BOOK|森山大道写真集『モノクローム』

BOOK|森山大道写真集『モノクローム』

BOOK|4年間にわたって撮影された東京の白黒森山大道写真集『モノクローム』日本を代表する写真家・森山大道氏が、2008年から2012年までの計4年間にわたって撮影してきた、東京の姿を収めた写真集『モノクローム』が月曜社から出版された。Text by YANAKA Tomomi自在なフレーミングで日本の中枢を切り取る半世紀ものあいだ、鋭い視線と代名詞でもあるモノクロで風景を切り取ってきた森山大道氏。その活躍の場は日本のみならず、アメリカやイタリア、イギリス、フランスといった各国で高い人気を博し、現在もロンドンの国立近現代美術館「テート・モダン」で個展が開催されるなど、日本を代表する写真家として知られている。そんな彼が2008年から2012年までの現代の東京を、モノクロ写真で撮影した写真集が完成した。円熟という境地から遠く離れた、ストレートにして自在なフレーミングで撮られた写真。4年にわたって撮りつづけた日本の中枢を、森山大道ならではの白と黒、光と影に結晶させている。今年4月に刊行さ...
BOOK|「記録になる」作品集『Windows Mirrors Tabletops』

BOOK|「記録になる」作品集『Windows Mirrors Tabletops』

BOOK|ホンマタカシ氏をゲストに招いたイベントも開催アメリカ人アーティスト、ルーカス・ブレイロック作品集『Windows Mirrors Tabletops』アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活躍するアーティスト、ルーカス・ブレイロックの作品集『Windows Mirrors Tabletops』が日本でも発売。国内での販売スタートを記念したレクチャー&サイン会が2月11日(火・祝)に原宿、VACANTで開かれる。 Text by YANAKA Tomomi無造作に残されたデジタル加工の痕跡があらわになった「記録になる」作品ルーカス・ブレイロックは1978年、アメリカ・ノースカロライナ生まれ。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の美術学修士号を取得し、精力的な活動をみせるアーティストだ。そんな彼が昨年末、イギリスの出版社から出版した作品集『Windows Mirrors Tabletops』では、無造作に残されたデジタル加工の痕跡があらわになった作品が次々に登場する。...
BOOK|ホンマタカシ改め寅彦が山を撮る!? 『Mountain Photographer“寅彦”Torahiko』

BOOK|ホンマタカシ改め寅彦が山を撮る!? 『Mountain Photographer“寅彦”Torahiko』

BOOK|ホンマタカシ改め寅彦が山を撮る!?1000冊限定『Mountain Photographer“寅彦”Torahiko』 写真家のホンマタカシが、謎の山岳写真家“寅彦”に自分を投影して大自然の山やまを撮影した写真集『Mountain Photographer“寅彦”Torahiko』が1000冊限定で出版された。 Text by YANAKA Tomomi 寅彦にまつわるストーリーとともに愉しむ写真集ホンマタカシの写真集でありながら、謎の男“寅彦”が撮影したと設定されている『Mountain Photographer“寅彦”Torahiko』。この本には寅彦にまつわるストーリーが描かれている。山の温泉で出会った寅彦。彼の背中は山のように大きく、以前は東京でファッション写真を撮っていたが嫌になって山の写真を撮っているという。一度、山に連れていってもらったが、それきり寅彦と連絡は取れなくなってしまう。そして季節が過ぎ、冬のある日、ポストにうす汚れた封筒が入っていた。封筒の裏には...
BOOK|資生堂パーラー、万平ホテル、富士屋ホテル――老舗の看板スイーツのレシピ本

BOOK|資生堂パーラー、万平ホテル、富士屋ホテル――老舗の看板スイーツのレシピ本

BOOK|資生堂パーラーのプリン・ア・ラ・モード、万平ホテルのアップルパイ……老舗のシェフが看板スイーツのレシピを解説、自宅で“あの味”を楽しめるスイーツ好きでなくても知っている老舗店のレシピを丁寧に解説した『おうちで作れる 老舗カフェスイーツ』(世界文化社)が1月19日(月)、発売された。Text by HAMADA Masaru(OPENERS)シェフによる丁寧な解説で初心者でも再現できる長年にわたって愛され、全国からその味を目当てに大勢の人が訪れる老舗店のスイーツ。資生堂パーラー(銀座)の「プリン・ア・ラ・モード」、万平ホテル(軽井沢)や富士屋ホテル(箱根)の「アップルパイ」、ヨックモック(青山)の「南青山ロール」など、スイーツ好きでなくても、誰もが知っている看板商品が並んでいる。本書の一番の特徴は、料理専門家が研究して同じ味を再現したわけではなく、紹介されている老舗のシェフが直々に作り方を教えているところ。いわば“正統派”だ。なかには門外不出だったレシピもあるが、シェフたち...
BOOK|名作映画の知られざる真実を浮き彫りにする『戦場のメリークリスマス~30年目の真実』

