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2025年11月17日
ベントレーから2シーター、2トン未満の刺激的なスーパースポーツ誕生
Bentley|ベントレー
ベントレーモーターズは、新型「スーパースポーツ」を500台限定で生産すると発表した。
Text by YANAKA Tomomi
コンチネンタルGT初の後輪駆動モデル
ベントレーの初代スーパースポーツの誕生から100年を迎えた2025年、第四世代となるスーパースポーツが発表された。
このプロジェクトは2024年9月、小規模のエンジニアリングチームが「後輪駆動で、2トン未満のコンチネンタル GT がどのような動的挙動を示すか」を理論化したことに端を発するアイデアから生まれたものだという。
その後チームは1台の試作車の製作が許可され、そこからからわずか6週間後にはサーキットで走行。このコンセプトが実証されたことから、厳重な秘匿のもと開発が決定された。
プロジェクトを極秘に進めるため、1985年に生まれ、レーシングドライバーやパワーボートレーサー、パイロットとして陸・海・空のあらゆる世界で記録を打ち立てた女性Mildred Mary Petreの精神を称え、「ミルドレッド」というコードネームが採用されたという。
ベントレーの歴史のなかでも特別な名前である「スーパースポーツ」。1925年に誕生した初代は3リッターモデルをベースに、強化されたエンジンや軽量化されたシャシーを備え、時速100mph(時速約160㎞)を超えた初めてのベントレーに。
その後、数十年の眠りから覚め2009年に復活。初代コンチネンタルGTの頂点に位置づけられ、同時にコンチネンタルシリーズ初の2シーターモデルとなった。さらに2017年にも第二世代コンチネンタルGTをベースにした3代目のスーパースポーツが発表されている。
そして第四世代となった新たに生産される新型スーパースポーツもまた現行のコンチネンタルGTがベース。2シーターキャビン、総重量2トン未満というドライバー重視のモデルとなった。
パワートレインは純粋な内燃機関を採用。新開発の4リッターV8ツインターボエンジンは最高出力666ps、最大トルク800Nmを発生し、8段デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせる。最高時速は310㎞、0-100㎞/h加速は3.7秒を記録する予定という。
駆動方式は、ベースとなったコンチネンタルGTの四輪駆動とは異なり、電子制御式LSD(eLSD)を介して後輪を駆動しているのが大きな特徴だ。ちなみにGT3レースカーを除けば、コンチネンタルGTで初となる後輪駆動モデルとなる。
足元にはカーボンセラミックブレーキや、マンタイ・レーシングと共同開発した新型22インチの軽量鍛造ホイールなどを装着。そしてアクラポヴィッチ製フルレングスチタンエキゾーストシステムが標準装備された。
エクステリアは、ダウンフォースの最大化と軽量化のために設計されたといい、新しいフロントバンパーには、ベントレーの市販車として史上最大のフロントスプリッターが一体化され、エンジンやフロントブレーキに冷却風を送り込む。
このほかにもフロントバンパー両端に配置された上下2段のダイブプレーンや、新型リアディフューザー、一体型固定式のリアスポイラーなどが組み合わさることで、エクステリアをスポーティにするのはもとより、コンチネンタルGTスピード比で300kg以上のダウンフォースを発生することにも貢献。史上最大のダウンフォースを備えたベントレーになったという。
軽量化はルーフにもおよび、カーボンファイバーパネルのルーフは構造剛性を維持しながら重心を下げる役割も果たす。



室内は2シーターキャビンで、新設計のスポーツシートを採用し、車内でより低い位置に座れるようレイアウトされた。後席空間はカーボンファイバーとレザーのシェルに置き換えられており、その内装も選べるという。
また、生産される500台すべてのスーパースポーツにはナンバリングが施され、顧客は特定の番号をリクエストすることも可能。ボディカラーはパフォーマンス志向の24色を基本とし、さらにマリナーなどによるさまざまなビスポークもできるそう。



スーパースポーツの受注は2026年3月から開始され、2027年初頭からのデリバリーを予定。日本での販売は現在調整中とのこと。今後の行方を見守りたい。
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