MOVIE TOKYO Tips
「MOVIE TOKYO Tips」に関する記事
『オデッセイ』SFミュージュックコメディという試み|MOVIE
MOVIE | サバイバルを明るく前向きに切り抜ける方法巨匠と名優の初タッグは、異色のSFコメディ作品『エイリアン』『ブレードランナー』の巨匠リドリー・スコット監督×『ボーン』シリーズのマット・デイモンが初のタッグを組んだ異色のSF作品が、スカラ座ほか全国でロードショー公開されている。Text by HORIO Yuuki絶望的状況に独りぼっち、それでも明るく力強いマット・デイモンに注目第73回のゴールデン・グローブ賞が2016年1月10日(現地時間)に発表された。ミュージカル・コメディ部門で作品賞と主演男優賞(マット・ディモン)を受賞したのが『オデッセイ(原題:The Martian)』だ。原作は、当時無名の作家であったアンディー・ウィアーのネット小説『火星の人』。ハリウッドのプロデューサーからNASAの科学者までも虜にしたという作品は、ノンフィクションのようなリアリティーとスリルに満ち溢れていながらとても楽しい。物語の舞台は、地球から2億2530万キロ離れた火星。ストーリーは、...
現代にも通じる心の闇を捉え、失う者の姿を描く『マクベス』 | MOVIE
MOVIE|悲劇を題材に人心の闇を描く『マクベス』の劇場公開が迫るシェークスピアの没後400年にあたる2016年。彼の四大悲劇のひとつ 『マクベス』が、ジャスティン・カーゼルの監督作品としてスクリーン上映される。主人公マクベスには『スティーブ・ジョブズ』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたミヒャエル・ファスベンダー、マクベスの妻役で『ミッドナイト・イン・パリ』のマリオン・コティヤールが出演。2016年5月13日(土)より、TOHO シネマズシャンテ他にて順次公開される。Text by HORIO Yuuki気が弱く、不安に苛まれるマクベスシェークスピアの四大悲劇のひとつ『マクベス』は、スコットランドの領主マクベスがいかにして王となり、いかにして崩壊していくかを描く戯曲だ。原作では主人公・マクベスは、野心を剥き出して王を暗殺するという設定だが、この映画に登場するマクベスは、気が弱く、不安に苛まれ、暗殺の影に怯える男だ。物語の序盤、マクベスが上り詰めていく過程で、あるものに遭遇す...
パレスチナで、自由を求めて『オマールの壁』|MOVIE
MOVIE|第86回 アカデミー賞 外国語映画賞 ノミネート作品パレスチナで、自由を求めて『オマールの壁』『パラダイス・ナウ』のハニ・アブ・アサド監督による新作、『オマールの壁』が2016年4月16日(土)角川シネマ新宿ほかにて公開する。パレスチナの分離壁で囲まれた現状と、その中で生き抜く若者たちの日々を、切実に、愛とサスペンスフルに描いた本作も高い評価を受け、第86回 アカデミー賞 外国語映画賞にノミネートされた。スタッフ、撮影も全てパレスチナで行われた本作は、パレスチナの現実を世界中の人に訴えかける映画となった。Text by OPENERS壁で分断された世界、占領下で生きること、パレスチナの「今」を知るこの映画は青春映画であり恋愛ドラマである。分断された世界のなかで生きるひとりの若者が、壁をよじ登ってまで愛する女性に会いに行く、情熱の物語。さながらパレスチナ版ロミオ&ジュリエットのような若い二人の恋愛ドラマである。ただ一つだけ、その世界観には衝撃を受ける。物語はフィクションで...
