連載
「連載」に関する記事

Cartier|複雑メカニズムの美とエスプリを誇る腕時計
Cartier|カルティエコンプリケーションウォッチの分野でも「王」たることを証明!愛好家垂涎・驚愕の新作を展開ジュエラー・ウォッチメイカーの「王」の称号にくわえてマニュファクチュール・ウォッチメイカーの「王」へ――複雑メカニズムの美とエスプリを愛する時計愛好家のハートを虜にした、カルティエの新作とは。文=渋谷康人機械式複雑時計の歴史にあらたな1ページを記す画期的なメカニズムを搭載した完全自社開発・製造の新作モデルを多数発表し、ジュエラー・ウォッチメイカーの「王」の称号にくわえてマニュファクチュール・ウォッチメイカーの「王」へとカルティエが驀進をはじめたのは2009年1月のジュネーブサロンでのこと。それから3年目の今年、その目標は複雑時計にかんしては、もはや到達された観がある。今年の新作「オート オルロジュリー コレクション」、つまり高級機機械式時計シリーズであらたに発表された新製品は全部で12種。そのなかには4つの新型複雑ムーブメントがあらたに採用されたものがふくまれており、3つ...

RALPH LAUREN|時計愛好家も唸る魅力的な仕様が、より身近な存在に
RALPH LAUREN|ラルフ ローレン時計愛好家も唸る魅力的な仕様やデザインはそのままに身近な存在であるSSケースモデルが待望の登場!デビューから3年目を迎える「ラルフ ローレン ウォッチ」。いいものを知り尽くしたファッション界のカリスマ、ラルフ・ローレン氏が、リシュモングループとのコラボレーションにより送り出す、今年の新作とは。文=渋谷康人2009年のジュネーブサロンでデビューした「ラルフ ローレン ウォッチ」は、ファッション界のカリスマであり、アンティークウォッチのコレクターとして時計の魅力を知り尽くしたラルフ・ローレン氏と、世界最高峰の名門時計メーカーを傘下に擁するリシュモン・グループの握手から生まれた夢のコラボレーションウォッチだ。名門グループ傘下の珠玉のムーブメント、ノウハウを使って製品化されたローレン氏の「理想の腕時計」は、クラシックで洗練されたデザイン。メカニズム的な内容にも申し分なく、コアな時計愛好家を納得させ魅了するものばかり。ただ一般の時計好きにとってこれま...

A. Lange & Sohne|2011S.I.H.H.速報!
A. Lange & Sohne|A.ランゲ&ゾーネ最高峰モデル“プール・ル・メリット”第4弾モデルにくわえ、初のミュージカルウォッチ、初の超薄型シンプルモデルを発表!今年のS.I.H.H.で発表されたA.ランゲ&ゾーネの新作のうち、なんといっても注目すべきは、高度なメカニズムを搭載したふたつのあたらしいコンプリケーションだ。全面的にリニューアルされた「サクソニア」の全貌もあわせ、ここで紹介。文=渋谷康人曾祖父アドルフ・ランゲによる1845年のマニュファクチュール創業の伝統を継承すべく、東西ドイツ分割と会社の国有化による半世紀の空白を超えて、1990 年にウォルター・ランゲの手で復興。ドイツ・グラスヒュッテ伝統のスタイルと最高峰の職人技による究極の機械式時計づくりを追求しているA.ランゲ&ゾーネ。高い目標を掲げて一切の妥協を許さない姿勢、トレンドに影響されることなどない独自のペースでの製品づくりは2011年も変わらない。今年の新作は全部で6モデル。その内訳は、ふたつの複雑モデルと、...

Girard-Perregaux|ジラール・ペルゴ 2011年S.I.H.H.速報!
Girard-Perregaux|ジラール・ペルゴ自らの歴史を凝縮した創業220周年記念コレクションで未来に向けた、揺るぎない時計づくりの哲学を披露!創業者である時計師ジャン・フランソワ・ポットが自分の名を冠した時計を製作してからちょうど220周年。この記念すべき年、ジラール・ペルゴから登場したのは、時計づくりの王道を行く魅力的な新作だ。文=渋谷康人昨年10月末、1992年からオーナー兼社長としてブランドを指揮し、世界的な時計ブームのなか、卓越したデザイン&ビジネスセンスでブランドを建て直し大きく発展させてきた総帥ルイジ・マカルーソ氏の突然の急逝という不幸に見舞われたジラール・ペルゴ。しかし、父の遺志を継いで社長に就任したステファノ・マカルーソ氏のディレクションのもとに発表された2011年の新作コレクションは、派手な仕掛けこそないものの、このスイスでも有数の輝かしい歴史をもつ名門メゾンにふさわしい、時計づくりの王道を行く魅力的な新作が揃った。今年は創業者である時計師ジャン・フランソ...

