連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第6回 仙台の阿部八酒店より東日本大震災のご報告

連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第6回 仙台の阿部八酒店より東日本大震災のご報告

「がんばろう! 東北」 第6回仙台の阿部八酒店より東日本大震災のご報告ご支援、ありがとうございます!仙台の阿部八酒店です。まずは、このたびの大震災で被災された方々にお見舞い申し上げます。また、全国、世界の皆さまからのあたたかいご支援、本当にありがとうございます。文・写真=阿部八酒店これがあって助かったぁ、と思ったもの3月9日のM7.3の地震は序章だったのでしょうか……。3月11日のあの時間、2日前の余震かな? と思わせる小さな揺れは、後半一気に長くて激しい揺れになり、目の前の酒がつぎつぎと倒れ落ち、停電で暗くなった店内の光景は、私自身小学生だったときの宮城県沖地震を思い起させる、まさに悪夢を見ているかのようでした。店舗前の通りに出ると、クルマも止まり、通行人も座り込み、シーンと静まりかえったようすは、まるで映画のワンシーンを見ているかのようで、不気味な静けさであきらかにパニック状態。電気も止まり、テレビでの情報は得られず、情報はラジオで得ていました。電話もつうじないため、メールで家...
連載・和醸和楽|第40回 ちょっと気軽に日本酒をカップで『味ノマチダヤ』

連載・和醸和楽|第40回 ちょっと気軽に日本酒をカップで『味ノマチダヤ』

わくわく、どきどきの仕掛けを日々試行錯誤ちょっと気軽に日本酒をカップで『味ノマチダヤ』現在、中野区は人口31万人を超え、人口密度は23区内でもっとも多い街です。弊社『味ノマチダヤ』は昭和28年創業。最寄駅がJR 中野駅、東中野駅、西武新宿線 新井薬師前駅、東西線 落合駅のほぼ中央にあり、昔は商店街としてにぎわいましたが、時代とともにシャッター通りに変わっていきました。文・写真=和醸和楽最新カルチャーといにしえの伝統が交差する街 中野そんな孤軍奮闘のなか、わざわざ足を運んでくださるお客さまにご満足いただけるよう、わくわく、どきどきの仕掛けを日々試行錯誤している、そんな店づくりと提案の店です。 "『たきびのうた』の発祥地" この街には、ほかの街にはない独自のカルチャーがたくさんあって、たとえば、さまざまお店が入っている「中野ブロードウェイセンター」は、古本マンガ専門店『まんだらけ』を目指して世界中から多くのファンが訪れています。また、2011年2月には、『丸井本店』がリニューアルオ...
連載・和醸和楽|第42回 生み出される酒の一滴一滴に魂を込める『高木酒造』

連載・和醸和楽|第42回 生み出される酒の一滴一滴に魂を込める『高木酒造』

早くも23BY(酒造年度)に向けて始動しはじめた『十四代』生み出される酒の一滴一滴に魂を込める『高木酒造』20年あまりの私の酒造りキャリアのなかでも、“22BY(酒造年度)”は忘れられないモノとなりました。文・写真=和醸和楽音のない空間から、発酵をつづける酵母の音昨年の夏の暑さで、酒米は高温障害の影響で堅いお米となり、どの蔵元さんも酒を醸すなかでご苦労をされたことと思います。私の蔵も例外ではなく、お米の特性を把握するまでに苦労をしました。そんななかでも順調に仕込みは推移し、ゴールが見えてきた矢先の大地震……。揺れは大きかったものの、建物やお酒の被害はありませんでしたが、電気が途絶え、酒造りにとっては大きな痛手を被りました。丸3日間、電気のないなかでの仕込みがつづきました。どんなことがあっても途絶えることだけはないようにと、酒を造りつづけることに心血を注ぎました。真っ暗な仕込蔵に入ったときのことです。音のない空間から、発酵をつづける酵母の音が聞こえてきました。「プツプツ……プツプツ」...
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連載・和醸和楽|最終回 魚でやるなら「日高見」だっちゃ! 『平孝酒造』