映画史に残る作品、『レヴェナント:蘇りし者』の魅力に迫る|MOVIE
MOVIE|アカデミー賞3部門を受賞! 実在の人物をモデルにした壮大な物語悲願のオスカーを手にしたディカプリオ主演作第88回アカデミー賞で悲願の主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオ。受賞作、『レヴェナント:蘇りし者』が4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほかにて全国でロードショー上映される。Text by MIYANO Sayakaイニャリトゥ監督のカリスマ性と独創性を再認識第88回アカデミー賞でレオナルド・ディカプリオが主演男優賞、アレハンドロ・G・イニャリトゥが史上3人目となる2年連続の監督賞、エマニュエル・ルベツキは3年連続の撮影賞に輝き、大きな注目を集める今作。日本公開を控え、プロモーションのため来日したディカプリオは、「以前からイニャリトゥ監督の大ファンだった。特別で独創的な撮影方法が素晴らしく、自然光のみを使い限られた時間のなかで撮影をした本作は、まるで演劇の舞台に挑んでいるような感覚でアドレナリンが出た」と語った。また、『インセプション』で共演したトム・...
アカデミー賞主演女優賞受賞! 閉ざされた「部屋」からの脱出の先に…『ルーム』|MOVIE
MOVIE|本格派女優と天才子役の誕生!アカデミー主演女優賞! 『ルーム』並みいる巨匠の新作やハリウッドスターの主演作を押しのけ、アカデミー賞の行方を占うと言われる、トロント国際映画祭で観客賞(最高賞)に輝いた大注目作『ルーム』。その快進撃はとどまるところを知らず、連日のように栄誉ある賞を獲得し、米国メディアの予想通り、アカデミー賞でも堂々主要4部門へのノミネートを果たし、主演女優賞を獲得した 。4月8日(金)より、TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー。Text by OPENERS「部屋」から脱出して終わりではない、そこから物語は始まるこの映画に、これほどまでに人々が熱狂する理由は、“人生で初めて出会う衝撃と感動”にある。この映画のテーマは、事件でも脱出でも、監禁パニックでもない、“母と息子の絆”という、よくある普遍的な題材だ。しかし、その切り口を少し変えることで、アカデミー賞審査員たちも体験したことのない、世紀の愛の物語へと昇華させた。よくある監禁映画のように、“外に脱出...
バンクシーを探せ!『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』|MOVIE
MOVIE|正体不明、謎のストリートアーティスト、バンクシーが仕掛けた宝探し競争 『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』壁や路上に「違法」に描いたグラフィティが世界的な注目を浴びている、正体不明のストリートアーティストBANKSY(バンクシー)が、告知もなくニューヨークで展示をスタート。人々はその作品を求めてニューヨーク中を駆け回る、「宝探し競争」を追ったドキュメンタリー、『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』が、3月26日(土)より渋谷シネクイントほかで順次公開される。Text by OPENERS正体不明のストリートアーティスト、BANKSY(バンクシー)とは世界各地でゲリラ的に作品を描くBANKSY(バンクシー)。彼が壁や路上に「違法」に描いたグラフィティは世界的な注目を浴び、驚くほどの高値を呼ぶ。ブラッド・ピットやアンジェリーナ・ジョリー、キアヌ・リーブス、ジュード・ロウ、クリスティーナ・アギレラなど、多くのセレブリティも彼の作品に魅了されている。ニューヨーク近代美術館(MoMA)...
成功の陰にあった苦しみ、そして激しい愛を描く『SAINT LAURENT サンローラン』|MOVIE
MOVIE|成功の陰にあった苦しみ、そして激しい愛“モードの帝王”の真実に迫る『SAINT LAURENT サンローラン』伝説のデザイナー、イヴ・サンローラン。その輝かしい成功の影にあった苦しみや激しい愛について描く『SAINT LAURENT サンローラン』が、12月4日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほかで全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi演技派ギャスパー・ウリエルがサンローランを熱演2014年のカンヌ国際映画祭に出品された、イヴ・サンローランを題材にしたふたつの作品。『イヴ・サンローラン』が、イヴ・サンローラン財団の正式な公認をとっていたのにたいし、“公では語れなかった真実に迫る”と謳う、もうひとつの『SAINT LAURENT サンローラン』が日本にも上陸する。1967年、イヴ・サンローランはデザイナーとして成功の階段を駆け上がっていた。その名声はアンディ・ウォーホルから「僕たちは20世紀後半の二大アーティストだ」と称えられたほど。だが、次...