Roger Dubuis|ロジェ・デュブイ 2011年S.I.H.H.速報!
Roger Dubuis|ロジェ・デュブイ若いブランドならではの独自のデザイン新時代のスイス機械式時計「ロジェ・デュブイ」は、1995年のブランド創立からまだ15年の歴史しかないが、1980年代後半にはじまったスイス機械式時計の復活・進化・発展を象徴する“スイス時計界の伝説的ブランド”のひとつ。今年は、カジノのルーレットをイメージした斬新なデザインのクロノグラフを発表した。文=渋谷康人急速に進化する、若手ブランドの時計技術創業者の実業家カルロス・ディアス氏は、時計コレクターとして伝統的なスイス時計の魅力を熟知した人物。優秀な時計師ロジェ・デュブイ氏とともに、伝統的な様式・機構を尊重しながら、最新の技術で設計・開発した自社製ムーブメントと、現代ならではの押し出しの強いデザインを融合させた“新時代のスイス機械式時計”をぞくぞくと展開。伝統的な色彩の濃い老舗メゾンの機械式時計に飽き足らない人びとのあいだで一躍大人気のブランドとなった。なかでもムーブメントの技術力と開発ペースはすさまじく、...

Baume & Mercier|S.I.H.H.速報! 人生の節目にそっと寄り添う腕時計
Baume & Mercier|ボーム&メルシエ人生の節目にそっと寄り添う腕時計へ。ブランドコンセプトを完全リニューアル!1930年代から第二次世界大戦にかけて、“最高のクロノグラフをつくる”との評価を得たボーム&メルシエ。この2011年、クラシックな伝統を踏まえたあらたなるクロノグラフが、堂々の登場である。文=渋谷康人数かずの栄光を引き継ぐ、リスタートの第1弾!老舗はその歴史のなかで、大きく変身するときが必ずある。そして自ら変化する力があるから、老舗として生き残り、さらに歴史を重ねることができるのだという。1830年創業と200年近い歴史をもつ「ボーム&メルシエ」は、まさに今そんな、大きく変化するときを迎えている時計ブランドだ。つまり、これまでのプロダクトをすべて見直し、ブランドコンセプトの根本的なリニューアルに踏み出したのである。そして、リニューアルの方向は、ひとことで言えば「栄光の時代への回帰」といっていいだろう。とはいえこの老舗の歴史は、本当に数かずの栄光に彩られて...

Dunhill|2011年S.I.H.H.速報! 4年間のブランクを経て、ついに待望の新作が登場
Dunhill|ダンヒル4年間のブランクを経て、ついに待望の新作が登場!ダンディズムと洒落心、そしてユーモアを体現――紳士のライフスタイルを完成させる腕時計とは?という問いに、見事答えるかのような腕時計が発表された。4年ぶりの新作となる、ダンヒルからリポート。文=渋谷康人ファッションメゾンならではのこだわり「アルフレッド ダンヒル」はイギリス紳士のダンディズムと洒落心、そしてユーモアを体現する男性のためのラグジュアリー・ブランドだ。創業者のアルフレッド・ダンヒルは1893年、弱冠21歳のときに父がロンドン市内で営んでいた馬具専門店を引き継いでビジネスの世界に入る。そして20世紀を迎えると、彼は父の領域を超えて、あらたなジャンルに挑戦をはじめる。時はモータリゼーションの創生期。もちろん当時はまだ一部の裕福な階級に限られたことではあったが、人びとは自動車というあたらしい乗り物に熱狂していた。そして自身もその熱狂の当事者だったダンヒルは、このあたらしい風を捉えて、時代の最先端を走る当時の...

Richard Mille|2011年S.I.H.H.速報! 創立10周年を迎えた“時計のF1”ブランドの最新作
Richard Mille|リシャール・ミル創立10周年を迎えた“時計のF1”。新作ではゴルフの世界にも挑戦を開始!ブランド創立から今年でちょうど10周年を迎えたリシャール・ミル。時計づくりの確固たる姿勢により、製品価格が非常に高価であるにもかかわらず人気や知名度を高めつづけているブランドの、最新作とは?文=渋谷康人リシャール・ミルならではの個性的なスタイルと強力なスペック2010年からS.I.H.H.に出展を開始した「リシャール・ミル」。参加2年目の今年は、2001年のブランド創立からちょうど10周年を迎え、初の本格ジュエリーモデルなど、全部で6種類の新作を公開した。ブランドとしてひとつの節目を迎えたわけだが、「時計のF1」というコンセプト、カーボンナノチューブなど時計界の常識を覆す最先端ハイテク素材の使用や独創的なメカニズム、そして最高の技術をもつ外部の専門工房にパーツを発注して組み立てる“マニュファクチュール・デジネー”と呼ばれる製造方法などは、創立当初からまったく変わらない...