BOOK|名作映画の知られざる真実を浮き彫りにする『戦場のメリークリスマス~30年目の真実』

BOOK|名作映画の知られざる真実を浮き彫りにする『戦場のメリークリスマス~30年目の真実』昨年1月にWOWOWで放送されたドキュメンタリーを1冊の本にまとめた『戦場のメリークリスマス~30年目の真実』が東京ニュース通信社から出版。放送では公開されなかった未公開証言もテキスト化されるなど、名作映画の知られざる真実が浮かび上がる。Text by YANAKA Tomomi撮影・公開当時の貴重な資料写真や大島監督のインタビューも掲載2013年1月に惜しまれつつこの世を去った大島渚監督の代表作である『戦場のメリークリスマス』。太平洋戦争中の日本統治下にあったジャワ島の日本軍俘虜収容所で、極限状態に置かれた男たちの心の交流が描かれた。デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけしという異色の配役も大きな話題となり、大ヒットを記録。2013年秋にはブルーレイも発売され、2014年に入ってからもTSUTAYAで旧作レンタル1位を記録するなど、いまもなお多くの人を魅了してやまない。しかし、映画が完成...
BOOK|レシピ・エッセイ集 中村孝則『名店レシピの巡礼修業』

BOOK|レシピ・エッセイ集 中村孝則『名店レシピの巡礼修業』

BOOK|『料理通信』の人気連載が書籍に中村孝則 著『名店レシピの巡礼修業』「素人でも絶対に作れる!」という惹句で、発売直後、amazonのベストセラー商品ランキングのシェフのレシピ部門、フレンチ部門でともに売り上げ1位、料理エッセイ部門3位となった、中村孝則著『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)。門外不出といわれた名店の看板メニューが、なんと家でも作れるというのだ。Text by KAJII Makoto (OPENERS)45店・45名・計45皿の“100年後も残したい料理”を掲載「この本は、足かけ7年で一冊にまとめました。素人である僕が、名店とよばれる人気料理店の厨房におしかけ、秘伝のレシピを習得するという、料理ドキュメンタリーです。美しい写真とともに詳細にレポートしていますので、長く楽しんでもらえる内容になっていると思います」と語る著者の中村孝則氏。『料理通信』誌で2007年から連載されている企画「中村孝則が挑む 絶対作れる! 挑戦レシピ」をベースに、加筆されて約200ペ...
BOOK|老舗昆布店による料理本『土居家のレシピと昆布の話』

BOOK|老舗昆布店による料理本『土居家のレシピと昆布の話』

BOOK|創業111年を迎える大阪の老舗昆布店が簡単伝授料理本『土居家のレシピと昆布の話』が発売大阪を代表する昆布店による料理本『土居家のレシピと昆布の話』が好評発売中だ。日々の生活に取り入れたい、料理の基本とも言える昆布の“出し”の取り方から、“出し”を使った料理を分かりやすく解説している。Text by MURAMATSU Ryo漫画『美味しんぼ』にも登場した創業111年の老舗江戸時代から明治にかけて、北海道と本州間の貿易で活躍した北前船。この船の起点と終点であった大阪は、必然的に北海道の物産がたくさん集まった。そのなかでも関西の料理人たちは昆布に着目。独特な手法による出汁を使った食文化は世間にも広がった。大阪・空掘商店街にある「こんぶ土居」は、創業から111年を迎え、これまで北海道産の最高級の真昆布や、昆布を使ったさまざまな商品を販売してきた。本書『土居家のレシピと昆布の話』では、土居家の日常のレシピや、土居の昆布を使っている飲食店も惜しみなくレシピを提供。“出し”を使った基...
BOOK|フレンチシックの秘訣を伝授『パリジェンヌのつくりかた』

BOOK|フレンチシックの秘訣を伝授『パリジェンヌのつくりかた』

BOOK|女性必読! パリ好きのための新バイブル登場フレンチシックの秘訣を伝授『パリジェンヌのつくりかた』ナチュラルで自由気まま、シンプルなのにとってもスタイリッシュ。世界が憧れるパリジェンヌの秘密を、パリで生まれ育った女性4人が大公開。パリ好きのための新バイブル『パリジェンヌのつくりかた』が、早川書房より発売中だ。Text by KUROMIYA Yuzuファッションも生き方も支持される彼女たちの魅力がたっぷり必要最低限のものだけでフレンチシックを体現するパリジェンヌの素顔を、一冊の本にぎゅっと凝縮。著書は、シャネルのアンバサダーでありランコムのミューズを務めるカロリーヌ・ド・メグレと、彼女の親友である、作家のアンヌ・ベレスト、脚本家のオドレイ・ディワン、映画プロデューサーのソフィ・マスの4人。生まれも育ちもパリという生粋のパリジェンヌ4人が、必須のファッションアイテムからビューティ、インテリア術まで、パリジェンヌの掟をエスプリの効いた文章とエレガントな写真で紹介している。さらに...
BOOK|ふたりの“龍”による伝説の対談が復活『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Café』

