アート
「アート」に関する記事

ART|写真家ホンマタカシ インタビュー|『第7回恵比寿映像祭』で探る写真と映画の中間にあるあらたな可能性
ART|新作インスタレーションを『第7回恵比寿映像祭』に出展写真家ホンマタカシ インタビュー(1)2月27日(金)から東京・恵比寿で映像芸術の祭典『第7回恵比寿映像祭』が開催される。「惑星で会いましょう」というテーマのもと、さまざまな“視点”を持つ映像作品を通して複層化する世界を再発見する手がかりを探る。あたらしい映像体験を提案する作品のひとつとして注目したいのが、写真家ホンマタカシさんの新作インスタレーションだ。『最初にカケスがやってくる』は、彼が数年にわたり追いつづけているテーマ、知床半島の鹿狩りをモチーフに、部屋の四方に映す大型スクリーンと音で、人間に内在する野性を浮き彫りにしようと試みている。「鑑賞者にどう受け取られるかが楽しみ」と発表を待ち望むホンマタカシさんに、お話をうかがった。Photographed (portrait) by SUZUKI KentaText by MAKIGUCHI June「真実ってひとつなのか?」という思い――映像が映し出す鹿狩りの痕跡、そこ...

谷川じゅんじ|連載 第4回「IMA CONCEPT STORE」
第4回「IMA CONCEPT STORE」(1)今年3月に誕生した「IMA CONCEPT STORE」。六本木のAXISビルに位置するこの場所は、写真雑誌『IMA』やウェブサイト『IMA ONLINE』を展開するamanaのIMAメディアプロジェクトが、アートフォトを楽しむリアルな場として手がけたもの。もともとAXIS好きなぼくにとって、このビルは東京の定点ポイント。だから「AXISの3階に写真のためのあたらしい施設を作りたい」という依頼を聞いたとき、素直にとてもワクワクした。あそこになにがあったらいいだろう。自分の居場所に飾りたくなる写真、毎日飲める珈琲、こだわりセレクトの書籍、気の利いた小物……。そんな“あったらいいな”をあれこれ妄想。AXISビルファンの自分視点も取り入れながら、みんなで話し合って生まれた「IMA CONCEPT STORE」。この空間に込めた自分の考えや思いを、改めて振り返ってみたいと思う。Text by TANIGAWA JunjiPhotograph...

谷川じゅんじ|連載 第2回「薬師寺ひかり絵巻」
第2回「薬師寺ひかり絵巻」(1)2010年6月奈良県西の京。あれから2年になる。いまも、記憶の中でいきいきと瞬く1500万を超える星たち。静寂と古(いにしえ)の響きが奏でる荘厳な時空絵巻。平城遷都1300年祭記念「薬師寺ひかり絵巻」は、1300年を超え、いまも私達になにかを伝え続ける奈良薬師寺でおこなわれた特別な出来事。決して忘れることのできないあの空間を、いまだからこそ、もう一度振り返ってみようとおもう。Text by TANIGAWA JunjiPhotographs by SHIGEMOTO Takashi~薬師寺ひかり絵巻企画縁起~幼いころ、こんな言葉を聞きました。 かたよらないこころ こだわらないこころ とらわれないこころ ひろく ひろく もっとひろく これが般若心経 空(くう)のこころなり薬師寺元管主、高田好胤さんのことばです。時は流れ2010年。奈良は遷都1300年を迎えました。気の遠くなるような時を経て今日も生き続ける「薬師寺」という場所が何を人々に伝え続...

谷川じゅんじ|新連載 第1回「Power People by Leslie Kee」
第1回「Power People by Leslie Kee」急ぎ足の雑踏。イエローキャブの重なるクラクション。吹き上げる蒸気。ファッション、カルチャー、エンタテインメント。時代の発信地としていまなお多くの人びとを魅了して止まない街、ニューヨーク。そんな街のポテンシャルを生み出し時代をつくりつづけている人がいる。“Power People”――フォトグラファー、レスリー・キーは彼らをこう呼び、彼らを被写体として作品に刻み込んだ。その作品を一同に集めはじめて展示する写真展が、去る2月16日から27日まで西武渋谷店で開催された。その空間構成を通じて感じたいまの気分をここに記そうとおもう。Text by TANIGAWA JunjiPhotographs by JAMANDFIXレスリーとの初仕事は2006年。表参道ヒルズで開催された『Super Stars』という写真展だった。“ASIA IS ONE(アジアはひとつ)”というサブテーマを掲げたこの写真展はスマトラ沖地震のチャリティーと...

