連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第3回 仙台市のカネタケ青木商店より東日本大震災のご報告
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2015年5月25日

連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第3回 仙台市のカネタケ青木商店より東日本大震災のご報告

「がんばろう! 東北」 第3回

仙台市のカネタケ青木商店より東日本大震災のご報告

宮城県仙台市の『カネタケ青木商店』です。3月11日の地震発生時、私は「日高見」を造っている石巻市の平孝酒造さんの蔵にいました。ちょうどお昼を平井社長と食べて蔵へもどり、お茶をいただいていたときでした。地震発生です。立ってられないほどの揺れが2、3分つづいたでしょうか。

文=『カネタケ青木商店』

石巻の津波の被害状況は目に焼きついて一生忘れないでしょう

津波の警報が鳴り響きつづけています。私たちは何もできないまま近くのマンションのある高台へと避難しました。仙台の店舗との連絡もとれず、不安が広がっていきました。

蔵のまわりはじわじわと水が入ってくるような感じでした。しばらく避難していたのですが、クルマのテレビをつけたときはじめて状況がわかり愕然として、これから大丈夫だろうかという恐怖を感じました。仙台の従業員は無事か、店は大丈夫か、不安でほとんど眠れません。

仙台にもどれたのは4日目で、3日間は蔵でお世話になってました。3日もお世話になってしまい、平孝酒造さんには頭が上がらない思いです。

4日目には水がだいぶ引いてきたので、クルマでとおれるところを迂回しながら仙台を目指しました。途中の石巻の津波の被害状況は目に焼きついて一生忘れないでしょう。

ある地点まで来ると携帯電話がつうじるようになり連絡がとれました。みな無事とのこと。本当によかったと心から思いました。

店の被害としては、店内、バックヤードで在庫の半分程度は破損してましたが、倉庫、冷蔵庫はさほど被害はありませんでした。

隣のコンビニエンスストアも開いてない、まわりが夜になると暗いんです。少しでも明かりを灯そう、そんな気持ちで3月15日から在庫での営業をはじめていまにいたります。

今回思ったことは、本当にいろいろな方々に支えられて生活しているんだということ。本当に助けられました。

蔵の情報が一般の皆さまに正確に伝わっていないことが非常に多くありました。私たち酒販店は、蔵元と直接会話する機会が多いですから、お客さまにいま、現状を正しくお伝えすることが使命だと思いました。

そしてなにより蔵からお酒を買って、皆さまに飲んでいただき、少しでも楽しい時間を過ごしてもらう──いまはこんなシンプルなことを考えています。

カネタケ青木商店
宮城県仙台市太白区鹿野1-7-16
Tel. 022-247-4626
営業時間|9:30~20:00
無休
http://www.h6.dion.ne.jp/~aokisake/

           
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