TAG Heuer|ウォッチメイキング黄金時代のDNAを未来に継承するヴィンテージコレクションが誕生
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2015年3月30日

TAG Heuer|ウォッチメイキング黄金時代のDNAを未来に継承するヴィンテージコレクションが誕生

TAG Heuer|タグ・ホイヤー

ウォッチメイキング黄金時代のDNAを未来に継承

あらたなヴィンテージコレクションが誕生

つねにスポーツウォッチの革新に取り組み、例年、新製品とともに革命的なメカニズムのコンセプトモデルを発表してきたタグ・ホイヤー。今年も機械式クロノグラフの従来の計測限界を超えるコンセプトモデルを発表した。しかし、その一方で、みずからの過去を未来に繋ぐシンプルでクラシックなテイストの新コレクションで、時計界のトレンドにも完璧に応えた。

取材・文=渋谷康人

機械式クロノグラフで1/1000秒単位の計測を実現!

バーゼルフェアに先駆けて開催した1月のジュネーブでのエキシビションで、5年ぶりに1/100秒まで計測可能な機械式モデルの新作「ホイヤー カレラ マイクロのグラフ1/100th クロノグラフ」をはじめ4本の新作を発表したタグ・ホイヤー。これだけでも充実のコレクションだが、バーゼルにはさらなる大きな驚きが用意されていた。機械式クロノグラフの歴史にさらにあらたな1ページを記す、1/100秒の1/10、すなわち1/1000秒を計測できる機械式クロノグラフ「マイクロタイマー フライング1000 コンセプト クロノグラフ」である。その名のとおり「コンセプト」ではあるが、すでにプロトタイプは代表取締役兼CEOのジャン-クリストフ・ババン氏の腕で順調に作動するまでの完成度を備えている。ただ、商品化にはまだいくつかの課題が残っているという。しかし、それはこの歴史的革新の価値を少しも損なうものではない。おそらく数年のあいだに問題は解決され、これまでのコンセプトモデル同様に製品化されることだろう。

TAG Heuer|タグ・ホイヤー 04

大人にふさわしい“ヴィンテージ感”が魅力の新コレクション

一方、今年発表の新製品でもっとも注目、そしてオススメのモデルが、中3針モデルとクロノグラフモデルで構成される「カレラ ヘリテージ コレクション」だ。「ヘリテージ」つまり「未来に残すべき遺産」というネーミングが示すように、デザインは「ウォッチメイキング黄金時代」のクラシックなデザインを基調にしたもの。具体的には1945年のツーインダイヤルクロノグラフを参考にデザインされている。たとえば文字盤全体に同心円状の彫刻をほどこしたフリンケダイヤル、アラビア数字インデックスはこのアンティークモデルのスタイルを受け継いだものだ。
しかし、どの要素も現代の目で厳しくリファインされているためだろう、タグ・ホイヤーが主張するようにコレクターなど一部の時計愛好家に歓迎される「レトロ=復古趣味」なモデルではない。大人なら誰もが好感を抱く「ヴィンテージ=時代を超えて優れた」デザインのモデルに仕上がっている。

スポーティな定番の「カレラ」とはひと味ちがう、落ち着きのある雰囲気は、フォーマルやクラシックなスーツスタイルにピッタリだ。

TAG Heuer|タグ・ホイヤー 01

ホイヤー カレラ マイクロタイマー フライング 1000 コンセプト クロノグラフ
毎秒10回転するクロノグラフ針の動きは圧巻!

2万8800振動/時(4Hz)で作動する時計用の調速機構とはべつに、その125倍の360万振動(500Hz)という超高速で作動するクロノグラフ用の調速機構を備え、時計の歴史上はじめて1/1000秒単位の計測を実現した画期的なクロノグラフ。1月に発表された「ホイヤー カレラ マイクロのグラフ1/100th クロノグラフ」と同様に、ムーブメントには時計用とクロノグラフ用、2つのシステムが独立したカタチで内蔵されており、それぞれが独立して作動するのでクロノグラフを作動させても時間精度に影響が出ることはない。技術的にもっとも興味深いのは、ヒゲゼンマイ製造メーカーのアトカルパと共同開発した、テンワを廃して超高速で振動するヒゲゼンマイと特殊なアンクル、ガンギ車で構成されるクロノグラフ用の調速機構だ。現在、このモデルに関連して11の特許を申請中という。商品化には、新素材の導入やクロノグラフの計測可能時間を延ばすなどの改良が必要だという。

自動巻き、ムーブメントは直径35.8mm、厚さ7.95mm、354パーツで構成。時計としてのパワーリザーブは42時間、クロノグラフの計測可能時間は150秒間。開発中のプロトタイプにつき、発売予定なし。


TAG Heuer|タグ・ホイヤー 02

カレラ ヘリテージ クロノグラフ
古き良き腕時計のテイストが香る、新スタンダードモデル

タグ・ホイヤーがホイヤー時代から世に送り出してきた数々の傑作クロノグラフのDNAから生まれた、ヴィンテージテイストの新スタンダード・クロノグラフ。フリンケ加工(同心円状の彫刻加工)がほどこされた文字盤。1945年製のツーインダイヤルクロノグラフのアラビア数字をモチーフにした、ポリッシュ加工の植字インデックス。クラシックなスタイルのクロノグラフボタン、やはり植字加工のタグ・ホイヤーロゴ。写真のシルバーダイヤルでは昔のブルースチール針を彷彿させるポリッシュ仕上げのブルーの針を採用するなど、手の込んだクラシックなディテールが見事に美しく調和している。ダイヤルカラーはほかにブラック。ステンレススティールのブレスレットのほか、アリゲーターストラップも同価格で選べる。毎日スーツを着ている、そろそろ「大人のクロノグラフ」が欲しいという方に、ぜひお薦めしたい。

以上の魅力は、中3針モデルもまったくおなじ。普段づかいでクロノグラフ機能は要らないというひとには、中3針モデルがお薦め。こちらにはベゼルやインデックスにローズゴールドを使った仕様も用意されている。

自動巻き、直径41mmのステンレススティールケース&ブレスレット、シースルーバック、100m防水、40万9500円(予価)。9月発売予定。

LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン
タグ・ホイヤー ディヴィジョン
Tel. 03-3613-3951

           
Photo Gallery