ダニエル・クレイグ版ボンドの集大成、『007 スペクター』がついに日本上陸!|MOVIE
MOVIE|ダニエル・クレイグ版ボンドの集大成『007 スペクター』がついに日本上陸! 先行上映も公開前から世界中で大きな話題となっていた『007』シリーズの最新作『007 スペクター』がついに日本上陸。12月4日(金)から一般公開される。また11月27日(金)から29日(日)の3日間限定で、先行上映も決定。全国の劇場で一足はやく作品を堪能することができる。Text by YANAKA Tomomi本国イギリスでは映画史上歴代最高のオープニング記録を樹立誕生から半世紀以上も人びとを熱狂させてきた『007』シリーズの24作目となる『007 スペクター』。スパイ映画の金字塔ともいえる新作は、さまざまなブランドとのコラボレーションを発表するなど、公開前から話題を振りまいてきた。また本国イギリスでは、映画史上歴代最高のオープニング記録を樹立したというニュースも到着、日本でもすでに大きな注目を集めている。監督は前作『007 スカイフォール』(2012年)に引きつづき、サム・メンデスが担当。ジ...
『スター・ウォーズ』シリーズ、あらたな3部作の幕開け|MOVIE
MOVIE|“現代の神話”、あらたな3部作の幕開け『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が全国同時公開世界中が待っていた『スター・ウォーズ』シリーズの最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が、日本時間12月18日(金)18時30分から全国一斉に公開。あらたな3部作の幕が開ける。Text by YANAKA Tomomiスター・ウォーズの熱狂的なファン、J.J.エイブラムス監督こだわりの製作陣1977年に発表され、映画の世界を塗り替えてきたスター・ウォーズシリーズ。これまで6作が発表されてきたが、待望の新作が発表されることを受け、公開前から世界が熱狂。7作目となる本作は、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)から30年後の銀河宇宙が舞台となる。『スター・ウォーズ』の熱狂的なファンとしても知られる、J.J.エイブラムスが監督を務め、スター・ウォーズ新時代の物語を描き出した。脚本はシリーズ最高峰と名高い『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年...
“乳白色の肌”を生み出したエコール・ド・パリの寵児『FOUJITA』|MOVIE
MOVIE|“乳白色の肌”を生み出したエコール・ド・パリの寵児オダギリジョー主演、藤田嗣治の激動の生涯を描く『FOUJITA』実在した画家、藤田嗣治(ふじた・つぐはる)激動の生涯を小栗康平監督が映画化した『FOUJITA』。11月14日(土)から全国公開される。Text by YANAKA Tomomi脚本も小栗康平監督みずから執筆モディリアーニやスーチン、キスリングらとともに、エコール・ド・パリを代表する画家として活躍、世界中で愛された日本人画家、藤田嗣治。唯一無二ともいえるうつくしき“乳白色の肌”の生みの親であり、パリの寵児でもあった彼の人生は、第二次世界大戦により翻弄されていく。そんな彼の波乱の生涯を映画化したのは、『死の棘』(1990年)でカンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリと国際批評家連盟賞をダブル受賞した名匠、小栗康平監督。みずから脚本も執筆し、日本とフランスの合作で指揮を執った。出演にはオダギリジョー、そして5番目の妻の君代に中谷美紀と演技派が名を連ねている。192...
