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2026年1月23日
勝利のための「休息」と「住まい」。金メダリスト・角田夏実が語る、"無意識のコンディショニング"
THE GRANDUO|ザ・グランデュオ
2024年パリ五輪柔道で金メダルを獲得した角田夏実さん。彼女の強さを支えてきたのは、「ネガティブな要素をいかに排除するか」という徹底した準備力だった。オンとオフの切り替え、無意識のうちに進むリカバリー、身体を守る水と空気。その思考は住まいにも及ぶ。
身体への感度が極限まで研ぎ澄まされたアスリートが「良い」と感じる住環境とは何か。それは、帰宅した瞬間に肩の力が抜ける家。現代を生きる私たちが本当に必要としているものの、ひとつの究極形なのかもしれない。
Text by AOYAMA Tsuzumi | Photograph by DESHIMA Yu | Hair and Make-up by IITSUKA Yuko | Fashion Styling by HARUKI Maho | Interior Styling by KONISHI Akiko
世田谷区用賀。閑静な住宅街の一角に佇む「THE GRANDUO YOGA」で、角田さんと、同物件を手がけた不動産デベロッパー、フェイスネットワーク代表の蜂谷二郎さんとの対談が始まった。テーマは「準備力」と「無意識の健康」。勝負の世界で培われた徹底した準備の思想と、住まいが提供できるウェルネスの可能性を探る。
外の世界から「自分だけの空間」へ戻るための距離とは何か。敷地延長46メートル、厚さ900ミリのコンクリートスラブ6枚で構成されるTHE GRANDUO YOGAには、「住まうだけで、無意識のうちに心身が満たされる」という同社のコンセプト「FULNESS(フルネス)」が凝縮されている。
身体への感度が極限まで研ぎ澄まされたアスリート、角田さんは、この空間に何を感じるのか。そしてその眼差しは、あらゆる生活者にとっての「良い住まい」の本質を浮かび上がらせるものでもあった。
50メートルの「距離」が切り替える、オンとオフ
対談の舞台となった、THE GRANDUO YOGAの最大の特徴は、道路からエントランスまで続く約50メートルのアプローチだ。板張りの軒天、足元を照らすライン照明。歩を進めるごとに、外界の喧騒が遠のいていく設計になっている。
THE GRANDUO YOGAのエントランス。約50メートルのアプローチが、意識の切り替えを促す
「この敷地の長さを活かして、日常から住まいへ切り替えるための距離として設計しました」と蜂谷さんは語る。
都心の賃貸住宅でこれほど贅沢に「間(ま)」を設けた物件は稀だろう。しかしこの物理的な距離こそが、現代人に必要な「スイッチを切る装置」なのだと蜂谷さんは言う。
そして、角田さんにとっても、オンとオフの切り替えは長年の課題だった。
「自宅に帰ったらオフっていう感じを持てずにいました。常に精神的に張り詰めていて、自分で意識して、頑張らないと気持ちをオフにできないんです」
意識しなければ、常に張り詰めた気分になってしまうという角田さんには、休日でも何かに追われているような感覚や、休んでいることへの罪悪感が常に付き纏っていたという。
「やる時とやらない時っていうのはメリハリをつけるようには意識しているんですけどね。オフの時間は絶対に必要ですし」
一方で、調子が良いときほど自分にブレーキをかけてオーバーワークを防ぐ必要もあるそうで、コーチや周囲の声を聞いてオフを取らなければ、怪我のリスクも高まるのだという。身体と精神の両方を酷使し続けることの危うさを、角田さんは語る。
深呼吸できる「広さ」と「リズム」
THE GRANDUO YOGAの長いエントランスは気持ちを切り替えるヒントだ。物理的な「距離」が、心理的な「切り替え」を促す。50メートルのアプローチを歩く時間が、外の世界から自分だけの空間へと意識を移行させる準備運動になる。
エントランスを抜け、部屋に入れば、奥行き12.5mのLDKが広がる。壁ではなく350ミリの段差で空間を緩やかに仕切るスキップフロア構造。設計を手がけた小川達也さん(16Architects)は、会員制サーキット「MAGARIGAWA CLUB」の設計者としても知られる、「語りすぎない空間」を重視する建築家だ。
「このスキップフロア構造は、部屋と部屋のちょっと心理的な仕切りになる」と蜂谷さんは言う。壁で完全に区切るのではなく、アップダウンによって空間にリズムとメリハリを生む。同時に、視界の抜け感を確保することで、閉塞感を排除している。
減量期のアスリートにとって、閉塞感は大敵だ。角田さんは4週間で6〜7kgを落とす過酷な減量を経験してきた。
「減量は本当に大変で。少しずつ自分なりのやり方を構築して、こうやったらうまくできるという方法を見つけましたが、最後の段階では水抜きに近い状態になるんですね。そのときには、もう100g単位で体重を見ていくことになるんです」
そんな極限状態で過ごす空間に、視界の広がりと光の変化があることの意味は大きい。時間によって移ろう自然光が、精神をフラットに保つ助けになる。
