Girard-Perregaux|ジラール・ペルゴ 2011年S.I.H.H.速報!
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2015年3月30日

Girard-Perregaux|ジラール・ペルゴ 2011年S.I.H.H.速報!

Girard-Perregaux|ジラール・ペルゴ

自らの歴史を凝縮した創業220周年記念コレクションで
未来に向けた、揺るぎない時計づくりの哲学を披露!

創業者である時計師ジャン・フランソワ・ポットが自分の名を冠した時計を製作してからちょうど220周年。この記念すべき年、ジラール・ペルゴから登場したのは、時計づくりの王道を行く魅力的な新作だ。

文=渋谷康人

昨年10月末、1992年からオーナー兼社長としてブランドを指揮し、世界的な時計ブームのなか、卓越したデザイン&ビジネスセンスでブランドを建て直し大きく発展させてきた総帥ルイジ・マカルーソ氏の突然の急逝という不幸に見舞われたジラール・ペルゴ。

しかし、父の遺志を継いで社長に就任したステファノ・マカルーソ氏のディレクションのもとに発表された2011年の新作コレクションは、派手な仕掛けこそないものの、このスイスでも有数の輝かしい歴史をもつ名門メゾンにふさわしい、時計づくりの王道を行く魅力的な新作が揃った。

今年は創業者である時計師ジャン・フランソワ・ポットが自分の名を冠した時計を製作してからちょうど220周年。やはり時計好きの心をくすぐるのは、これを記念して発表されたトゥールビヨンモデルと、スモールセコンドモデルである。

また220周年記念コレクション以外の定番コレクションでは、故ルイジ・マカルーソ氏が企画し、ジラール・ペルゴの角型腕時計の絶対的な定番となっている人気コレクション「ヴィンテージ 1945」の新作も見逃せない。

ジラール・ペルゴ|Girard-Perregaux 01

ジラール・ペルゴ 1966 ゴールド・ブリッジ付きトゥールビヨン
伝説のトゥールビヨン ブリッジがシンプルなデザインと融合した逸品。

ジラール・ペルゴ220年の歴史を代表する傑作といえば、まず第1に挙げられるのが19世紀半ばに時計師コンスタン・ジラールが開発し1889年のパリ万国博覧会で金賞を獲得した懐中時計「スリー・ゴールド・ブリッジ付きトゥールビヨン」。縦に平行に並んだ3つのブリッジにそれぞれ香箱、2番車、トゥールビヨン脱進機を配置した構造で、この受賞以来、ゴールド・ブリッジは同社の高い時計技術を象徴するアイコンとなった。

今年発表されたのは、まさにこの傑作とおなじ「バシネ」と呼ばれる特殊なデザインのゴールド・ブリッジを使ったトゥールビヨンモデル。直径わずか10mmで、72個の部品から手作業で組み立てられるトゥールビヨン脱進機の総重量は驚くべきことに約0.3グラムにしかならない。またシルバー製の文字盤に記されたブレゲ数字や、手作業でスチール製のパーツを焼いて作られるブルースチール製のリーフ針も、同時代の懐中時計の代表的なスタイルを再現したもの。ケース裏にも傑作懐中時計同様の手彫りの刻印がほどこされる。同社の歴史や技術が凝縮された逸品だ。

自動巻き、直径40mm,厚さ10.9mmのピンクゴールドケース、アリゲーターストラップ、世界50本限定。1530万円。入荷時期未定。


ジラール・ペルゴ|Girard-Perregaux 03

ジラール・ペルゴ 1966 スモールセコンド
美しいエナメル文字盤をはじめ、古き良き懐中時計の魅力を再現!

鉄や銅など金属板にガラス質の釉薬を高温で焼き付けた琺瑯(ホーロー)は、ガラス質特有の美しい輝きを備え、酸やアルカリに対してもすばらしい耐久性を備える優れた素材だ。工芸品に使う細密な琺瑯はとくに「七宝焼き」や「エナメル」という名前で呼ばれて懐中時計の時代、文字盤に広く使われていた。しかし時が流れ腕時計の時代に、それも大量生産される時代に入ると、エナメル文字盤は姿を消す。焼き付ける過程では金属やガラス質の大きな膨張収縮が起こるため、細かな数字やインデックスをあしらうには、熟練の職人による高度な職人技が不可欠。しかも製造過程での不良品率やコストも高いため、作りやすく低コストな印刷や植字による文字盤に取って代わられたのである。

ブランド創立220周年を記念して限定モデルとして作られるこのクラシックでシンプルなスモールセコンドモデルはこのエナメル文字盤、それもスイスで「グランフ」と呼ばれる古典的な手法で作られた文字盤を採用。腕時計ながら懐中時計時代の文字盤の美しさを堪能できる。そのうえ、ケースはシースルーバック仕様で、ケース裏から自社製の最新自動巻きムーブメント「GP03300-50」を眺める楽しみも用意されている。これは新旧の優れた要素が融合した、名門ジラール・ペルゴならではの特別な1本である。

自動巻き、直径40mmのピンクゴールドケース、アリゲーターストラップ。世界220本限定。218万4000円。7月発売予定。ホワイトゴールド仕様(233万1000円)もあり。


ジラール・ペルゴ|Girard-Perregaux 05

ヴィンテージ 1945 XXL
古き良き時代の角型腕時計のテイストを現代的なビッグサイズで。

1945年に発表されていたアールデコスタイルのデザインを基本に1995年に登場したクラシックな角型ウォッチ「ヴィンテージ 1945」は、現代の腕時計ながら、スモールセコンドや3次元的に美しいカーブを描くケースなど、スイス機械式腕時計の黄金時代である1940年代から50年代の優雅なテイストが楽しめる“新品で買えるアンティークウォッチ”として、当時も今もジラール・ペルゴを代表する人気No.1モデルである。ベーシックモデルは2009年にリニューアルされ、文字盤などのクオリティがさらに向上。2010年には風防や文字盤まで優雅にカーブし、リューズもケースサイドに一体化した、よりオリジナルに近いデザインのモデルも選べるようになった。そしてこの「ヴィンテージ 1945」には、もっともベーシックな縦28.2×横28.6mmサイズのほか、さまざまなサイズ、機能のモデルバリエーションがある。

今年発表された「ヴィンテージ 1945 XXL」は、そのなかでももっとも大型のXXLサイズのシンプルなスモールセコンドモデル。これまでは直線的だったケースや文字盤が、大人気のベーシックサイズと同様に優雅なカーブドデザインに変更され、リューズも2010年のオリジナルに近いモデル同様にケースサイドと一体化するタイプとなり、ケースも自社製のGP3300ムーブメントの姿がケース裏から目で楽しめるシースルーバック仕様に。大型サイズながら趣のある腕時計に生まれ変わった。これまで「ヴィンテージ1945」を着けたくても「自分の腕にはサイズが小さい」という理由で躊躇していたひとにぜひオススメしたい。

自動巻き、縦36.2×横35.25mmのピンクゴールドケース、アリゲーターストラップ。235万2000円。10月発売予定。SSケースモデル(94万5000円)もあり。

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