タグ・ホイヤーとF1。再び始まる価値観の共有
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2025年1月27日

タグ・ホイヤーとF1。再び始まる価値観の共有

TAG HEUER|タグ・ホイヤー

2025年、フォーミュラ1(F1)は創設75周年を迎え、タグ・ホイヤーが再び公式タイムキーパーとしてパートナーシップを結ぶことが発表された。F1とタグ・ホイヤーが築き上げてきた長い歴史と、両者が共有するテクノロジーへの情熱を象徴するパートナーシップだ。

Text by WASEDA Kosaku

公式タイムキーパーになるのは実に22年ぶり

タグ・ホイヤーは1969年、世界初の高級時計ブランドとしてF1マシンにそのロゴを掲げ、1971年にはF1チームのスポンサーとして初めて名乗りを上げた。これまでのパートナーシップを通じ、タグ・ホイヤーはF1で239勝、613回の表彰台、9,471ポイント獲得という輝かしい成績を記録し、F1史上最も成功したブランドのひとつだ。
タグ・ホイヤーとF1の結びつきは、精密工学や革新技術、アヴァンギャルドな素材選び、そしてパフォーマンスとスピードを追求する理念に基づき、モータースポーツを超えた両者の共通の価値観を表現してきた。
タグ・ホイヤーは創設から、時計業界における名声を早くから確立していた。1911年には世界初のダッシュボード搭載クロノグラフを発表し、1916年には1/100秒の精度を誇るストップウォッチ「マイクログラフ」を登場させるなど、スポーツ計時の基準を作り上げた。
ホイヤー オータヴィア(Ref. 1163)を着用するジョー・シフェール
1960年代には、F1が急成長する中でホイヤー(当時の社名)は、ドライバーたちと深く関わりを持ち始めた。特に、ヨッヘン・リントが「ホイヤー オータヴィア」を愛用していたことは印象深い。その後、ホイヤーはジョー・シフェールとの契約を結び、1969年にはF1マシンに初めてホイヤーのロゴを掲げ、画期的な自動巻クロノグラフ「キャリバー11」を発表する。
1971年には、フェラーリが新たに建設したテストコース用の計時システムとして「ル・マン・センチグラフ」を提供し、その後も多くのF1チームに計時技術を提供した。タグ・ホイヤーとフェラーリの関係は1979年まで続き、1980年代にはマクラーレンと長期にわたるパートナーシップを築くこととなる。
これにより、「タグ・ホイヤー」という新しい社名が誕生し、1986年にはアラン・プロストとともにドライバーズ・チャンピオンシップを制したマシンMP4/2Cのフロントガラスにも新しいロゴが配された。
同年、タグ・ホイヤーは、「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」コレクションを発表。常識を覆す鮮やかなカラーのケース、ストラップ、ダイヤルを備えたこのモデルは、文化的な影響力をも持ち、タグ・ホイヤーとモータースポーツとのかけがえのない絆を象徴するアイコニックなウオッチとなった。
タグ・ホイヤー フォーミュラ1 シリーズ1
1992年にはF1の公式タイムキーパーとなり、F1の計時システムの精度と信頼性を大幅に向上させた。その後、タグ・ホイヤーは数々のF1チームと共に多くの成功を収め、特に1998年にはミカ・ハッキネンの活躍により、マクラーレンがドライバーズ・チャンピオンを獲得した。公式タイムキーパーとしては2003年まで関係は続いた。
2021年のモナコGPにて勝利を祝うマックス・フェルスタッペン(中央)とチームメンバー
2000年代に入り、タグ・ホイヤーは新たな才能としてルイス・ハミルトンを迎え、2008年には彼がワールド・ドライバーズ・チャンピオンに輝く瞬間を見守った。さらに2016年にはレッドブルとのパートナーシップをスタート。マックス・フェルスタッペンの活躍を支え、数々のタイトルを獲得した。
F1の人気は近年さらに高まり、2025年から再び公式タイムキーパーとして復帰するタグ・ホイヤーは、新たなパートナーシップを通じて、サーキットサイドでのブランディングや新製品の発表、ファンイベントなどを通じてF1の歴史をさらに豊かにするとしている。
F1の歴史のなかで、数々の名勝負のタイムを計時してきたタグ・ホイヤー。2025年以降、どのようなレース展開が待ち受けているのか期待が高まる。
問い合わせ先

LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
Tel.03-5635-7030
https://www.tagheuer.com/jp

                      
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