和醸和楽
「和醸和楽」に関する記事
連載・和醸和楽|第31回 酒好きが集まる『カネタケ青木商店』
17回つづいている 「蔵元と日本酒を楽しむ会」酒好きが集まる 『カネタケ青木商店』こんにちは、カネタケ青木商店です。当店では毎年10月に「蔵元と日本酒を楽しむ会」というお酒の会を開催しております。今年で17回目を迎えました。文・写真=和醸和楽斗瓶クラスの高価な酒をもっと手軽に飲みたい!「蔵元と日本酒を楽しむ会」は、いまでは吟遊会のみなさまや参加蔵さま、お客さまにお世話になり、参加蔵元は35蔵以上、定員数も550人から600人と規模が大きくなりました。“秋の風物詩”ともいえるくらいご好評をいただいている会ですが、きっかけはじつに単純なんです。上の写真のエンジの法被(ハッピ)のひとたち。当店の昔からのお客さまであり、この会を開催している「吟遊会」のメンバーの方々です。このメンバー(実際はもっといます)の、「斗瓶(10升が1斗、1.8Lが10本分)クラスの高価な酒をもっと手軽に飲みたい」という想いがきっかけでした。結果、ん~~大勢集まればいけるでしょ!!「1万円の酒も10人集まって1本買...
連載・和醸和楽|第33回 広島の旨し酒を求めて 大和屋酒舗
百回試して、千回改める広島の旨し酒を求めて 「大和屋酒舗」こんにちは、広島の大和屋酒舗です。当店は広島の繁華街である薬研堀に所在しています。1869年に東広島市志和町で清酒酒造業(当時の銘柄・大和花)として創業しましたが、戦時企業整備令により酒造りを一時中断し、昭和26年に酒小売業としてあらたに生まれ変わりました。現在の大和屋という屋号は創業銘柄の大和花に由来します。文・写真=和醸和楽広島、そして身近にいてくれるたくさんの良い造り手たちさて、自店の紹介はこのくらいにして、わが地元 広島でもぞくぞくと新酒ができあがってきました。先日、お酒の出来を見に飲食店さまとともに呉の宝剣酒造さんと安芸津の今田酒造さんへお邪魔してきました。「富久長」で知られる今田酒造さんがある安芸津町は古くより杜氏の郷として知られ、“酒都”と呼ばれる西条の酒蔵をはじめ、全国へたくさんの杜氏や蔵人を輩出しています。広島県の酒造りが近代のような発展を遂げたのは広島杜氏の里である安芸津町の醸造家 三浦仙三郎氏(1847...
日高見 平孝酒造|魚でやるなら日高見だっちゃ!|和醸和楽
今宵は三陸の牡蠣と 「日高見」 で乾杯魚でやるなら 「日高見」 だっちゃ!平孝酒造は、文久元年(1861年)創業の蔵元です。蔵がある宮城県石巻市は、北東北を縦断する北上川の河口に開けた港町です。文・写真=和醸和楽「日高見」が目指す酒質とは江戸時代には、伊達藩と南部藩の米の集積地として栄え、お米がたくさん集まる環境から、酒造りが盛んで、当時、藩の藩制から「造り酒屋は一宿一場」と定められていましたが、なんと、石巻には16場もの造り酒屋があったと伝えられています。また、石巻は金華山沖で暖流と寒流の交わる世界三大漁場のひとつとしても称えられ、四季折々に、おいしい魚介類がたくさん水揚げされています。とくに牡蠣がお薦めです。また、最近、石巻市では、金華山周辺で獲れるサバ、カツオなどをブランド化して、そのおいしさをPRしています。そのほかにも、おいしいお寿司や魚の加工品などもたくさんあります。石巻にお越しの際は、お魚料理やお寿司を食べていってください。当社ではそういった地域性から「魚でやるなら日...
連載・和醸和楽|第34回 二子玉川店オープン はせがわ酒店
東北地方の蔵元・お酒を応援しています!二子玉川店オープン 「はせがわ酒店」はじめまして、はせがわ酒店の店主 長谷川浩一です。3月19日、再開発でさらなるグレードアップを果たした街、二子玉川にオープンした二子玉川ライズ。そのショッピングセンター 地下1階東急フードショー内に約30坪のショップをオープンしました。話題の商業施設で洒落た日本酒を紹介していきたいとスタッフ一同張りきっております。ご期待ください。文・写真=和醸和楽はせがわ酒店の各店舗をご紹介します『本店』は、亀戸天神さんで有名な亀戸1丁目にあります。もともとは、都内有数の繁盛商店街である砂町銀座の筋ちがいの裏手商店街でひっそり商いをしていました。7年ほど前に手狭になり、配送センターで使っていた亀戸に本店を移転しました。現在は年中無休で、元旦も営業しています。6年ほど前に、六本木ヒルズからもほど近い港区麻布十番に2軒目の店舗『麻布十番店』を構えましたが、この店舗も昨年、さらにひとどおりの多いメインストリートに移転しました。東京...
