連載
「連載」に関する記事

連載・和醸和楽|第27回 野菜と日本酒を販売する『小倉屋酒店』
農家と蔵元の皆さんが手塩にかけたもの野菜と日本酒を販売する 『小倉屋酒店』東京都八王子市は、都心より西へ約40キロ、電車で約1時間の緑豊かな多摩丘陵にあります。面積186キロ平方メートルの広大な土地に人口55万人、市内には大学が21校あり、市民と学生が行き交う街です。また、来年には圏央道が開通し交通アクセスがよくなるため、ベッドタウンとしていまも宅地造成が進んでいます。文=和醸和楽野菜と日本酒の共通点とは歴史をさかのぼると、江戸時代は市内各所で蚕を飼い絹織物の街として栄えました。しかし、大正末期から昭和初期にかけ服装が着物から洋服へと変わり絹織物産業が衰退していくなか、日本国内でいち早くネクタイ製造へと切り替え、現在は日本有数のネクタイ産地として国内外有名ブランドメーカーと契約しライセンス製造をしています。そしてもうひとつ江戸時代には、甲州街道の宿場町(八王子宿)として栄え、芸者さんが行き交う花街としても有名でした。第二次大戦の空襲により戦後は一旦途絶えたのですが、昭和30年代に復...

モワナから藤原ヒロシと共演した「ガーデナーバッグ コレクション」が登場|MOYNAT
MOYNAT|モワナ藤原ヒロシの主宰する「フラグメントデザイン」とコラボレーション「モワナ ガーデナーバッグ コレクション」が登場1849年に創業したパリの老舗トランクメーカー「MOYNAT(モワナ)」は、クリエーターである藤原ヒロシ氏が主宰する「fragment design(フラグメントデザイン)」とコラボレーションした「モワナ ガーデナーバッグ コレクション」を、伊勢丹新宿店のポップアップストア「LE MOYNAT TRUNK SHOW(ル・モワナ トランクショー)」にて、3月25日(水)から4月7日(火)まで販売する。Text by ENOMOTO Kozue(OPENERS)3通りに変化するフレームプリントテクニックを取り入れた復刻モデル創業以来、卓越した職人技と “生きる喜び” をブランドの真髄とし、ラグジュアリーなアイテムを提供している「モワナ」。その新作として登場したのが、藤原ヒロシ氏が主宰するフラグメントデザインとコラボレーションした「モワナ ガーデナーバッグ コ...

Anne Fontaine|アン・フォンテーヌ|2009春夏コレクション
Anne Fontaine|アン・フォンテーヌあなたのための1枚の白いブラウス『アン・フォンテーヌ』2009春夏コレクション白いブラウスを中心として、女性らしいデザインで世界中の女性を魅了しつづけるフランスのブラウスブランド『アン・フォンテーヌ』。2009年1月から、エントリーモデルとしてエッセンシャルラインの価格を一部改め、人気の定番モデルがよりお手ごろな価格で楽しめるようになっている。また、3月9日(月)には、シブヤ西武A館6階に『アン・フォンテーヌ シブヤ西武店』がオープン。Text by OPENERS田園風景からインスパイアされた、ピースフルコレクションアン・フォンテーヌの2009春夏コレクションは、春の生命力溢れる自然からインスパイアされた、おだやかで優しい印象。テーマになっているのは、野に咲く花、春のおだやかさ、そして自然の息吹。オーガンジーやリネンなどの素材感を活かしたものや、細微な技術による華やかなフリルがふんだんにあしらわれたもの、さらにシンプルながら美しいライ...

SHIRO|布地のようにしなやかな表情をもつSHIROのクロコダイル
布地のようにしなやかな表情をもつクロコダイルハンドマッサージによりクロコダイル本来のもつやわらかさが極限まで引き出されたバッグたち。新進のブランドながらその独創的なクリエイションを支えているのは、100年以上つづく家業の“血”であった。Text by OPENERSクロコダイルに潜む本来の魅力を引き出すエキゾチックレザーやユニークな素材で革新的なコレクションを生み出す「SHIRO」。その本物のラグジュアリーを追求する姿勢が評価され、ブランド設立からわずか数年の2006年には“もっとも革新的な新人デザイナー”に選ばれている。そのデザイナーの名はMassimo Calestrini(マッシモ・カレストリーニ)。彼は生まれもった美的感覚と品性にくわえ、深い知識と好奇心をもってクリエイションにあたっている。彼が素材について造詣が深いのは、その“血”によるところが大きい。クロコダイルの飼育にオーストリッチや爬虫類、そしてクロコダイルなど高級レザーのなめしといった事業をはじめるために、カレスト...