谷川じゅんじ|連載 第3回「感性 kansei -Japan Design Exhibition- 」
第3回「感性 kansei –Japan Design Exhibition– 」(1)もう一度見たい空間がありますか? そう問われると、決まってあの空間のことが頭に浮かぶ。2008年にパリで開催された展覧会「感性 kansei –Japan Design Exhibition– 」だ。いまのタイミングだからこそもう一度再編してみたい。もっと言うなら、あの空間体験を日本の人たちにこそ体感してもらいたい。そう思える稀有なプログラムで、日本のものづくりの面白さや奥深さを、じつにシンプルかつスタイリッシュに空間化できたすばらしい展覧会であった。Text by TANIGAWA JunjiPhotographs by MATSUI Koichiroこの展覧会は「未来感性」「歴史感性」「現在感性」という3つのゾーンで構成。シンメトリカルに3室が並ぶ展示会場を使い展覧会を組み立てていった。ルネサンス様式の壮麗な中央展示ホール“nef”には、「歴史感性」を展示。インスタレーション型の空間表現で日...

EVENT|デンマークの食文化や芸術、ライフスタイルに触れるイベント
EVENT|デンマークの食文化や芸術、ライフスタイルに触れるイベント『ダック ― デニッシュ アート & カルチャー ウィーク VOL.3』を開催今年で3回目を迎える『DANISH ART & CULTURE WEEK(デニッシュ アート&カルチャー ウィーク)VOL.3』(通称『DAC』)は、デンマークの奥深い食文化や芸術、そしてライフスタイルを体感することができるイベントだ。南青山「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン フラッグシップ ストア」で、3月5日(木)から8日(日)まで開催される。Text by ENOMOTO Kozue(OPENERS)現代アートを代表するカスパー・ボネンと、レストラン「カドー」がいざなう世界『ダック ― デニッシュ アート & カルチャー ウィーク VOL.3』は、北欧テイストと日本の感性を組み合わせた美しい世界観で作品を生み出しているフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマンと、彼の妻でありカフェやライ...

BALLY|現代アートとのコラボレーション! 「BALLYLove」がいよいよ発売
BALLY|バリーバリーのアーカイブに触れられるイベントも!「BALLYLove」がいよいよ発売スイスを代表するラグジュアリーレザーブランド、バリー。昨年のアートバーゼルで話題となった、ニューヨークを拠点に活躍する現代アーティスト、オラフ・ブルーニングとのコラボレーションコレクションである、「BALLYLove」がついに発売される。Text by TAKAYAMA Yumikoバリーが紡ぐ、現代アートとのコラボレーション!バリーとアートの関係は1910年まで遡る。その時代にもっとも人気の高いイラスト作家を「バリー・ポスター」の広告キャンペーンに起用し、今までラウビやバウムベルゲル、ベルセ、ハドラー、ベルナール・ヴューモといったそうそうたる有名アーティストの作品を世に送り出してきた。1982年に広告ポスターとして使用されたヴューモの作品が、2011-12秋冬ウィメンズコレクションのインスピレーションになったのも、記憶にあたらしい。2010年から世界最大のアート見本市であるアートバーゼ...

ART|MIC*ITAYAエキシビション「SOLANGE」、BEAMSの3会場で開催
ART|BEAMSの3会場をステージに、旅をテーマとしたさまざまな物語を展開MIC*ITAYAエキシビション「SOLANGE」開催BEAMSでは約4年振りとなるミック・イタヤの最新作品展「SOLANGE(太陽天使)」が、2月28日(土)より開催。今回は渋谷「ビームス ライツ 渋谷(渋谷ヒカリエ ShinQs 4階)」「タイム カフェ 渋谷(ビームス タイム 2階)」と、新宿「Bギャラリー(ビームス ジャパン 6階)」の3会場で、旅をテーマにしたさまざまな物語を展開する。Text by KAJII Makoto (OPENERS)冒険に想いを馳せ、計画を練り、旅を整理する3会場今回のMIC*ITAYAエキシビション「SOLANGE」は、渋谷と新宿にまたがる3会場で、それぞれの役割を担っている。2月28日(土)から開催される「ビームス ライツ 渋谷」では、ファッションレーベル「BEAMS LIGHTS with MIC*ITAYA」のストーリーとウェアが登場。空を見上げ、遠い場所や大切...