連載・和醸和楽|最終回 魚でやるなら「日高見」だっちゃ! 『平孝酒造』

今宵は三陸の牡蠣と「日高見」で乾杯魚でやるなら 「日高見」 だっちゃ!平孝酒造は、文久元年(1861年)創業の蔵元です。蔵がある宮城県石巻市は、北東北を縦断する北上川の河口に開けた港町です。Text& Photographs by WAJOWARAKU「日高見」が目指す酒質とは江戸時代には、伊達藩と南部藩の米の集積地として栄え、お米がたくさん集まる環境から酒造りが盛んで、当時の藩政では「造り酒屋は一宿一場」と定められていましたが、なんと、石巻には16場もの造り酒屋があったと伝えられています。また、石巻は金華山沖で暖流と寒流の交わる世界三大漁場のひとつとしても称えられ、四季折々に、おいしい魚介類がたくさん水揚げされています。とくに牡蠣がお薦めです。また最近石巻市では、金華山周辺で獲れるサバ、カツオなどをブランド化して、そのおいしさをPRしています。そのほかにも、おいしいお寿司や魚の加工品などもたくさんあります。石巻にお越しの際は、お魚料理やお寿司を食べていってください。当社で...
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和醸和楽|第17回 こだわりをもって吟味して醸した特別なお酒を「酒のやまもと」

和醸和楽|第17回 こだわりをもって吟味して醸した特別なお酒を「酒のやまもと」

こだわりをもって吟味して醸した特別なお酒を「酒のやまもと」 の想い「酒のやまもと」は、日本大好き、酒を通じて、ひとと縁をもてるのが大好きな酒屋です。日本各地でこころざしをもって醸している蔵の日本酒を、皆さまにご紹介しております。そして飲んでいただく喜びを、いつももちつづけて生きております。そんな蔵元が醸した酒を皆さまにご紹介、販売できることを喜びに、一生懸命酒屋をいたしております。文・写真=和醸和楽酒のやまもとのオリジナル商品をご紹介「酒のやまもと」は、こころざしある蔵元が大好きです。そんな蔵は、いい酒を必ず醸します。いい酒を飲ませてくれます。ただ酒を販売するのではなく、蔵元がよりよい酒造りに専念でき、いま以上に良い状態で残り、多くの人に愛されることを願ってやみません。そんなこころざしある蔵元のなかで、酒のやまもとオリジナルのお酒を造ってくれている蔵元があります。安心・安全・高品質を追求し、蔵元と話し合いこだわりをもって吟味して醸した特別なお酒です。今回は、そのなかからいくつか、ご...
連載・和醸和楽|第27回 野菜と日本酒を販売する『小倉屋酒店』

連載・和醸和楽|第27回 野菜と日本酒を販売する『小倉屋酒店』

農家と蔵元の皆さんが手塩にかけたもの野菜と日本酒を販売する 『小倉屋酒店』東京都八王子市は、都心より西へ約40キロ、電車で約1時間の緑豊かな多摩丘陵にあります。面積186キロ平方メートルの広大な土地に人口55万人、市内には大学が21校あり、市民と学生が行き交う街です。また、来年には圏央道が開通し交通アクセスがよくなるため、ベッドタウンとしていまも宅地造成が進んでいます。文=和醸和楽野菜と日本酒の共通点とは歴史をさかのぼると、江戸時代は市内各所で蚕を飼い絹織物の街として栄えました。しかし、大正末期から昭和初期にかけ服装が着物から洋服へと変わり絹織物産業が衰退していくなか、日本国内でいち早くネクタイ製造へと切り替え、現在は日本有数のネクタイ産地として国内外有名ブランドメーカーと契約しライセンス製造をしています。そしてもうひとつ江戸時代には、甲州街道の宿場町(八王子宿)として栄え、芸者さんが行き交う花街としても有名でした。第二次大戦の空襲により戦後は一旦途絶えたのですが、昭和30年代に復...
連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第8回 宮城県石巻市の平孝酒造より東日本大震災のご報告

連載・和醸和楽|「がんばろう! 東北」 第8回 宮城県石巻市の平孝酒造より東日本大震災のご報告

「がんばろう! 東北」 第8回宮城県石巻市の平孝酒造より東日本大震災のご報告こんにちは、平孝酒造の平井です。このたびの震災で被災したお酒を「震災復興酒 希望の光」として販売しています。このお酒は、平成23年3月11日の東日本大震災によって被災したお酒です。純米酒を中心に大吟醸や純米吟醸など、発酵中のお酒が被害にあいました。文・写真=平孝酒造発酵中の醪(お酒)の全廃を覚悟しました震災直後、仕込み蔵は地震の揺れの激しさから、発酵中の醪(お酒)がタンクから溢れ、床一面、白い絨毯を敷き詰めたのかと、錯覚するような情景でした。溢れ出た醪は霧状になり、あたり一面に立ち込め、蔵の奥がよく見通せない状況で目の前の光景を疑いました。そして、溢れ出た醪が発生している音なのか、いままでに聞いたことのないような音が蔵内にこだまし、まるで醪の悲鳴のようにも聞こえ、何とも言えない恐怖感を覚えました。建物のいたるところが壊れ、立ち入ることが困難になり、同時にライフラインが寸断し、発酵中のお酒の管理ができなくなっ...
和醸和楽|第19回 新店舗で、みちのく福島のおいしいお酒を「泉屋」