SOMEONE’S GARDEN 西村大助 津留崎麻子 インタビュー 後編
赤いポピーでヨーロッパ中のアーティストやクリエイターをつなぐ、FLOWER BY YOU。約1ヶ月、各地をクルマで移動する貧乏旅行。その道中さえも楽しかったと振り返る二人が旅の果てに発見したものとは?文=田村十七男写真=北原 薫──FLOWER BY YOUのウェブを開くと、最初に赤いポピーを抱いた女性の写真が目に飛び込んできますが、あれは津留崎さんだったんですね?津留崎 ええ、そうです。西村くんが撮ってくれました。なにしろ二人きりだったから、旅の様子を伝えるには他に手段がなかったというか……。──二人だけでヨーロッパを回ったんですか?西村 最初から貧乏旅行(笑)。ミラノからスタートして、ウィーン、ベルリン、アムステルダム、アントワープ、ロンドン、そしてパリと、約1ヶ月レンタカーの旅。お金がなくて車中に寝たことも何度かあったよね。津留崎 高速道路で煙が吹いたこともあった(笑)。西村 あれは死ぬかと思いましたよ。──なんと壮絶な! しかし、どんなクリエイターに会うかはさすがに最初から...

BRUTUS TRIP編集長 石渡健文 インタビュー 前編
「旅」と「香り」の共通点──KENZO TRIP編集長 石渡健文 インタビュー(前編)7年に及んだ「BRUTUS」編集長時代。そしてマガジンハウス第3編集局長および「BRUTUS TRIP」の編集長としての現在も、石渡健文さんはKENZO PARFUMSが持つ“非日常へと誘われる力”から目が離せないという。文=田村十七男写真=北原 薫──石渡さんとKENZO PARFUMSにはどんなつながりがあるのか、まずはそこからお聞かせください。これまでに私が編集長を務めた雑誌で、KENZO PARFUMSの広告と編集記事を融合させた、アドバトリアル・ページをつくってきました。直近では、昨年11月にスタートした「BRUTUS TRIP」の2008 6月号で、KENZO PARFUMSの20周年を記念したタイアップページを展開させています。「BRUTUS TRIP」は誌面が大きく見応えがある版型なので、そこで両観音開きをやったらおもしろいだろうと思い、実践してみました。──実際に手にとってながめ...

PRODUCT|Tokyo Tips 2014年12月 BACK ISSUE 新製品情報を厳選して紹介
2014.12.25リトアニアから上陸ワイヤレス魚群探知機リトアニアを拠点に革新的な製品の開発、デザイン、製造をおこなうアクセサリメーカー「Friday Lab(フライデー ラボ)」からユニークな製品が登場。「Deeper ワイヤレススマート魚群探知機」は、iPhoneなどスマートフォンの高精細なカラーディスプレイを魚群探知機のモニターとして利用できる画期的なプロダクト。本体とスマートフォンはワイヤレスで接続し、ディスプレイ上で水中の魚影やストラクチャー、底質の様子を鮮明に映し出す。本体重量はわずか100g、直径も65mmの小型軽量のボディを採用。オープンプライスフォーカルポイントTel. 03-6447-2987http://www.focal.co.jp/2014.12.25ブルレック兄弟が解釈したあらたな“こけし”東日本大震災を受け、東北の伝統工芸職人と組んだプロジェクト「EJP(East Japan Project)」が発足。建築家・隈研吾氏が中心となり、複数の販売、製造企...

