BRUTUS TRIP編集長 石渡健文 インタビュー 前編
Design
2015年3月18日

BRUTUS TRIP編集長 石渡健文 インタビュー 前編

「旅」と「香り」の共通点──
KENZO TRIP編集長 石渡健文 インタビュー(前編)

7年に及んだ「BRUTUS」編集長時代。そしてマガジンハウス第3編集局長および「BRUTUS TRIP」の編集長としての現在も、石渡健文さんはKENZO PARFUMSが持つ“非日常へと誘われる力”から目が離せないという。

文=田村十七男写真=北原 薫

──石渡さんとKENZO PARFUMSにはどんなつながりがあるのか、まずはそこからお聞かせください。

これまでに私が編集長を務めた雑誌で、KENZO PARFUMSの広告と編集記事を融合させた、アドバトリアル・ページをつくってきました。直近では、昨年11月にスタートした「BRUTUS TRIP」の2008 6月号で、KENZO PARFUMSの20周年を記念したタイアップページを展開させています。「BRUTUS TRIP」は誌面が大きく見応えがある版型なので、そこで両観音開きをやったらおもしろいだろうと思い、実践してみました。

──実際に手にとってながめると、かなり迫力がありますね。

一般的に20周年記念ともなれば、単純に歴史をひも解きたくなりますよね。しかしKENZO PARFUMSの20年を振り返ると、時間軸を均等割りにして見せるという手法はちょっと違うなと思ったんです。商品が発表されてきたタイミングにしても、毎年律儀に新製品を出してきたわけではなく、あえていえば感覚的にリリースされてきた。そこで、時々のアクセントとなった商品を元にした20年史は観音開きの中に閉じ込めて、表面ではKENZO PARFUMSのブランドイメージが伝わるようなビジュアルにしました。

「旅」と「香り」の共通点──<br>KENZO TRIP編集長 石渡健文 インタビュー(前編)

──真っ赤な花が印象的ですね。

あれは、モスクワの赤の広場で行われたキャンペーンの様子です。この企画のスタートは2000年にパリで実施されました。ある朝突然、パリの街中に膨大な数の赤いポピーが並んでいました。誰もが自由に持ち帰ってもよくて。そして後に、KENZOの新しいフレグランスのキャンペーンだと知らされる。商品名はFLOWERBYKENZO。その展開がすごく綺麗でカッコよかった。ブランドとして独自の世界観を持っていることに強い感銘を覚えましたね。自分たちがつくる雑誌にも取り込みたいと思い、「BRUTUS」でも数回KENZO PARFUMSのタイアップを企画しました。いずれも旅特集にからめて。

「旅」と「香り」の共通点──<br>KENZO TRIP編集長 石渡健文 インタビュー(前編)

「BRUTUS TRIP」2008 6月号
KENZO PARFUMS 20周年を記念したタイアップページが掲載されている

──なぜ旅だったのでしょうか?

ひとつには、KENZO PARFUMSのクリエイティブディレクターであるパトリック・グエージが旅好きな人間であること。彼は写真を中心にしたアーティストで、写真家としても世界中を訪れています。ユニークなエピソードがあって、KENZO PARFUMSのスタッフは、行き先も教えられず突然に旅に連れて行かれるそうですよ。お客より先にブランドイメージを共有すべきだというパトリックの持論によって。それがいきなり砂漠だったりするらしい(笑)。やっていることがワールドワイドだし、常にダイナミックなんです。2008年の新商品となったKENZOPOWERの日本発表会もそうでした。記者たちは、やはり行き先を告げられないまま銀座でバスに乗せられました。着いた先は、趣のある日本家屋が建つ横浜の三渓園……。KENZO PARFUMSには常にそういう驚きがあるというか、非日常の空間に誘われる力を感じます。

           
Photo Gallery