HARRY WINSTON|男女とも“毎日着けられる”、初のシンプルウォッチが誕生!
HARRY WINSTON|ハリー・ウィンストン男女とも“毎日着けられる”初のシンプルウォッチが誕生!新進気鋭の時計クリエイターによる、革新的な複雑時計の創造プロジェクト「オーパス」シリーズなどの機械式複雑時計で時計愛好家を虜に。そして最高品質のダイヤモンドと最高のクラフツマンシップから生まれる美しいハイジュエリーウォッチで世界中の女性を魅了してきたハリー・ウィンストン。今年はこれまでにないカテゴリーの新コレクションを発表した。取材・文=渋谷康人顧客の長年の希望に応える新コレクション最高クラスのダイヤモンドしか使わない世界最高峰の名門ジュエラーとして、また1989年からは独創的で芸術的なメカニズムにより、機械式時計技術の頂点を極めた複雑時計を発表し、真のラグジュアリーを体現してきたハリー・ウィンストン。2011年のバーゼルフェアで同社は、エレガントなシンプルウォッチで、あらたな時の世界を提示した。これまでのハリー・ウィンストンの腕時計といえば、メンズウォッチ=複雑時計であり、レディ...

LOUIS VUITTON|初のミニッツリピーターモデルを筆頭に、時計通も納得のメンズモデルが続ぞく!
LOUIS VUITTON|ルイ・ヴィトン初のミニッツリピーターモデルを筆頭に時計通も納得のメンズモデルが続ぞく!2002年に本格的に時計事業に参入してから現在まで、数は少ないが魅力的な腕時計を毎年、着実にリリースしてきたラグジュアリーブランド ルイ・ヴィトン。今年は大きな飛躍の年となった。取材・文=渋谷康人フェア初参加で全17本の新作モデルを発表2011年のバーゼルフェアで最大のトピック、それはまちがいなくラグジュアリービジネスの頂点に位置する人気ブランド ルイ・ヴィトンがバーゼルフェアに初参加したこと。3月23日から25日まで、バーゼル市街の中心を流れるライン河沿いの5ツ星ホテル「グランド・ホテル・レ・トロア・ロア」の横に停泊させた豪華なボートの上で新作コレクションが公開された。目玉は同ブランドの腕時計の看板である「タンブール・コレクション」の6シリーズ17モデル。樽型ケースが特徴のモデルだ。これほどたくさんの新作が一度に発表されたことは、2002年にルイ・ヴィトンが時計の世界...

BREITLING|レトロテイストの「トランスオーシャン」を筆頭に全部で10を超える新作が登場!
BREITLING|ブライトリング全部で10を超える新作が登場!レトロテイストの「トランスオーシャン」を筆頭に「プロのための腕に着ける計器」となるクロノグラフを一貫して作りつづけるブライトリング。今年は自慢の自社製クロノムーブ「キャリバー01」搭載の新シリーズや、プレミアムドライバーズウォッチ「ブライトリング・フォー・ベントレー」の新定番モデルなど、ほぼ全ジャンルに新作が登場した。取材・文=渋谷康人名作「ナビタイマー」にも自社製クロノムーブ搭載モデルが登場昨年、ブランドの看板であるパイロットウォッチ「クロノマット」に、初の完全自社開発製造の高性能機械式クロノムーブメント「キャリバー01」を搭載したモデルの発売を開始し、機械式モデルの自社製ムーブメント化に着手したブライトリング。今年はそのクロノマットがすべてこの「キャリバー01」搭載モデルに進化。さらにGMT機能を追加した「キャリバー04」搭載の「クロノマット GMT」も登場。クロノマットとともにパイロットウォッチの定番である「ナビ...