EAT|ドン ペリニヨンがジェフ・クーンズとコラボレーション
DOM PÉRIGNON|ドン ペリニヨンEAT|ボトル収納型オブジェ&限定ギフトボックスを制作ドン ペリニヨンがジェフ・クーンズとコラボレーションドン ペリニヨンがニューヨークの現代アーティスト、ジェフ・クーンズとコラボレーション。ボトル収納型オブジェ「バルーン・ヴィーナス・フォー・ドン ペリニヨン」と、数量限定のギフトボックス「ドン ペリニヨン by ジェフ・クーンズ」を発売。Text by KUROMIYA Yuzu遊び心に満ちた表現であらたな可能性に挑戦ニューヨークを拠点にポップとコンセプチュアル、そしてアプロプリエーションという3つをポピュラーカルチャーに融合させ、独自のユニークな作品を制作しているジェフ・クーンズ。今回のコラボレーションでは、彼の巨大な彫刻作品「バルーン・ヴィーナス」をドン ペリニヨンのイメージに合わせアダプテーション。ミニバージョンに姿を変えたオリジナル像が、ドン ペリニヨン ロゼのボトル1本を包み込むボトル収納型のオブジェ「バルーン・ヴィーナ...

TRAVEL|美術館顔負けのコレクションを誇るアートホテル10選
TRAVEL|“芸術の秋”を堪能!“こだわりトラベラー”のための予約サイト「Tablet Hotels」が厳選!美術館顔負けのコレクションを誇るアートホテル10選(1)泊まりたいのは、本当に価値あるホテルだけ──。そんなコンセプトを基に、世界中から厳選したユニークで魅力溢れるホテルだけを取り扱う宿泊予約サイト「Tablet Hotels(タブレット ホテルズ)」。2000年の設立以来、ホテルにこだわりを持つトラベラーたちのあいだで人気を博している。いよいよ芸術の秋が到来。この季節に訪れてみたいのは、美術館顔負けのコレクションを誇る“アートホテル”。なかでもTablet Hotelsがいち押しする10選とは?Text by MOROHOSHI Ayaka (Tablet Hotels)Edited by TANAKA Junko (OPENERS)1. アメリカ・ニューヨーク「Gramercy Park Hotel」ジュリアン・シュナベルがデザインしたホテル、というだけでも高い芸術性...

はかなくも喜びに満ちた、アートと香りが描く春|ISSEY MIYAKE
ISSEY MIYAKE|イッセイ ミヤケマドモワゼル・モーリスによるインスタレーション春の香りにも似た、はかなくも喜びに満ちたアート(1)2月25日(水)に発売される「L’EAU D’ISSEY CITY BLOSSOM(ロードゥ イッセイ シティ ブロッサム)」のパッケージとボトルのグラフィックデザインを担当したマドモワゼル・モーリスが来日。世界4都市で行われる春をイメージしたインスタレーションや、折り紙との出会いについて話をうかがった。Text by IKEGAMI Hiroko(OPENERS)――あなたは、ルイ・ヴィトンをはじめ、さまざまなブランドや企業からの依頼を受けていますが、今回の企画についてどう思われましたか。マドモワゼル・モーリス 最初に聞いたときは、驚きとともにとても嬉しかったですね。日本に暮らしたこともあるわたしにとって、ISSEY MIYAKEは特別なブランドでもありますし、すぐに快諾しました。こういったプロジェクトに参加させてもらえて、とても光栄です。―...

