3.11から11年。復興の象徴「一本松」の名を冠したクラフトビール|EAT
LOUNGE / EAT
2022年3月23日

3.11から11年。復興の象徴「一本松」の名を冠したクラフトビール|EAT

Ippon Matsu Ale | 一本松エール

震災復興へ向けた、“希望のビール”

被災地を支援するソーシャルプロダクトとして、クラフトビール“一本松エール”が、クラフトビール醸造所・陸前高田マイクロブルワリーおよび公式ONLINE STOREにて、東日本大震災から11年となる今年2022年3月11日より発売された。

Text by TANABE Keitaro

高田松原の再生を目指して

11年前のあの日、陸前高田の街と7万本の松の木は見たこともない大きな波に飲み込まれていった。ただ、一本の松の木を残して。この“奇跡の一本松”は、復興の象徴として当時大変話題となった。
2012年、奇跡の一本松になぞらえた、“一本松ビール”という復興チャリティープロジェクトが始まった。ニューヨーク在住の日本人が「なんとか被災地の力になりたい」とクラフトビールを自作し、その思いに賛同したアーティストの作品のチャリティオークションを開催するなど、ビールを提供するイベントを通じて、多くの来場者から寄付金を募った。
イベントはニューヨークを皮切りにロンドンや東京へと広がり、国籍を問わず多くの人々からサポートを受け、総額2,071,477円という額の寄付金が集まり、陸前高田の生活を支える人々やお店、みなしご教育基金へと渡った。
震災から11年となる今年、より広くより多くの人に“ビールを楽しみながら”復興チャリティーに参加してもらうために、一本松ビールプロジェクトから新たにソーシャルプロダクトとしてのクラフトビール“一本松エール”が登場した。
一本松エールのレシピを手がけたのは「陸前高田マイクロブルワリー」。プロジェクトスタートから10年という歳月の中で、交流を深め関係を育んできた陸前高田の街に、2020年に新たに誕生したクラフトビール醸造所だ。
その仕上がりは、まさに希望の味わい。IPAならではのホップの強い香りと苦味を生かしたグラッシーさと、松の香りと苦味、微かな柑橘の香りが爽やかな、今年限定の味となった。鼻から抜けるその香りは、かつてあった松林を想起させる。
 
一本松エールを購入すると、100円が「高田松原を守る会」に寄付される。高田松原の再生に向け、松苗植樹などの活動に全力で取り組んでいる団体だ。
また、YouTubeにて一本松ビールプロジェクトが10年をかけて形を変えて、陸前高田マイクロブルワリーで一本松エールとして結実することになった時間の経過と、震災から復興していく町の姿がリンクしていくかのような、オリジナルムービーが公開されている。震災を忘れないためにもぜひチェックしよう。

6 - Ippon Matsu Ale by Rikuzentakata Microbrewery | 一本松エール by 陸前高田マイクロブルワリー

被災地の方々は、現在進行形で新しい街を作るために尽力し続けている。悲しい記憶は決して消えないが、その歩みを止めることはない。そんな被災地に対して私たちはどんな関わり方ができるだろうか。震災や復興支援との新しい関係性や、今の陸前高田に関心を持つ一つのきっかけとして、一本松エールが世界中の人に愛されることを祈っている。

一本松エール

  • 価格|1,650円
  • 品目|発泡酒
  • 原材料名|麦芽(イギリス産),ホップ,カラギナン
  • 内容量|500ml
  • アルコール分|5.5%
  • ※内100円が「高田松原を守る会」に寄付されます。
問い合わせ先

陸前高田マイクロブルワリー
https://camocy.jp/shop/392/

問い合わせ先

特定非営利活動法人 高田松原を守る会 
https://takatamatsubara-mamorukai.jp/