はかなくも喜びに満ちた、アートと香りが描く春|ISSEY MIYAKE
LOUNGE / ART
2015年2月20日

はかなくも喜びに満ちた、アートと香りが描く春|ISSEY MIYAKE

ISSEY MIYAKE|イッセイ ミヤケ

マドモワゼル・モーリスによるインスタレーション

春の香りにも似た、はかなくも喜びに満ちたアート(1)

2月25日(水)に発売される「L’EAU D’ISSEY CITY BLOSSOM(ロードゥ イッセイ シティ ブロッサム)」のパッケージとボトルのグラフィックデザインを担当したマドモワゼル・モーリスが来日。世界4都市で行われる春をイメージしたインスタレーションや、折り紙との出会いについて話をうかがった。

Text by IKEGAMI Hiroko(OPENERS)

――あなたは、ルイ・ヴィトンをはじめ、さまざまなブランドや企業からの依頼を受けていますが、今回の企画についてどう思われましたか。

マドモワゼル・モーリス 最初に聞いたときは、驚きとともにとても嬉しかったですね。日本に暮らしたこともあるわたしにとって、ISSEY MIYAKEは特別なブランドでもありますし、すぐに快諾しました。こういったプロジェクトに参加させてもらえて、とても光栄です。

――今回はボトルとパッケージのグラフィックデザインを担当されただけでなく、世界4都市で行われるイベントにも参加されていますね。

マドモワゼル・モーリス はい。東京、ロンドン、ニューヨークそしてパリのISSEY MIYAKEの旗艦店でインスタレーションをおこないます。春をテーマにしたアートですが、各都市、各都市のイメージで作品も違うんですよ。ここ東京は桜をイメージしました。ISSEY MIYAKE/AOYAMAはとてもファッショナブルなストリートに面しています。そこでライブインスタレーションをおこなえたことは、大変うれしいですね。

ISSEY MIYAKE|マドモワゼル・モーリスによるインスタレーション

29歳のフランス人アーティスト。折り紙、レース、刺繍、さらには複数の技法を融合し、自らの日常と密接に関わる作品づくりを続ける。作品は室内にとどまらず、建物や道路の外壁などパブリックスペースに設置されることも。ポジティブでメッセージ性の強いクリエーションに世界中が注目している。

――なぜ、桜を選ばれたのですか。

マドモワゼル・モーリス 日本人にとって桜はとても大切な存在です。みなさん、お花見も大好きですしね。わたしの作品を見て、ちょっと早いですがお花見気分を楽しんでもらえたら。

ここ青山のブティックは大きな窓が通りに面しているので、みなさん制作中のわたしを興味深そうに眺めていました。小さなお子様から、大人まで、たくさんの方が脚をとめ、なかには「すごーい」なんて声も聞こえたりして。制作中はとても楽しかったです。残念ながら、わたしの日本語ではそれ以上のコミュニケーションはとれなかったのですが……。

――このISSEY MIYAKE/AOYAMAも一面に桜が咲き誇ったようですね。これだけの作品ともなると、制作にかなりの時間を要したのでは?

マドモワゼル・モーリス 昼にスタートさせてから、夜中の2時過ぎまでかかりました。もちろん、折り紙は前もって折って準備しておきます。そして、それぞれのパーツをフィーリングで構成していくのです。その場に立って、思い浮かぶままに作品を仕上げていきます。

ISSEY MIYAKE|イッセイ ミヤケ

マドモワゼル・モーリスによるインスタレーション

春の香りにも似た、はかなくも喜びに満ちたアート(2)

――そもそも、なぜ作品づくりに折り紙を使われるのですか。

マドモワゼル・モーリス わたしは1年ほど日本で生活したことがあるのですが、滞在中に折り紙に出会い、興味を持ちました。ちょうど、自分の作品の方向性や手法について模索していた時期でもありましたし。

ISSEY MIYAKE|マドモワゼル・モーリスによるインスタレーション

さらに滞在中に東日本大震災を経験し、そこでまた折り紙と出会いました。まだ発見されない方たちが助かるようにと、千羽鶴を折ったというニュースを聞いたのです。それまでは、単なる折り紙造形への興味でしたが、人々の思いが込められる、エモーションが詰まった折り紙のパワーを知ったのです。

帰国後に、調べてみると広島平和記念公園にある原爆の子の像のモデルにもなった佐々木貞子さんも、元気を願って病院で千羽鶴を折ったと知りました。日本人の人々が千羽鶴に平和の願いを込めるように、自分も折り紙に思いを込めて作品をつくろうとなったのです。

――折り紙の作品からどんなことを伝えたいのでしょう。

マドモワゼル・モーリス 折り紙のひとつひとつがひとりの人間を表しています。都市と同じように、人々が1カ所に集い、そして、またバラバラになっていく。わたしのアートも同じです。一定の期間がすぎると撤収し、あとにはなにも残りません。でも、集まったときのポジティブなエネルギーはすごいですよね。そのポジティブなエモーションを感じてほしい。

――そういった短命ではかなげなところは、春の花にも似ていますね。

マドモワゼル・モーリス そうかもしれません。今回はフレッシュで都市の中の小さな自然、花びらがひらひらと舞い、鳥たちが飛んでいくといったイメージで作品をつくりました。ぜひ、作品と香りの両方からフレッシュな春を感じてほしいですね。

ISSEY MIYAKE|マドモワゼル・モーリスによるインスタレーション

調香師アルベルト・モリヤスが作り出した2015年春限定の香り。ムスクマスターと賞賛される彼が、コンクリートの合間から開花する花々をイメージした。フレッシュな花々を彷彿とさせるフローラル・ウッディフレグランス。

ロードゥ イッセイ シティ ブロッサム オードトワレ
価格・容量|1万692円(50mL)、1万4256円(90mL)

ブルーベル・ジャパン株式会社
Tel.03-5413-1070

           
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