MOVIE|生涯最後のミューズとの出会いを描く『ルノワール 陽だまりの裸婦』
MOVIE|印象派を代表する巨匠の最高傑作『浴女たち』の誕生秘話生涯最後のミューズとの出会いを描く『ルノワール 陽だまりの裸婦』印象派を代表する画家、ルノワールの晩年を描いた人間ドラマ『ルノワール 陽だまりの裸婦』。10月4日(金)から、TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi絵画のような光と色彩に満ち溢れる“幸福の画家”として知られ、いまなお多くのひとを魅了しつづける印象派の巨匠ルノワール。病におかされ、自由のきかない手で懸命に創作をつづけた晩年の彼の前にあらわれた最後のミューズと生涯の最高傑作『浴女たち』誕生に秘められた物語が映画化された。ルノワールを演じたのは、セザール賞最優秀男優賞の受賞者でもある名優ミシェル・ブーケ。そして、ルノワールの最後のミューズであるモデルのアンドレには、フランスでいまもっとも注目されているクリスタ・テレが透明感をもって演じた。メガホンを取り、共同脚本も担当したのはギョーム・ミュッソのベストセラー...
ドキュメンタリー『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』|MOVIE
MOVIE|大量生産・大量消費の裏側に光を当てたドキュメンタリー『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』消費されるファッションは、だれの犠牲で成り立っているのか。そんな知られざる真実に光を当てるドキュメンタリー『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』が、11月14日(土)より渋谷アップリンクでロードショーされる。Text by YANAKA Tomomiファッションの向かうべき未来とは?私たちの洋服はどこで生み出されているのだろうか。タグに書かれた生産国の情報からは見えてこない、その実体を描いたドキュメンタリーが到着した。(写真左)ファッションブランドのサステイナビリティ(持続可能性)についてコンサルティングをおこなう「エコ・エイジ」のクリエイティブディレクター、リヴィア・ファースによると、ファストファッションで売られている女性服の平均寿命は5週間だという/(同右)インドの皮革工場が起こした水質汚染が原因で皮膚病を患った女性手がけたのは、フィクシ...
ガイ・リッチーが放つスパイ・サスペンス・エンターテイメント『コードネームU.N.C.L.E.』|MOVIE
MOVIE|ガイ・リッチーが放つスパイ・サスペンス・エンターテイメントクールでスタイリッシュな進化系“バディムービー”『コードネームU.N.C.L.E.』世界破滅を狙う核兵器テロを阻止するために、キャラも作戦もすべてが真逆なふたりが最強・最悪のスパイチームを結成。クールでスタイリッシュな“バディムービー”『コードネームU.N.C.L.E.』が、11月14日(土)より全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu『M:I』『007』シリーズに並ぶ三大スパイ映画として話題沸騰! 本作は1960年代に人気を博したTVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を、スーパーヒットシリーズ『シャーロック・ホームズ』のガイ・リッチー監督が映画化。敵対するふたりの男がコンビを組むという究極の設定で、新時代のバディムービーを生み出した。有能なCIAエージェントでプレイボーイのナポレオン・ソロをヘンリー・カビル、KGBに史上最年少で入った超エリート、しかしメンタルに問題アリのイリヤ・クリ...
ミステリアスな人生を紐解くドキュメンタリー『氷の花火 山口小夜子』|MOVIE
MOVIE|没後8年、“東洋の神秘”のミステリアスな人生を紐解くドキュメンタリー『氷の花火 山口小夜子』世界中の人びとに“東洋の神秘”と称賛された伝説のモデル、山口小夜子。しかし、その人生は多くの謎に包まれていた――。彼女の人物像を紐解くドキュメンタリー『氷の花火 山口小夜子』が10月31日(土)より、シアター・イメージフォーラムにて公開される。Text by KUROMIYA Yuzuつねに時代の先端を走りつづけた彼女が目指したものとは写真提供:セルジュ・ルタンス1970年代初頭、欧米コンプレックスに陥っていた日本。そんななか“日本人であること”を武器にたったひとりで世界に挑んだ女性がいた。黒髪に切れ長の瞳、神秘的で妖艶な容姿でセンセーションを巻き起こした山口小夜子だ。イブ・サンローラン、ジャンポール・ゴルチエ、山本寛斎ら一流のファッションデザイナーに愛され、セルジュ・ルタンス、横須賀功光などトップクリエイターに多くのイマジネーションを与えた彼女だが、その正体はミステリアスだった...