LANDROVER FREELANDER 2|ランドローバー フリーランダー 2 新型発売
LANDROVER FREELANDER 2|ランドローバー フリーランダー2折り紙つきの新型SUVが登場ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、エクステリアのスタイリングと装備を改良した「新型フリーランダー2」を、2011年1月8日より、全国のランドローバー正規ディーラーをつうじて発売開始する。文=松尾大写真=ジャガー・ランドローバー・ジャパンランドローバーらしい存在感が増したイギリス王室をはじめ多くのセレブリティに愛されてきたレンジローバーをはじめ、プレミアムSUVの名門として、多くの本格的4輪駆動モデルを輩出してきたランドローバー。1997年に世に誕生したプレミアムコンパクトSUV「フリーランダー」は、SUVマーケットのあたらしいセグメントに挑戦し大好評を博したモデル。そのあと、2007年6月には2代目となる「フリーランダー 2」を日本で発売。コンパクトSUVクラス初の横置きレイアウトを実現した新型直列6気筒3.2リッターエンジンの搭載により、すぐれた動力性能と安全性、広い室内...

PATEK PHILIPPE|メカニズムと美の究極を追求した時計愛好家を魅了する複雑時計の新作
PATEK PHILIPPE|パテック フィリップメカニズムと美の究極を追求した時計愛好家を魅了する複雑時計の新作は圧巻独自のスタイルと美しいメカニズムの「世紀を超えて受け継ぐ価値のある」機械式腕時計を作りつづけるスイス時計の最高峰ブランド、パテックフィリップ。2011年の新作は時計愛好家垂涎の複雑時計が目白押しだ。なかでも注目に値するのが、これまでにない機構の組み合わせをもつトリプルコンプリケーションモデルとレディス初のミニッツリピーターモデルだ。取材・文=渋谷康人メンズで4つ、レディスでも3つのコンプリケーションモデルが新登場!パテック フィリップは今も昔もスイス高級時計の頂点であり、その価値を象徴する存在。熟練の時計職人の手作業から生まれ、時を刻む芸術品ともいえるその製品は、数百年を超えるスイス時計の歴史と伝統の結晶であり、その王道を示す道標ともいえる。なかでも極めつけの存在が、複雑機構を搭載したコンプリケーション(複雑)モデルだ。2011年のバーゼルフェアは、このコンプリケ...

TAG Heuer|ウォッチメイキング黄金時代のDNAを未来に継承するヴィンテージコレクションが誕生
TAG Heuer|タグ・ホイヤーウォッチメイキング黄金時代のDNAを未来に継承あらたなヴィンテージコレクションが誕生つねにスポーツウォッチの革新に取り組み、例年、新製品とともに革命的なメカニズムのコンセプトモデルを発表してきたタグ・ホイヤー。今年も機械式クロノグラフの従来の計測限界を超えるコンセプトモデルを発表した。しかし、その一方で、みずからの過去を未来に繋ぐシンプルでクラシックなテイストの新コレクションで、時計界のトレンドにも完璧に応えた。取材・文=渋谷康人機械式クロノグラフで1/1000秒単位の計測を実現!バーゼルフェアに先駆けて開催した1月のジュネーブでのエキシビションで、5年ぶりに1/100秒まで計測可能な機械式モデルの新作「ホイヤー カレラ マイクロのグラフ1/100th クロノグラフ」をはじめ4本の新作を発表したタグ・ホイヤー。これだけでも充実のコレクションだが、バーゼルにはさらなる大きな驚きが用意されていた。機械式クロノグラフの歴史にさらにあらたな1ページを記す、...

HERMÈS|「しばし、時を忘れる」ような哲学的機能を備えたタイムピースを発表
HERMÈS|エルメス「しばし、時を忘れる」ことができるメカニズム哲学的機能を備えたタイムピースを発表毎年、職人技へのこだわりとエスプリが結晶した“メゾン・エルメスならでは”の魅力的な腕時計を発表しているエルメス。2011年は、丸型ウォッチアルソーの自動巻きクロノグラフやHウォッチのリニューアルモデル、職人芸を駆使したアーティスティックなタイムピースにくわえ、まさにその真髄ともいえる思想、メカニズムを備えた哲学的なモデルを発表した。取材・文=渋谷康人ボタンを押した瞬間に「客観的な時間」から解放される今、この地球上に住む誰もがおなじ時間を共有し、その時間に追われて生きている。日本列島に住む私たちは、日本標準時と呼ばれるおなじ時間を共有し、社会や人びとは、その時間に合わせて生活している。それは哲学的には「客観的時間」と呼ばれるもの。しかし私たちには、大事にしたいもうひとつの時間があると哲学者は言う。それは、時計のような客観的な計測機械で測られるものとはちがう、あなたが自分自身で感じるあ...