ヴーヴ・クリコが贈る、シャンパーニュの“偉大なる女性”へのオマージュ

Veuve Clicquot｜ヴーヴ・クリコラ・グランダムロゼ 2015 ×パオラ・パロネット

シャンパーニュメゾン、ヴーヴ・クリコはマダム・クリコを讃えるため、最新のシャンパーニュ「ラ・グランダムロゼ 2015」をリリース。さらに現代アーティストのパオラ・パロネットとのコラボレーションボトルを、2024年12月下旬よりリリースしている。

Text by WASEDA Kosaku

メゾンの真髄を表したカラー“ペスカ・キアロ”を纏うコラボレーションボトル

長年にわたりシャンパーニュの革新を牽引してきたメゾン、ヴーヴ・クリコ。特にその創始者であるマダム・クリコは、シャンパーニュ造りにおける数々の革新をもたらした偉大な女性であり、特に「ロゼシャンパーニュ」の造り方に革命を起こした。彼女は、赤ワインと白ワインをブレンドすることで、華やかなピンク色と深い味わいを生み出す技術を確立した。メゾンには、今もそのチャレンジングで創造的な精神は引き継がれている。

Veuve Clicquot｜ヴーヴ・クリコラ・グランダムロゼ 2015 ×パオラ・パロネット

今回、ヴーヴ・クリコが発表した「ラ・グランダムロゼ 2015」×パオラ・パロネットのコラボレーションは、シャンパーニュの色彩と芸術が融合したコラボレーションボトルだ。

パオラ・パロネットは、イタリア出身の現代アーティストで、色彩を巧みに駆使した作品で知られる。彼女は82種類の色を独自に調合し、作品に命を吹き込むことで“色彩の巨匠”と称されている。ヴーヴ・クリコがその革新精神を受け継ぐ「ラ・グランダムロゼ 2015」に、パオラの色彩美が加わり、新たな芸術的表現が生まれた。

本コラボレーションでは、パオラ・パロネットが「紙粘土」を使った作品に自然光を取り入れる手法で、マダム・クリコの情熱と美意識を表現した。新たにデザインされたギフトボックスは、ロゼシャンパーニュの美しい色調と調和し、視覚と味覚の両方で贅沢な体験を具現している。

パオラ・パロネットは、「“ペスカ・キアロ”と呼ばれる繊細で鮮やかな色を選びました。このキュヴェの正確で骨格のある特徴を芸術的に表現した繊細なピンクです。その中心には太陽のようなイエローのタッチがあり、ラ・グランダムコレクションに明るいアクセントを添えています」と本ボトルについて述べている。

「ラ・グランダムロゼ 2015」は、ヴーヴ・クリコのセラーマスターであるディディエ・マリオッティの手によって生み出された。注目すべきは、シャンパーニュ地方のグランクリュ畑であるブジー村の「クロ・コラン」から収穫されたピノ・ノワールを13％ブレンドした点だ。これにより、赤ワインの深みと複雑さが加わり、シャンパーニュに奥行きを与えている。

また、「ラ・グランダムロゼ 2015」の構成は、全体の90％を占めるピノ・ノワールと10％のシャルドネからなり、このブレンドがシャンパーニュ特有の骨格とハーモニーを生み出している。7年以上の熟成を経て、フレッシュさを保ちながらも、その味わいは深みを増している。2015年のヴィンテージは、降雨量が少なく、豊富な日照を浴びたことで、凝縮感とストラクチャーに優れており、ピノ・ノワールの精密さと深みが際立つ。

味わいは、コショウやナツメグ、クローブといったスパイス香が、赤い果実やバラ、スミレなどのフローラルなニュアンスと見事に調和している。口に含むと、そのピュアで滑らかな舌触りが広がり、シャンパーニュの持つ複雑さと優雅さが感じられる。特にこのロゼシャンパーニュは、香りが豊かでありながらも、決して過剰ではなく、品のある余韻を残す。

その繊細な味わいが地域の旬の食材と絶妙にマッチする。特に、ミネラル感が豊かな料理や、ヨードと塩味を効かせた料理との相性が抜群である。また、このシャンパーニュは、ガストロノミーとのペアリングにも適しており、程よく味付けされたラム肉のグリルや、ローストしたマグロ、タコのマリネなどと合わせることで、その魅力が一層引き立つ。

パオラ・パロネットとのコラボレーションにより、色彩と味わいの両面で贅沢な体験を提供し、視覚的にも味覚的にも楽しませてくれる。シャンパーニュ愛好家ならばぜひとも手に入れておきたい1本だ。

パオラ・パロネット
1965年イタリア・ポルデノーネ生まれ。ウンブリアとトスカーナで陶芸技術の原理を学んだ彼女は、たちまち土の虜に。長期に渡る技術研究、そして数多くの手法や素材を試し、試行錯誤の結果彼女が選んだのは紙のパルプ。これにより豊かな彫刻作品シリーズ：”Cartocci コレクション”が誕生した。制作には大変長く手間のかかる工程を要し、これらの個性的な作品の数々は、イタリアを始めとする世界中の高級店やギャラリーで展示されている。30年以上にも及ぶ長い探求の中で、彼女は古代陶芸の技術や様々な楽焼の表現方法、そして現在はポーセリンとペーパークレイの独自の解釈と世界観を生み出した。