もちろん、角田さんのようなトップアスリートが置かれる過酷な状況は多くない。しかし、締め切りに追われる日々、育児や介護の疲労、先の見えないプロジェクト。心身が張り詰める瞬間は、現代人なら誰にでもあるはずだ。
空気が整える「無意識のリカバリー」
THE GRANDUOシリーズの壁と天井、そして床には、ファイテン社の「ナノメタックス」技術がコーティングされている。これは従来「着る」「塗る」「貼る」ものだった同社のテクノロジーを、空間全体に施工したもの。つまり、この部屋で呼吸しているだけで、ファイテン製品を身につけているのと同じ働きが期待できるのだという。
角田さんとファイテンの関係は、中学生時代にまで遡る。試合の時はこめかみにテープを貼るのがルーティン。パリオリンピックでも同様だった。ただし五輪にはスポンサー規定があり、ロゴ入り製品は使用できない。そこでファイテンが用意したのが、ロゴのない「無地」のテープだった。
「元々ロゴ入りでオリンピックにも出るつもりだったんですが、規定でダメだって言われて。でもこれがなかったら試合できないって言ったら、無地ありますよ!と」
このテープを貼り忘れた試合では、明らかに調子が悪かったと角田さんはいう。ぼんやりする。視界がクリアでない。集中できない。「貼り忘れてる!」と気付き、2回戦から貼り直して、そのまま優勝できたという試合もあったという。目に見えない働きだからこそ、他人に説明するのは難しい。しかし本人にとっては、なくてはならないものだ。
そんなTHE GRANDUOシリーズにおいて、蜂谷さんは「住むだけで整う『無意識の健康』を目指しました」と語る。努力して健康になるのではなく、ただそこにいるだけでリカバリーが進む環境。角田さんのような「家では何もしないで休みたい」というタイプにとって、これ以上の理想はない。
減量期の身体を守る「水」
THE GRANDUOシリーズには「良水工房」と呼ばれる全館浄水システムが導入されている。キッチン、風呂、洗面、トイレ、すべての蛇口から出る水が浄水だ。塩素が軽減され、有害物質も除去されている。
「飲む水だけでなく、肌に触れる水もすべてケアすることで、ストレスを減らします」と説明する蜂谷さんの言葉に、大きく頷く角田さん。
海外遠征の多いアスリートにとって、水の問題は切実だったという。
「海外遠征では硬水で肌が荒れたり髪がギシギシになるんですよ。水が違うとこんなにカラダにも影響があるんだということを知りました。THE GRANDUOでの暮らしは、お風呂の水まで浄水なのはとっても安心ですね」
角田さんにとって入浴は重要なリカバリー手段だという。
「入浴剤はめちゃくちゃ大事です。試合前の減量期にはお風呂で汗をかいて体重を落とすのがルーティンなので、海外に行くときも、お風呂用入浴剤を2、30種類ぐらい用意します」と角田さん。
減量期の身体は敏感だ。水の味にも肌への刺激にも、普段以上に反応する。だからこそ、日常の拠点となる家の水質が整っていることは、コンディションを維持するうえで大きなアドバンテージになる。
肌荒れや髪のダメージに悩む人、水道水の塩素臭が気になる人にとっても、全館浄水という発想は魅力的なはずだ。
データが支える「予測力」
THE GRANDUO YOGAのバスルームには、スマートバスマットが埋め込まれている。お風呂上がりに足を拭く3秒間で、15項目の体組成データが自動的にアプリへ送信される。
「スマートバスマットなら乗るだけで無意識にデータが取れる。変化に気づくことが『予測力』につながる」と蜂谷さんは説明する。
角田さんは、自分の状態を客観視することの重要性を熟知している。パリオリンピックの前には、スマートリングを使って睡眠やストレスの数値を確認していた。
「リカバリーしてないなら、ちょっと無理しないようにしようっていうのが分かったりすると、大きい風邪とか病気になりづらい。普段から細かく数字を管理することで、身体のトラブルを未然に防げるんです」
感覚だけに頼らず、数値で確認できることの安心感。睡眠の質が悪い日が続くと、その後のトレーニングで心拍が上がりづらくなるなど、角田さんなりの傾向があったという。そうした相関関係を把握しておくことで、対策が打てる。リスクマネジメントが可能になる。
「あらゆる面で自動化されているのがすごく嬉しいですね」と角田さん。毎日意識して体重計に乗り、記録する。そんな習慣は、忙しい日々のなかでは途切れやすいもの。しかしバスマットに乗るという、自然な動作のなかに計測が組み込まれていれば、継続のハードルは劇的に下がる。意識しないでできること。無意識のうちにデータが蓄積されること。それが、準備力を支えるインフラになる。
ネガティブ要素を排除するという発想
角田さんには、試合前に必ず行うルーティンがある。
「絶対家を綺麗にしてから行くって決めているんです。もし負けて帰ってきて家が汚かったらさらに落ち込むから」
勝っても負けても、帰る場所は同じだ。だからこそ、その場所からネガティブな要素を徹底的に排除しておくことで心を整える。
「ネガティブな要素をいかに排除していくか。家が原因のストレスをなくせば、言い訳ができなくなる。原因が自分にあると分かれば、次は改善できる」