ART|アレキサンダー写真展『Somewhat Optimistic』を六本木シンポジアで開催
ART|覆面写真家が切り取ったムンバイとミャンマー難民の“現実”アレキサンダー写真展『Somewhat Optimistic』覆面写真家として活動するイギリス人のアレキサンダー氏が、インド・ムンバイとタイに逃れたミャンマーの少数民族の“現実”を映しだした写真展『Somewhat Optimistic』。2月18日(水)から2月21日(土)まで六本木のシンポジアで開催され、写真の売り上げは難民支援のために寄付される。Text by YANAKA Tomomi写真の売り上げはRIJ(国際難民支援会)をつうじて難民支援に寄付アレキサンダー氏はアマチュア写真家として活動するイギリス人。現在は東京に住み、会社に勤めながら活動しており、フルネームもプロフィールも明かさぬまま“覆面写真家”としてアートワークに励んでいる。2010年から3年間にわたり、インド・ムンバイに住んでいたというアレキサンダー氏。ムンバイのカラフルで希望に満ちた街という一面のいっぽう、平均収入は1日500円以下という激しい貧...

INTERVIEW|アートディレクター 八木 保 インタビュー 世界が惚れる、八木デザインの軌跡
INTERVIEW|アートディレクター 八木 保 インタビュー世界が惚れる、八木デザインの軌跡(1)アートディレクター 八木 保氏が、日本では20年ぶりとなる書籍を発表した。八木氏は、1984年に国際的なカジュアルファッションブランド「エスプリ」のアートディレクターとして渡米して以来、現在はL.A.に設立した「Tamotsu Yagi Design」を拠点に活躍中だ。今回発表された書籍は、八木氏のこれまでの軌跡をたどる貴重な一冊でもある。文=小林由佳写真=JAMANDFIX世界的なアートディレクターが、日本で20年ぶりの出版に込める想い八木氏が過去手がけた作品は、アップル社をはじめ、世界規模の企業から高い評価を得ている。アメリカ政府からは、芸術分野で活躍するアジア人に与えられる貢献賞が授与され、サンフランシスコ近代美術館には、100点におよぶ同氏のデザインワークがパーマネントコレクションとして所蔵されている。「キュレーターが以前から僕の作品をよく知っていたこともあり、当美術館のオー...

INTERVIEW|写真家ジュリア・フラートン・バッテン インタビュー
INTERVIEW|ジュリア・フラートン・バッテン 写真展『Mothers and Daughters』写真家ジュリア・フラートン・バッテン インタビュー独特な表現で知られているドイツ人写真家、ジュリア・フラートン・バッテン(Julia Fullerton-Batten)。2月9日(土)から2月21日(木)までと、3月2日(土) から3月14日(木)までの二部にわけ、東京アーツ・ギャラリーにて日本での初個展を開催中。2012年に発表したのプロジェクト「Mothers and Daughters(母と娘)」が展示される。Interview by Winsome Li (OPENERS)Photographs (portrait) by JAMANDFIX親子の結びつきの深みを映す──「母と娘」シリーズを撮りはじめたきっかけとは?今回の「母と娘」シリーズは、10代の自分からインパイアされた「Teenage Stories(10代のストーリー)」の続きとしてはじめました。──作品のコンセ...

ART│巨匠の全貌を披瀝! 『アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密』展
ART│シュルレアリスムからヌード、ファッションまでを網羅巨匠の全貌を披瀝! 『アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密』展『ハーパース・バザー』や『ヴォーグ』などファッション誌を中心に活躍したアーウィン・ブルーメンフェルド(1897~1969年)。彼の作品の全貌を紹介する日本初の展覧会『アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密』が、3月5日(火)から5月6日(月・振休)まで東京都写真美術館で開催される。Text by YANAKA Tomomi美しい写真の根底に隠れる「戦争」ファッション・ポートレートの旗手として知られるアーウィン・ブルーメンフェルド。これまでに1981年のパリのポンピドゥー美術館や1996年のロンドンのバービカン・センターなどでの個展で高い評価を得てきたが、重要な作品が世界各地の美術館に散在していることなどから、日本国内で彼の作品の全容を知る機会はなかった。しかし今回、ブルーメンフェルドの遺族により、1930年代のヴィンテージ・プリントや作家自身が選出した名作1...