BOOK|ふたりの“龍”による伝説の対談が復活『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Café』

BOOK|ふたりの“龍”による伝説の対談が復活20世紀末と3.11後に語り合った『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Café』1980年代に村上龍氏と坂本龍一氏がホストとなり、カルト的な熱狂をもって迎えられた対談、鼎談(ていだん)シリーズの「EV.Café」。あらたに、20世紀末におこなわれたものと、「3.11」「9.11」をはさみ、2012年に再び顔を合わせたふたりが語り合った集大成が、『村上龍と坂本龍一 21世紀のEV.Café』としてスペースシャワーネットワークから刊行された。Text by YANAKA Tomomi論客5人によるスリリングな鼎談も収録村上龍氏と坂本龍一氏というふたりの“龍”がその知性と感性を研ぎ澄まして語り合う伝説の対談が30年ぶりに復活。本書では語りおろしとなる、14年ぶりのふたりの対談「3.11後の東京で語る」をはじめ、かつて20世紀末におこなわれた鼎談がともに収められた。「EV.Café 1998-1999」では、休刊となった雑誌『エスクァイア日本版...
BOOK|アーバンリサーチのコンセプトブックシリーズ第8弾『URBAN RESEARCH: PARIS』発売

BOOK|アーバンリサーチのコンセプトブックシリーズ第8弾『URBAN RESEARCH: PARIS』発売

BOOK|世界中の都市を考察するコンセプトブックシリーズ第8弾『URBAN RESEARCH: PARIS』発売アーバンリサーチが2008年から取り組んできた、世界中の都市を考察するコンセプトブックシリーズ第8弾『URBAN RESEARCH: PARIS』がついに刊行。中世にはじまり現在に大きな影響をおよぼしたフランス独自の文化である「サロン」をテーマに、100年近く存在する伝説的な書店や慈善的意志をもつコンセプトストア、ヴェルサイユ宮殿を飾った絹織物メゾン、世界に認められた奇才音楽家など、さまざまなひとや仕事や哲学の視点から、サロンのいまの形を考察している。Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by Eduardo Serafimなぜ私たちはいつの時代もパリに惹かれパリを想うのか。パリの何がそうさせるのか“パリには独特な甘い香りがある。街中に美しい配色があり、生活音は現代音楽のようだ。そして人びとは他人に自分の考えを否定されることを...
BOOK|『デヴィッド・ボウイ・イズ』まもなく発売!

BOOK|『デヴィッド・ボウイ・イズ』まもなく発売!

BOOK|イギリスで開催中の大回顧展のカタログ『デヴィッド・ボウイ・イズ』が初版限定1984部を発行8月までロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館で開催されているデヴィッド・ボウイの大回顧展『デヴィッド・ボウイ・イズ』。そのカタログの日本語翻訳版が日本に上陸! 初版1984部限定で7月10日(水)に発売される。Text by YANAKA Tomomi世界初公開の私物も満載、ファンには垂涎の1冊1億3000万枚以上のアルバムを売り上げ、今年1月8日の66歳の誕生日に10年ぶりに発売したニューアルバム『ザ・ネクスト・デイ』が世界中のヒットチャートの上位にランキングするなど、衰えを見せないデヴィッド・ボウイ。ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館で3月から開催されている大回顧展『デヴィッド・ボウイ・イズ 』は、あまりの人気のため8月まで会期延長となったほど。そんな人気の展覧会のカタログが待望の日本語版となって7月10日(水)に登場。アルバム『ダイアモンドの犬』に収録された「1984...
BOOK|河合正人×大川直人『FLOWERS(フラワーズ)』

BOOK|河合正人×大川直人『FLOWERS(フラワーズ)』

BOOK│花の美しい一瞬を1冊に河合正人×大川直人『FLOWERS(フラワーズ)』フラワーコーディネーターの河合正人さんと写真家大川直人さんにより、気高く、神秘的な花の一瞬を収めた写真集『FLOWERS(フラワーズ)』が万来舎から出版された。text by YANAKA Tomomi四季折々に咲く花を1年かけて撮影フラワーコーディネーターとして雑誌や広告、イベントなどで活躍する河合正人さんと、スタイリッシュな写真と映像でCDジャケットやミュージックビデオ、広告などを中心に手掛ける大川直人さんがタッグを組んだ写真集『FLOWERS』。アナログなポジフィルムを使い、1年をかけて四季折々に咲く花のなかで、本当によい花に出合えたときにだけ撮影されたという、花に寄り添うようにしてつくられたこだわりの1冊だ。美しくも短い花の命。撮影現場では、ライトを受けた花がまるで別の生命が宿ったようにゆっくりと動き、気高く、神秘的な光景が繰り広げられたという。そのようななか、つぼみから満開、そして朽ちてゆく...
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