和醸和楽|第19回 新店舗で、みちのく福島のおいしいお酒を「泉屋」

新店舗で、みちのく福島のおいしいお酒を 「泉屋」郡山市は福島県の中心部に位置し、東京からだと東北新幹線で約1時間20分ほど。人口34万人の商業地です。店舗の目の前に広がる開成山公園は、街のシンボリックな緑地公園として市民の憩いの場となっています。文・写真=和醸和楽“開物成務”の精神で、日本酒ファンの開拓をつづけていこうと思いますこの地は、かつて大槻原野と呼ばれ、わずかな田畑があるだけの貧しい土地でした。地元商人を中心に、「開成社」なる結社を設立し、猪苗代湖から灌漑施設を整備し、安積原野の開拓という夢への一歩が踏み出されました。この動きに新政府官僚であった大久保利通が注目、一気に安積疎水実現へ向けて大きく動き出したのです。西南戦争や大久保利通の暗殺など、歴史の大きなうねりのなかを潜り抜けて、明治12年、士族授産最大の事業であり、国営による農業水利事業が着工しました。久留米、岡山、土佐、松山、米沢といった諸藩からの入植者をはじめ、延べ85万人の力により明治15年に完成の運びとなりました...
連載・和醸和楽|第32回 歴史も飲む酒「乾坤一」 大沼酒造店

連載・和醸和楽|第32回 歴史も飲む酒「乾坤一」 大沼酒造店

江戸時代が色濃く残る町 「村田」 より歴史も飲む酒 「乾坤一」宮城県の大沼酒造店です。場所は東北道で山形県へ分岐するところ「柴田郡村田町」になります。銘柄名は「乾坤一(けんこんいち)」といいます。江戸時代は「不二正宗」で醸造していましたが、初代宮城県知事の松平正直氏より「乾坤一」の銘柄をつけていただきました。易学からいただいたと聞いています。文=和醸和楽写真=JAMANDFIX(TOP)仕込み水、お米、杜氏と地酒の三大要素を宮城県産にすべく頑張っています伊達六十万石政宗公、七男宗高公の城下町で、正徳2年よりお酒を造りはじめました。みなさまの町に歴史があるように、私の町にも少し歴史があります。江戸中期には紅花の売買で町が栄えました。江戸時代、紅花は山形県の特産品で、紅色の染め粉として山形県寒河江地域から最上川船下りで酒田まで荷を運び、北前船で京都まで運んで隆盛を極めました。政宗公が山形県出身で、おそらく紅花が高価な材料と知っていたため村田町にもつくらせ、蔵王山を越えて山形に運び商いを...
和醸和楽|第4回 KOBEから入魂の地方銘酒を届けます・すみの酒店

和醸和楽|第4回 KOBEから入魂の地方銘酒を届けます・すみの酒店

気心知れた28の清酒蔵元と29社の焼酎・泡盛の蔵元と大手清酒メーカーひしめくKOBEから入魂の地方銘酒を届けます「すみの酒店」酒どころとして名高い「灘五郷(なだごごう)」から北西へクルマで40分、さらに北に進めばあの山田錦の聖地・東条町まで60分という神戸の山奥、六甲全山縦走ルート上に位置する山奥にて酒屋を営んでいます。年に数度は猪・鹿・猿が満喫できる、ダイナミックな自然も売りです。文・写真=和醸和楽「なんかあの店ええやん」的スローな商売を営んでいますちなみに先の震災で全国区になったわれらが長田区ですが、神戸市内では“神戸で一番~”がとても多いので有名です。せっかくですので、紹介させていただきます。神戸で一番ガラが悪い(と思われている)神戸で一番高齢者人数が多い神戸で一番外国人が多い神戸で一番人口密度が高い神戸で一番観光ガイドに載らない神戸のJR沿線で唯一快速が止まらないが、じつは神戸で一番治安が良い(らしい)こんな愛すべき町がわが町、NAGATAです。ちなみに長田区は大きく分けて...
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