サステナブルな社会の実現と環境保全を訴求するコンセプトモデルを発表|H.MOSER & CIE.
H.MOSER & CIE.|H.モーザー
環境保全と持続可能な社会の実現をシンボリックに表現した
「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」SIHH2019で発表
極めて高度な機械式時計の製造で知られるH.モーザーが、環境保全に配慮したサステナブルな社会の発展への取り組みのシンボルとして、スイス原産の鉱物、植物をダイアルやストラップに使用した「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」をSIHH2019で展示した。
Text by OZAKI Sayaka
マニュファクチュールの庭園で育てられたスイス原産の多肉植物や芝生を使用
環境保全に配慮した持続可能な社会を目指すH.モーザーの取り組みのシンボルとして、スイス原産の植物を使用した「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」が、SIHH2019にて2019 年1月14日(月)~17日(木)に展示された。
時計のケースやストラップには、シャフハウゼンを拠点とする H.モーザーのマニュファクチュールの庭園で時計職人と職員を含むチーム全員によって育てられたスイス原産の多肉植物や芝生が使用され、1日2回の水やりや定期的な手入れが必要とされる。このようにして、繊細な自然や生態系の壊れやすさに注意を促し、環境保全の必要性を一人ひとりに訴求するモデルなのだ。また、ダイアルにもスイス原産の鉱石が用いられている。
このウオッチの製作とともに、H.モーザーでは活動方針の見直しが行なわれ、時計の供給、製造、販売の分野において責任あるメーカーとして、3つの指針が打ち立てられた。1つめは、2019年中に“Responsible Jewelery Council(責任あるジュエリー協議会)”の認定条件を満たすこと、2つめは可能な限りフェアトレード素材を使用することだ。事実、H.モーザーの2019年以降のゴールドの新しいコレクションにはフェアトレードゴールドを用いることが決定されている。そして3つめは、より効率的な方法や処理によって、購入した炭素クレジットでCO2の剰余排出量をオフセットし、時計の製造における二酸化炭素排出量ゼロを保証することだ。
しかしながら、H.モーザーはこれら3つのイニシアチブの効果は時計製造業界以外においては限定的なものであるとして、さらに環境に配慮した持続可能な発展の最初の手段として「教育」への支援を決定した。世界中の子どもたちの読み書き能力の向上と男女平等の教育に取り組むNPO団体「Room to Read(ルーム・トゥ・リード)」とH.モーザーが提携を行ない、SIHH 2019 開催中のH.モーザー ブースへの各来訪者ひとりに対して児童書10冊を寄付するなど、特別なイニシアチブが展開された。
この「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」は、量と質の両面における向上を目指し、サステナブルな社会と環境保全を訴求するH.モーザーのシンボルだ。
モーザー・ネイチャー・ウォッチ
Ref.|8327-1200
ムーブメント|手巻き(自社製キャリバー HMC 327)
パワーリザーブ|72時間
ケース径|42mm
ケース素材|SS(多肉植物、苔、ミニエケベリア、クレソン、ムラサキツユクサ、オニオンセット)
ストラップ素材|芝生
価格|非売品