第5回 「キネマ旬報」編集長と、映画「パフューム」を語る 1
第5回 「キネマ旬報」編集長と、映画「パフューム」を語る 1雑誌にコラムなどを書き始めて、今年で25周年、四半世紀になります。20代の頃は、おもに映画の話を書いていました。硬派映画専門誌の女王、「キネマ旬報」にも、場違いながら、一昨年まで、4年間近く連載させていただいておりました。そんなこともあって、香水を主役にした映画、「パフューム」を観て、ぜひ語り合ってみたい、と思ったのが、ほかならぬこの人。「キネマ旬報」編集長の関口裕子さんです。text by NAKANO Kaoriphoto by TATSUNO RinSPECIAL THANKS:GAGA COMMUNICATIONS INC.GAGA本社にて好奇心のインターネット、読み込みの雑誌中野香織 関口編集長、またお会いできてうれしいです。関口裕子 どうも、お久しぶりです。連載中はありがとうございました。中野 こちらこそ。「キネ旬」に連載を始めた当初と連載を終える頃では、映画についてなにかを書くことの意味が、がらりと変わ...

はじめまして
はじめまして2006年の初夏、香水ビジネスのエキスパートとお話をする機会に、たてつづけに二度、恵まれました。高砂香料の調香師さんと、伊勢丹デパートの香水バイヤー。それぞれ、別々の媒体での取材、対談だったのですが、このお二人の専門的なお話をうかがうことが、奥行きはてしないフレグランス文化の扉を開くきっかけになりました。フレグランスの専門家から見れば、わたくしなど、たんなる香水好きの、どしろうとです。が、ここでは、そのしろうと目線を忘れずに、大切にしたいと思っています。調香師さん、香水バイヤーの、専門家ならではのボキャブラリーのシャワーを浴びながら感じたことのひとつに、「香水の専門家と、一般消費者の間には、ことばのギャップがよこたわる」ということがありました。一般の消費者の香水評を聞いてみると「好き」「くさい」「マダムっぽい」「もてそう」「ギャルっぽい」などの感性語のオンパレード。もちろん、香水は個人的な感覚に訴えるものでもあるので、それはそれでよいとは思っていますが。一方、プレスリリ...

第1回 においをあらわすことば
第1回 ウォーミングアップ「においをあらわすことば」フレグランス、ということばをタイトルに使いましたが、それは、香水ビジネス業界に携わるかたがたのことばづかいの慣例(と見えたもの)に従ってみたまでです。香水売り場にまいりますと、「パルファム(parfum)」「オー・ド・トワレ(eau de toilette)」にはじまり、固体の練り香水や乳液状のボディクリームなど、ありとあらゆるよいにおいの製品が並んでおりますが、それらをひっくるめてなにか語るとき、バイヤーさんたちは、アバウトに、「フレグランス」と呼んでいます。photo by IDEGUCHI Keiko「香水」には女性用というイメージが濃厚につきまとうけれど、「フレグランス」ならば男性でも抵抗がない、という事情もあるようです。それはそれで流通していることばとして、尊重したいと思います。<Perfume, Fragrance, and Aroma>とはいえ、本道場では、まず基本として、「よいにおい」を表すいくつかのことばの、本来...

第2回 伊勢丹メンズ館フレグランス売り場にて
第2回 伊勢丹メンズ館フレグランス売り場にてフレグランス学徒の聖地とも呼びたい場所のひとつが、ここ。東京・新宿の伊勢丹メンズ館である。セルジュ・ルタンス、ロレンゾ・ヴィロレッツィ、メートル・パフュメール・エ・ガンティエ、アクア・ディ・パルマ…などなど、およそ香水好きならば思わず背筋がのびてしまう、アーティスティックなブランドがさほど広くない売り場のなかに、すべて、すっきりと、無駄なくそろう。文/中野香織「フレデリック・マル」コーナーにて。photo by IDEGUCHI Keikoフレグランス学徒の虎の穴、「フレデリック・マル」コーナーなかでも、入り口から足を踏み入れて左側にある、濃密な空間。冷蔵庫、2本の巨大な円筒、そして壁にかけられた9人の外国人の肖像写真が視界に入る。いったい、ここは何を売るところなのか?photo by IDEGUCHI Keikoほかならぬ、「フレデリック・マル」の売り場である。正式には、「エディション・ドゥ・パルファム・フレデリック・マル」。「パルファ...