連載・和醸和楽|第41回 酒造りは米づくりから『泉橋酒造』
全国でも珍しい、酒米の栽培から醸造まで一貫しておこなう栽培醸造蔵酒造りは米づくりから『泉橋酒造』泉橋酒造は、江戸時代の安政4年に現在の神奈川県海老名市で創業しました。江戸から大山詣で人びとが向かった大山街道(現在の国道246号線)近くの造り酒屋としてはじまったようです。神奈川県海老名市は近年ベットタウンとしても人気がありますが、都市空間と田園空間の程よく調和する美しい町です。文・写真=和醸和楽私たちの酒造とは現在の弊社は、「酒造りは米づくりから」の信念のもと、自社栽培の酒米、地元契約栽培の酒米の栽培から、精米、そして、醸造まで一貫しておこなう全国でも珍しい栽培醸造蔵です。太陽と大地の恵みをいっぱいに受けて育まれ信頼ある米を丁寧に仕込む、それが私たちの酒造りです。「いづみ橋」を囲みながら仲間同士で話が弾み、杯を重ねていた……そんな心地よく酔える酒を目指しています。さがみ酒米研究会いづみ橋では、地元の酒米生産者、JA、農業技術センターさんのお力をお借りして「さがみ酒米研究会」という酒米...
連載・和醸和楽|第35回 「土佐しらぎく」ができること 仙頭酒造場
甘口辛口の風潮に惑わされないしっかりとした地の酒を「土佐しらぎく」ができること 「仙頭酒造場」「土佐しらぎく」は明治36年に創業いたしました。蔵は高知市と室戸岬のほぼ中間、海沿いののどかな田園地帯にあります。酒銘は初代仙頭菊太郎の菊にちなんで、また、白菊のように清らかできれいなお酒を醸したいという思いから命名されたそうです。文・写真=和醸和楽仕込水と酒米の個性を素直に酒質に表現させること私(仙頭竜太)がこの小さな蔵で醸造の責任をとるようになってもうすぐ5年になるところです。家業がお酒関係だったわけでもなく、大学も文系だった私が縁あって日本酒造りという仕事に出会い、いまこうして自分の想いをお酒に伝えることができる立場にいることに、大きなよろこびと責任を感じる毎日です。ひとりでも多くのひとに手造りの日本酒のよさを知ってほしい、そのために「土佐しらぎく」ができること(目指すこと)は飲みやすさ、わかりやすいおいしさ。このふたつを究極に追求していきたいと思っています。 「土佐しらぎく」...
連載・和醸和楽|第36回 ようこそ! 大人の遊園地、酒の柳田へ
大自然と素朴な人情溢れる私たちの故郷ようこそ! 大人の遊園地、酒の柳田へ青森県弘前市の魅力のひとつは、四季折々に季節感溢れるお祭りに出会えることではないでしょうか。全国でも有数の桜の名所、弘前公園の2000本のソメイヨシノはゴールデンウィークがその見ごろとなり、まさに桜花爛漫と咲き誇り、津軽三味線の音に地酒もついついすすみます。文・写真=和醸和楽築城400年を迎える弘前城全国一の生産量を誇る林檎は、まるかじりが一番ですが、最近ではアップルパイをはじめとするスイーツやシードルなどのりんご酒も話題になっています。街を歩くと“みちのくの古都”といわれるだけあって、名所旧跡を多く残した町並みがつづき、お寺や神社のほかにも、明治時代いち早く西洋文化を取り入れた洋風建築など、地域の特徴をさまざま見ることができます。そんな伝統建築のなかにあってひと際目を見張るのが、世界的にも評価の高い弘前市出身のポップアート作家 奈良美智さんのモニュメントです。 ようこそ! 大人の遊園地、酒の柳田へ弘...
