロゴなど必要ないのだ。インデックスは時間を表示するだけではなく、小さなセンター針を通じて月も表示。3時位置の大型日付窓と...
H.MOSER & CIE.|H.モーザーシャフハウゼンの地で育まれたクオリティ重視、誠実なモノづくりを標榜するウェルメイド・ウォッチメーカー(1)チューリッヒから35キロほど北に進んだライン川沿いに、工業の街シャフハウゼンがある。ライン川の水流を駆動源に換え、この地は古くから工業が発展。時計業界では、IWCが同じ土地で成功を収めている。ところでドイツ語圏らしい質実剛健的モノづくりをベースとしながらも、新生H.モーザーにはかつてない色気がある。美しさに拍車が掛かったフュメ文字盤、ケースサイドを大胆にえぐった特徴的なフォルムなど、ひとひねり加えた“艷やかさ”があるのだ。Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)無銘ゆえに個性が際立つ、正統派“紳士のJEWEL”グリーンのグラデーションを文字盤に施した2017年の新作「エンデバー・センターセコンド・コンセプト・コズミックグリーン」は、まるでエメラルド石の輝きを纏っているかのようだ。スーツスタイルに合わせて...
H.MOSER & CIE.|H.モーザーH.モーザーの豊かな発想力に注目(1)H.モーザーは、2014年に主要コレクションを3つに再編成。それぞれのラインナップの構築に取り組んできた。今年の新作は、これまでの新作とちょっと発想力が違った商品が次々に発表された。なかには、ユーモアの効いたスペシャルモデルも用意され、SIHHにおいてもその企画力と発想力が各国のジャーナリストから賞賛された。Text by KAWADA Akinoriブルーエナメルが美しい懐中時計H.モーザーは、これまではバーゼルワールド開催時に独自の会場で新作発表を行っていたが、2016年にSIHHに参加。少量生産の工房ブランドではあるが、今回から参加の9ブランドの中では、頭一つ抜けた存在である。シュトラウマン・ダブル・ヘアスプリング、インターチェンジャブル・エスケープメントといった看板機構は活かしながら、2014年から、トラディショナルな「エンデバー」、モダン・ヴィンテージを標榜する「ベンチャー」、アクティ...
H.MOSER & CIE.|H.モーザーシンプルを極めるスイスの時計メーカー(1)世の中に「シンプルな腕時計」は数多く存在する。H.モーザーは、ほかのどんな時計ブランドと比較しても明らかに異なるブランドだ。ベーシックな腕時計を探しているのなら、一度は、このブランド腕時計をじっくりと観察することをオススメする。時計職人の英知の結晶を体感することができるはずだ。Text by KAWADA Akinori創業者ハインリッヒ・モーザーの起業家精神を讃えたモデル「ベンチャー・スモールセコンド」は、創業者ハインリッヒ・モーザーの起業家精神を讃えたモデルだ。これまで18Kレッドゴールドケースのみだったが、あらたにホワイトゴールドケースが登場した。なんと言っても、クラシカルなドーム型風防の向こうに見える、ホワイトの文字盤の潔さに心を奪われる。文字盤には、ロゴ、ローマンインデックス、スモールセコンドの目盛りをプリントするのみ。それゆえにホワイト文字盤の美が際立つ。ホワイトラッカーを幾重に...
H.MOSER & CIE|H.モーザーモーザー・パーペチュアル1Text by OPENERS2006年のジュネーブ時計グランプリの読者投票で複雑系部門1位に輝いた、H.モーザーの代表作。大型の日付表示と、時分秒針と同軸に備えられた極短の月表示針に、約100年もの間、正確な表示を行う永久カレンダー機構が搭載されている。手首に沿うように弧を描くシースルーバックからは閏年表示も確認可能。また、リューズの誤操作を防ぐ独自機構「ダブル・プル・クラウン」システムを搭載するなど、シンプルな外観でありながら、まったくもって驚くべき複雑機構を多数内蔵している。手巻き。7日間パワーリザーブ。ケース径40.8mm。18KRGケース。アリゲーターベルト。非防水。428万4000円BRAND HISTORYH.モーザーは、スイス・シャフハウゼンの近代化に貢献し、同地に時計産業をもたらしたヨハン・ハインリッヒ・モーザーが、1828年にロシアのサンクト・ペテルスブルクにて設立したブランド。創業者は1...
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