第3回 「人間用」フレグランス
第3回 「人間用」フレグランス伊勢丹メンズ館フレグランスセクションのカリスマバイヤー、田代直子さんが買いつけてくるのは、 「メンズ的発想のフレグランス」であって、「男性用フレグランス」ではない。もちろん、「女性用」でもない。「トランスジェンダー」といってしまえば、そんなくくりに入れてもよいのかもしれないが、 それは田代さんが考える方向とは、少しニュアンスを異にするようである。文/中野香織「男らしい香り」「女らしい香り」は人工的につくられたもの田代 「最近は、男性用・女性用と明確に分けるのではなく、人間にとってよいもの、人間が共有できるもの…というふうに、男女の区別を分けないほうへ流れています」中野 「ジェンダーの区別を明確にすることじたい、じつは、自然なことではなくて、かなり人為的なことなのですよね。しかも、比較的最近の。じつは高砂香料の鈴木隆さんという調香師のかたに教えていただいたのですが、合成香料がはじめて用いられるのは、1882年のことなんだそうです。その後、どんどん<男らし...

第4回 調香師系フレグランスの楽しみ方:実践編
第4回調香師系フレグランスの楽しみ方:実践編伊勢丹メンズ館フレグランス売り場にて。photo by IDEGUCHI Keiko倫理的なモテ中野 「においたつような人……って思わずわたくしのなかの<おやじ>が反応して出てきてしまったのですが(笑)。あたりを輝かせるような、という暗喩的な意味での<においたち方>は歓迎されますが、香水そのものがプンプンにおいたってる人はちょっと敬遠ものですよね」田代 「ええ、フレグランスはつけ方によってずいぶん変わります。外に向かってプンプンさせるのはどうかと……。香りは人によって好き嫌いが分かれますから」中野 「それが人工ムスクたっぷりのものだったら……おそろしい(笑)。ちなみに田代さんは、フレグランスをどこにおつけになりますか?」田代 「おなかです」担当編集者マコトくん 「ええっ!? おなか?」中野 「ああ、わかります。わたくしも、乳間につけますから(笑)」田代 「体の前面、要は、自分が香りを楽しむため、ですよね?」中野 「そうそう、まさしく、自分...

第6回 「キネマ旬報」編集長と、映画「パフューム」を語る 2
第6回 「キネマ旬報」編集長と、映画「パフューム」を語る 2text by NAKANO Kaoriphoto by TATSUNO RinSPECIAL THANKS:GAGA COMMUNICATIONS INC.「パフューム ある人殺しの物語」より香りを、美女を、集めたい。 男の願望にも応える天才の仕業関口裕子 生物から、というか、肉体から、あんなふうに、香りを抽出するなんてこと、ほんとにできるんでしょうか?中野香織 う~ん。原作を読んだときやってみようと思いましたけど、獣脂ってねっとりしてそうで(笑)。GAGAトキムラくん あ、ぼくやってみましたよ。一同 えーっ!?GAGAトキムラくん けっこう、いいにおいなんですよね、自分のにおい(笑)。中野 おそれいりました…。それはそうと、映画ではいろんな抽出のしかたを試していて、美しい女性をどーんとまるごとぐつぐつしたりもしてましたよね。担当編集者マコトくん 男としては、ああいう願望、あります。処女願望というか。関口 「コレクタ...

第7回 「キネマ旬報」編集長と、映画「パフューム」を語る 3
第7回 「キネマ旬報」編集長と、映画「パフューム」を語る 3text by NAKANO Kaoriphoto by TATSUNO RinSPECIAL THANKS:GAGA COMMUNICATIONS INC.「パフューム ある人殺しの物語」より香りと記憶中野 関口さんは、なにか香水にまつわる思い出をお持ちですか?関口 この前、タクシーに乗ったら、運転手さんが「半年前、ここからここまで、乗ったでしょ?」っていうんですよ。どうして覚えてるのかって聞いたら、「その香り」って。バックミラー越しに(笑)。中野 何をお使いだったんですか?関口 「ロー・ド・イッセイ」です。多くの人が使ってるポピュラーな香水でしょう? だからわたしがよほどなにか運転手さんの印象に残るようなことをしたのかなって、ただただ、おそろしくって(笑)。中野 うしろも見ないで、「その香り」(笑)。たしかに、ことばなんかだと、細部を忘れてしまうことも多いけど、においは、時間がたっても、そっくりそのまま情報が再現され...