連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第1回 岩手の南部美人より東日本大震災のご報告
「がんばろう! 東北」 第1回岩手の南部美人より東日本大震災のご報告2011年3月11日、午後2時46分、この日を私は一生忘れません。そう、未曾有の被害をもたらした、東日本大震災の日です。東北地方を中心に、多くの尊い命が失われ、いまでも行方不明者、そして行方不明者にもカウントされない方々が多数おります。あらためてご冥福をお祈りいたします。文=「南部美人」五代目蔵元 久慈浩介「停電しましたので、新幹線は一時停止します」海外の皆さまからも、この大震災で多数の方々からご心配と、お見舞いのメッセージをいただきました。今回のコラムからは、この大震災について、いまの日本の現状をご報告させていただきます。2011年3月11日、私は二戸駅から13時09分出発の「はやて」に乗り、仕事のため東京へ向かっていました。10号車14番C席が私の座席でした。穏やかな春を思わせる暖かい日差しを覚えています。仙台駅で多くのお客さんが乗り降りして、仙台駅を出発後、スピードに乗って、新幹線はトンネルに入りました。午後...
連載・和醸和楽|第37回 醸すひと、飲むひととの“和・話・笑・我・輪”を大事に『望月商店』
醸すひと、飲むひととの“和・話・笑・我・輪”を大事においしいお酒を飲むシーンをご一緒に『望月商店』厚木市は、神奈川県の中央に位置し、6市2町1村に接しており、西部は山岳地帯が広がっています。この地域は古くから交通の要衝で宿場町として栄え、現在でも東名高速道路、小田原厚木道路、国道129号、国道246号の交点であり、県央地域の物流拠点となっています。新宿と小田原間を結ぶ小田急線のちょうど中心にも位置します。弊店『望月商店』からも北へクルマで30分くらい走れば山間部があり、西へ30分くらい走れば湘南の海があります。山や海にも囲まれた自然豊かな、笑顔豊かな厚木で酒屋を営んでいます。文・写真=和醸和楽厚木の“おいしい”町おこし "シロコロホルモン" 全国で一躍厚木市を有名にしたのが、B-1グランプリ。安くてうまくて地元のひとに愛されている地域の名物料理や郷土料理を“B級ご当地グルメ”と定義し、その日本一を決めようという趣旨の大会があり、年1回開催されていますが(第1回目は2006年開催...
連載・和醸和楽|第38回 “瓶の奥に見える風景”を伝えたい『酒乃店はやし』
いまだ出会うべくして出会っていない一本が、きっとあなたにはあるはず“瓶の奥に見える風景”を伝えたい『酒乃店はやし』天高く広がる入道雲。耳を澄ますと無数の蝉の鳴き声が聞こえ、目の前にはいま湧き出したばかりの清らかな水が流れ出している──お酒とはその土地の天のしずくと太陽の恵み、人びとの努力があってこその「大地の産物」。私どもはその奥にあるひとの思いや風景を伝えたいと考えて、和酒を中心としたセレクトショップを営んでいます。文・写真=和醸和楽清らかな水、日本有数の米どころである北陸から風を吹かせたい2009年春にオープンした『福井春山店』には、サブタイトル「SAKE Atelier」と名づけさせていただきました。その看板の和訳がこちら。Blue sky is high, leaves sway in the wind, the smell of earth in the sunshine,Brow wet with perspiration, muddy fingers, simple ...
連載・和醸和楽|第39回 挑戦する地酒の専門店『かがた屋酒店』
「売れるものを売るのではなく、売りたいものを売る」という志挑戦する地酒の専門店『かがた屋酒店』「売れるものを売るのではなく、売りたいものを売る」という志のもと、かがた屋酒店が専門店の方向に舵を切ったのは昭和55年ごろになります。以後、こだわりの日本酒、焼酎、リキュールの三本柱で商いをさせていただいて今日にいたります。文・写真=和醸和楽市場、価値、そして文化の創造に挑戦街を歩いてもなかなか目にすることのない「地酒の専門店」ですが、もしかしたら皆さまが気づいていないだけで、ご近所にもあるかもしれません。げんに当店のご近所の皆さまにもこだわりがしっかり認知されているかというとまだ不十分です。インターネットなどを使って広域に、そしてスピーディにアプローチする感性を磨きながら、まだまだ泥臭く地元に根ざす手法も大切にしたいと思っています。蔵元さんが造るお酒を右から左に中継するだけの酒屋ではなく、「市場を創る」「価値を創る」「文化を創る」挑戦を心がけています。これからはどれだけ「創る」ことができ...