角田さんにとって、それは次の勝利への最短距離だった。しかしこの考え方は、仕事でも、暮らしでも、応用できるものかもしれない。家が整っていれば、疲れの原因は環境ではなく自分自身にあるとわかる。心身を整えることの最初のステップは、住環境にしっかりフォーカスすることなのかもしれない。
「家に求めるのは、自分の空間、リラックス、誰にも邪魔されない場所、自分の好きなものが置いてあって、自分の好きな香りがして、落ち着ける空間っていうのを求めます」
この言葉を受けて、蜂谷さんはこう応じた。
「デザインしすぎないっていうのが、我々のテーマなんです。最後のデザイナーは入居者である。だから作り込みすぎちゃダメなんですよ」
世界一になった人間が、家に求めるものは意外なほどシンプルだ。しかしそのシンプルさを実現するために、建築の側にはどれほどの技術と思想が必要だろうか。
蜂谷さん率いるフェイスネットワークは、デザインだけでなく、空気、水、光、データという目に見えない領域に投資することで、「住むだけで整う家」を追求している。
「逆に言うと、多くのデベロッパーは目に見えるものにお金をかけます。なので我々は、本当に健康に寄与する住宅の機能に莫大なお金をかける方法を選びました。それは、他の会社ではなかなかできない」と蜂谷さんは言う。
理由は明快だ。多くのデベロッパーは物件を作って売却し、管理は別会社に委託する。そうなると、投資の判断基準は「内覧時に映えるかどうか」に偏りがちだ。空気の質も、水の純度も、写真には写らない。
一方、フェイスネットワークは企画・設計から管理運営までを自社で一貫して手がけている。入居者の満足が長期的な収益に直結するからこそ、「住んでみて初めてわかる価値」に投資できる。見えないものにお金をかけるには、見届ける覚悟がいるのだ。
住まいは「帰る場所」であり「出発点」
対談の終盤、角田さんはこう語った。
「住まいが、自分の意識とは関係なしに健康を整えてくれるなんて、そんな嬉しいことはありません。何か健康に気を遣わなきゃいけないとなると、しなきゃいけないこと、気をつけなきゃいけないことっていう制限が出てきたりしますよね。それを考えることが多分ストレスだと思うんです」
健康のために努力すること自体が、ストレスになる。矛盾のようだが、多くの現代人が抱えるジレンマだ。だからこそ、「意識しなくても健康でいられる環境」に価値がある。
余裕があるから、新しいことに挑戦できる。体調が良いから、可能性が広がる。住まいは単なる「帰る場所」ではなく、明日の自分を作る「出発点」なのだ。
金メダリストの強さは、畳の上だけで培われたものではない。日常のすべてを勝利につなげる思考と、それを支える環境。そのふたつが揃ったとき、人は最高のパフォーマンスを発揮できる。
それはアスリートに限った話ではないだろう。仕事に、家庭に、日々を懸命に生きるすべての人にとって、無意識のうちに心身を整えてくれる住まいは、明日への活力を生む源泉になる。THE GRANDUOシリーズが提示するのは、そんな「よく生きるための住まい」のひとつの形だ。
(角田さん)ジャケット、トップス、スカート共にSTUDIOUS(STUDIOUS WOMENS 表参道店 電話 03−6629−2335 https://studious.co.jp)、ルームシューズ &MEDICAL(&MEDICALl https://and-medical.com)
角田夏実
柔道家。1993年千葉県生まれ。SBC湘南美容クリニック所属。2024年パリ五輪柔道女子48kg級で金メダルを獲得。切れ味鋭い「巴投げ」を武器に、世界選手権でも複数回優勝を果たしている。中学時代からファイテンテープをこめかみに貼って試合に臨むルーティンを続け、パリの畳でも同様だった。試合前には必ず家を綺麗にしてから出発するという几帳面な一面も。オフの日は「家で何もしないこと」が最高の休息。
インスタグラムアカウント| @tsunoda_natsumi
蜂谷二郎
フェイスネットワーク代表取締役社長。金融機関で融資担当業務を経験後、2001年に有限会社フェイスネットワークを設立。2006年には株式会社フェイスネットワークへ組織変更。2018年東証マザーズ上場。2021年東証一部上場。2023年プライム市場からスタンダード市場へ移行。「一人一人の夢の実現をサポートするワンストップパートナーであり続ける」という理念のもと、お客様やその家族の人生プランに寄り添うスタイルで事業を展開。城南3区と呼ばれる世田谷区・目黒区・渋谷区を中心に300を超える物件を手掛ける。
心と身体が整う住まいに、少しでも興味を持たれた方へ。
本記事で紹介したTHE GRANDUO YOGAは、世田谷区用賀の閑静な住宅街に位置しています。同じ「FULNESS」のコンセプトを受け継ぐ物件は、桜新町と二子玉川にも展開中。いずれも、目に見えない価値への投資という思想が貫かれた住まいです。
詳しい募集条件や空室状況は、各物件のページからご確認いただけます。
THE GRANDUO
問い合わせ先
THE GRANDUO公式サイト
https://thegranduo.com/

