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2021年10月22日
─言でいって、速くて、快適──日産ノート オーラに試乗|NISSAN
NISSAN NOTE AURA|日産ノートオーラ
日産ノート オーラに試乗
新型ノートの上位モデルとして2021年6月にデビューした日産ノートオーラ。エンジンで発電し、モーターで駆動する「e-POWER」によるスムーズな走りや、日産が「上質をまとったコンパクト」とする内外装の仕上がりが評判の同モデルに、モータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗した。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by KAWANO Atsuki
スポーティな操縦性に感心
ハッチバック車は、折りに触れて私たちに、いい意味で衝撃を与えてくれてきた。最初はご存じのように、1974年の初代ゴルフ。そののちホットハッチが登場したり、リアエンジンの超小型ハッチや、3人乗りなど、着想もユニークなモデルが多い。最新の“おどろき”は日産自動車が2021年6月15日に発売した「ノートオーラ」だ。
ノートオーラは、20年12月に登場した新型ノートの上位モデル。「e-POWER」と日産が呼ぶ、ハイブリッド車だ。このモデルでは、シリーズハイブリッドといって、エンジンを搭載するものの、モーター駆動用バッテリーへの充電のためにしか使わない。なので、モーターで走るEVである。一言でいって、速くて、快適だ。
ノートオーラはノート同様、新開発の小型車用プラットフォームを使う。「e-POWER」なる日産の電動車のコンセプトを採用して、100kWの最高出力と300Nmの最大トルクを発生する前輪駆動用の電気モーターと、バッテリー充電用の1198cc3気筒エンジンを搭載する。
今回試乗した「ノートオーラG-FOUR」は車名のとおり、4輪駆動。50kWと100Nmのモーターがリアに追加されているのだ。メリットとして、カーブでの曲がりやすさ、減速しても頭が振られないフラットな姿勢の維持、それに滑りやすい路面での走行安定性があげられている。
前輪駆動版でも、まったく不満がなかったものの、たしかに4WDはよりしっかり走る。速度が上がったときの直進安定性といい、カーブを曲がるときの身のこなしの軽やかさといい、大トルクをうまくこなして、スポーティな操縦性を生み出しているのに感心させられる。
カーブではモーターの駆動力制御に加え、必要に応じてブレーキ制御が行われるそうだ。いわゆるトルクベクタリングのように、内側の車輪に軽く制動をかけることで積極的にコーナリング上の姿勢を制御するのだろう。
前後輪のトルク配分は、通常、フロントが6割でリアが4割から前後均等で走る設定、と日産の開発者は説明してくれる。最大でフロント3割、リア7割まで変化していくという。駆動力配分は、走行中の車両が受けるさまざまな方向からのGやドライバ-の操作によって決まっていく。これを日産では「フィードフォワード制御」とよぶ。