連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第2回 宮城の齋林本店より東日本大震災のご報告
「がんばろう! 東北」 第2回宮城の齋林本店より東日本大震災のご報告皆さまお元気ですか。宮城県の『齋林本店』 齋藤です。大震災から2ヵ月が経ち、ようやく落ち着きをみせてまいりました。当店の位置するところは大きな被害を受けた沿岸部より30分圏にあり、たくさんの方々とふれあい、そこで感じたことを書きたいと思います。少々、長くなりますが気長に読んでください。文=『齋林本店』齋藤高史「青空酒屋 齋林」を開店!3.11 大震災 震度6強。長く強烈な揺れのなか、私はご来店のお客さまに覆いかぶさり守ることで精一杯でした。リーチイン(ガラス扉付きの什器)の上段からゴンゴンと私の背中に落ちてくるお酒。目の前でガシャガシャと落ちては割れていくお酒。どうしようもありませんでした。外は、蔵が崩れ、土煙りでモヤがかかっているような状態……呆然としていた私ですが、急いで家族とスタッフの安否を確認し、ほっとした……そんな記憶が残っています。店舗は、2年前に改装したばかりで持ちこたえましたが、古い家屋、酒倉庫、蔵...
連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第3回 仙台市のカネタケ青木商店より東日本大震災のご報告
「がんばろう! 東北」 第3回仙台市のカネタケ青木商店より東日本大震災のご報告宮城県仙台市の『カネタケ青木商店』です。3月11日の地震発生時、私は「日高見」を造っている石巻市の平孝酒造さんの蔵にいました。ちょうどお昼を平井社長と食べて蔵へもどり、お茶をいただいていたときでした。地震発生です。立ってられないほどの揺れが2、3分つづいたでしょうか。文=『カネタケ青木商店』石巻の津波の被害状況は目に焼きついて一生忘れないでしょう津波の警報が鳴り響きつづけています。私たちは何もできないまま近くのマンションのある高台へと避難しました。仙台の店舗との連絡もとれず、不安が広がっていきました。蔵のまわりはじわじわと水が入ってくるような感じでした。しばらく避難していたのですが、クルマのテレビをつけたときはじめて状況がわかり愕然として、これから大丈夫だろうかという恐怖を感じました。仙台の従業員は無事か、店は大丈夫か、不安でほとんど眠れません。仙台にもどれたのは4日目で、3日間は蔵でお世話になってました...
和醸和楽|日帰りとボランティア付き1泊ツアー「仙台 七夕酒の宴」
和醸和楽日帰りとボランティア付き1泊ツアー募集中!首都圏から参加できる「仙台 七夕酒の宴」歴史ある「仙台七夕まつり」の開催期間中の8月7日(日)に、日本酒の啓蒙活動をおこなっている蔵元と酒販店の会「和醸和楽」と賛同する計45蔵が、仙台に集合! 「仙台 七夕酒の宴」~ニッポンの力水 日本酒で元気に~をテーマに、江陽グランドホテルにて、日本酒の宴を開催する。今回は、日本旅行と提携して、東京からの「仙台日帰りツアー」と、松島の旅館に宿泊する七夕見学と被災地でのボランティア活動をふくんだ「1泊2日」の2コースから選べる。Text by OPENERS日帰りプランは、酒の宴参加費、往復バス代、車中食事代で1万2000円!ニッポンの力水である日本酒で、被災地に元気をとりもどそう──仙台七夕まつりの日に、首都圏からの参加者と、地元の参加者が人気蔵元とお酒を大いに酌み交わし、おいしいお酒を楽しむことで、日本酒で「縁」を結び、ともに日本を元気にしたいという「仙台 七夕酒の宴」が開催される。 「...
連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第5回 宮城の大沼酒造店より東日本大震災のご報告
「がんばろう! 東北」 第5回宮城の大沼酒造店より東日本大震災のご報告「乾坤一」を造っている、宮城県の大沼酒造店です。東日本大震災より3ヵ月がたちました。私の町は、国道4号線より少し山手に入ったところにありますので、震災のときは震度6強の地震だけでした。文=大沼酒造店 大沼 充今年の冬、なんとかお酒造りが再開できるように努力していきます津波の被害はありませんでした。町内の場所で亡くなった方はおられませんでしたが、沿岸部で仕事をしていた方が数名お亡くなりになりました。おなじ宮城県でも沿岸部の方々のことを思うと、申し訳ないというか、残念でなりません。私の町、蔵の町村田、小京都村田。歴史は古く、江戸末期、明治、大正と古い蔵がたくさん建ちならんでいます。今回の地震ではたくさんの蔵が被害を受け、ほとんどが倒壊を示す赤紙を貼られました。立ち入り禁止です。 弊社の蔵も赤紙を貼られました。取り壊しをふくめての選択です──3月末に沿岸部のお得意さまのお見舞いに行きましたが、何もありませんで...